2024.07.27
黒人(父ジャマイカ人、母インド人)・女性・アジア系初の大統領候補「カマラ・ハリス」にアメリカが熱狂…焦るトランプの「人権無視の誹謗中傷」が止まらない
反トランプで結束
国が違えども政治の先行きを見通すのは決して簡単ではない。つくづくそう感じたのはジョー・バイデン米大統領(81歳)が7月21日の米大統領選撤退表明後、それまで党内分裂が際立っていた米民主党は日を置かずしてカマラ・ハリス副大統領を後継大統領候補に指名した。波乱はなかった。
それどころか、ドナルド・トランプ前大統領の返り咲きだけは阻止したいと党内は一転して反トランプで結束を強めた。然るに、カリフォルニア州司法長官出身のハリス氏自らが「検察官VS犯罪者」というシンプルな対立構図を前面に出してトランプ氏への攻勢を強めている。
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それが奏功したのか、ロイター通信の世論調査(7月22~23日実施)でハリス氏支持44%がトランプ氏支持42%を上回ったのである。ハリス氏批判「最も左翼的な上院議員だった」や「史上最も無能な急進的左派」は、毎度ながらのトランプ節の「おまえはクビだ!(you‘re fired!)」を繰り返すなかでのフレーズでしかなく、黒人(父ジャマイカ人、母インド人)・女性・アジア系初の大統領候補を前に無力に近いものだった。
加えて、バイデン大統領が24日午後8時(米東部時間・日本時間25日午前9時)からホワイトハウスの大統領執務室で行った演説で「新しい声が必要な時と場もある。新鮮な声、若い声だ。まさにその時と場はいまだ」と国民に語りかけたのが効いた。
若者が牽引した今回の「ハリス期待」現象は、無党派層がもともと有権者の中に根強く存在した「ダブルヘイター(double haters=トランプは嫌だが、バイデンも許容できない)」を吸収したうえで、78歳のトランプ氏より59歳のハリス氏の「若さ」に軍配を上げた証しとも言える。