信長 KING OF ZIPANGUとは、1992年に放映された第30作目の大河ドラマである。全49話。
主人公の織田信長役は緒形直人。父の緒形拳は1965年の大河ドラマ「太閤記」において、豊臣秀吉役で主演しており、初めて親子二代にわたって大河ドラマの主人公を演じることとなった。
脚本は、1988年に放送され大ヒットした「武田信玄」の田向正健。この後、1998年にも「徳川慶喜」の脚本も担当しているが、大河ドラマで田向氏のオリジナル脚本による書き下ろしは本作のみである(歴代大河ドラマのうち、武田信玄、信長 KING OF ZIPANGU、徳川慶喜の三作品を執筆)。
音楽は毛利蔵人。大河ドラマでは初めて、オープニング曲に歌詞が付けられた。
織田信長が登場する大河ドラマは数多いが、織田信長が単独主演の大河ドラマは、意外にも過去から現在に至るまで当該作品のみである(1973年度の「国盗り物語」では、前半が斎藤道三、後半が織田信長、全体の準主役が明智光秀となっている)。
他にも、秀吉・光秀・勝家といった有名な武将だけでなく、林通勝(林秀貞)や池田恒興のようなそれまでややマイナーだった人物にも焦点が当てられている。
織田信長と交流の深かったイエズス会宣教師ルイス・フロイスの目線で描かれた戦国時代という形式を取り、ナレーションはフロイスの回想という設定になっている(但し、フロイス役とナレーションはそれぞれ別の人物が演じている)。このためか、キリスト教徒の描写が非常に多く、例えば第16回は信長がほとんど登場せず、本編の大半はフロイスに先立って布教活動を行った宣教師のガスパル・ヴィレラと、後にフロイスの通訳となる日本人宣教師ロレンソの話が中心となっている。
毎回のラストは「それではみなさん。アテブレーベ・オブリガード!」で締めくくられ(日本語訳は下記のあらすじ参照)、「武田信玄」の「今宵はここまでに致しとうござりまする」と同様に流行語となった。なお、大河ドラマの語り部を外国人が担当した作品は、2020年現在本作が唯一である。
大河ドラマの中ではかなりオカルトチックな要素が多いのも本作の特徴である。中でも、本作のオリジナルキャラクターで、織田家に仕える祈祷師(古いタイプの軍師である軍配者のような存在)の加納随天は、平幹二朗の怪演も相まって、強烈なインパクトとトラウマを視聴者に与えた(ぶっちゃけ、子供が見たら泣くレベルの怖さである)。一方、主人公の信長をはじめ、他の登場人物を食ってしまう存在感と、サブタイトルがズバリ「随天」となっている第32回のように、かなり本筋から逸れてまで随天の出番に尺を割いたこともあって、今でも随天の登場した意義は賛否両論である。
また、前半はリアルな描写を再現するためにわざと照明を暗くしたが、見えにくいというクレームがあって途中から普通の明るさに戻った。それでもなお、織田信秀に襲いかかる自分が殺した亡霊の群れや、疲弊しきった明智光秀が天井から血の雨を浴びる場面など、随天以外にもホラー要素満載な要素や演出は多数ある。
1585年3月23日、天正遣欧少年使節がローマ教皇グレゴリウス13世に謁見した。日本人が初めてヨーロッパを公式訪問した出来事であった。
このことに対し、フロイスは「聖フランシスコ・ザビエル司祭が日本に来てから36年目の出来事であり、感慨無量である。」と言う。
話は1585年から遡ること45年前。ポルトガル人の少年ルイス・フロイスは、リスボン郊外で大西洋の海を眺めていた。当時、ヨーロッパでは東の果てのその果てに「黄金の国・ジパング」があると噂されていた。当時の彼は自らが宣教師として、その日本に行くとは考えてはいなかったという。
彼が思いがけずに出逢った人物の名前は「織田 弾正忠 信長」。
「信長 KING OF ZIPANGU」の物語は、清洲三奉行のひとり、織田信秀(織田信長の父)が松平家の城・安祥城を攻撃した1540年の安祥合戦から始まる。当時、嫡男・吉法師は満6歳であった。
織田信秀は守護・斯波氏の守護代・織田大和守の家来にすぎなかった。それがいつの間にか戦を重ねて、守護代を凌ぐ力を得たという。古渡城に移ることになった信秀は、吉法師に那古屋城を譲る。父・信秀からのスパルタを受けつつ、うつけながらも強い信長へと育ってゆく。
信秀の死後、織田弾正忠家を継いだ織田信長は、尾張の守護大名・斯波義統を殺した守護代・織田信友(尾張下四郡の支配者)、叛逆した弟・信行(織田信勝)、尾張上四郡の支配者・岩倉織田氏を攻め滅ぼし尾張を統一する…
…それでは、みなさん。
Até breve, obrigado! (また近いうちに…ありがとうございました)
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最終更新:2025/01/03(金) 06:00
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