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メタミドホス(Methamidophos)とは、農薬、殺虫剤として利用される有機リン化合物である。
メタミドホスは、多くの虫への殺虫効果が期待できるが、ヒトに対しても有害な殺虫剤。農薬として販売される場合の商品名としては、ドイツの企業バイエルの「タマロン」「モニター」が知られているが、日本では農薬としての使用は認可されていない。
過去、中国産冷凍餃子中毒事件(2007年12月に発生)や三笠フーズによる事故米不正転売事件(2008年9月に発覚)が起き、話題となった。
メタミドホスをはじめ有機リン系の農薬は、コリンエステラーゼを不可逆的に阻害する作用をもつ。コリンエステラーゼとは、副交感神経などの神経伝達物質であるアセチルコリンを酢酸とコリンに分解する酵素である。メタミドホスによってコリンエステラーゼが阻害されアセチルコリンが充溢すると、受容体への刺激が持続することとなり、生理機能に障害を与える。
症状としては嘔吐、頭痛、腹痛、縮瞳(目がかすむ、視界がぼやける)、めまい、流涙、流涎(唾液が垂れ流しになる)など。重症化すると、呼吸困難や意識の混濁などを引き起こし、死に至ることもある。
治療には、プラリドキシムヨウ化メチル(PAM)とアトロピン硫酸塩が併用される。PAMは有機リン化合物の中毒に特異的な医薬品で、阻害されたコリンエステラーゼを再賦活化(活性化)させる。アトロピンはアセチルコリンと競合、アセチルコリンによる刺激を抑えることで、上記の症状を緩和させる。
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最終更新:2025/01/02(木) 23:00
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