本記事では、ヨーヨーのベアリング(Bearing)について解説する。
軸とストリングの間に設けられた、回転を受ける部分。
大きく、以下の3種類に分けられる。
ボールベアリングがなかった時代にはベアリングのない固定軸機種や滑り軸受け式が主流だったが、現在は極めて安価なモデルか、初心者向けか、こだわりのプレイヤー向けに限られている。
転がり軸受け。
径の大きさと幅、形状によって、様々な特性がある。
ベアリングサイズは以下の通り。単位はmm。赤字はインチサイズ。
表記 | 内径 | 外径 | 幅 | 通称 |
---|---|---|---|---|
A | 5.00 | 10.00 | 4.00 | ダンカン |
B | 6.35 | 9.53 | 3.18 | ジャム小径 |
C | 6.35 | 12.70 | 4.76 | ジャム大径 |
C- | 6.35 | 12.70 | 3.18 | ジャム大径薄型 |
D | 5.00 | 11.00 | 5.00 | HSPIN |
D- | 5.00 | 11.00 | 4.00 | HSPIN薄型 |
E | 3.97 | 7.94 | 3.18 | ヨメガ |
E- | 3.97 | 7.94 | 2.78 | ヨメガ薄型 |
F | 8.00 | 12.00 | 4.00 | フィエスタ |
G | 4.74 | 9.52 | 3.18 | カスタムヨーヨー |
H | スーパーヨー | |||
I | 3.18 | 7.92 | 3.56 | トムクーン |
J | 6.00 | 12.00 | 4.00 | ヨメガ大径 |
K | 4.00 | 8.00 | 3.00 | ファクトリー小径 |
L | 6.00 | 13.00 | 5.00 | HSPIN大径 |
M | 9.00 | 17.00 | 5.00 | ビッグヨー |
サイズA・B・E・Kがこう呼ばれる。ハイパーヨーヨーの頃までは標準的なベアリングサイズ。
ルーピングや、レスポンスシステムのないオフストリング機に向く。
滑りは悪く、ストリング機用にはレガシー技術となっている。
サイズC・D・F・J・L・Mがこう呼ばれる。
「ヨーヨージャム・パトリオット」から採用された、径の大きなベアリング。
滑りがよく、戻り具合の調整もしやすいのでストリングトリック向け。
表記に「-」がついているものは、標準より薄い。
ギャップ幅を狭め、バインド仕様のヨーヨーを引き戻し仕様にするためのベアリング。
パッケージに両方付属した状態で売られている場合と、薄型をつけた状態で売られていて、標準幅は別売りになっている場合がある。
サイズE-は、「ヨメガ・レイダー」のギャップ幅を狭め、簡易的にルーピング仕様に改造できる。
こちらは商品に付属せず、サードパーティによる別売りである。
横から見るとまっすぐな形状になっている、標準的なベアリング。
現在は下記の凹型ベアリングなどが標準搭載されていることがほとんどだが、特許料削減のために標準ではフラットベアリングが搭載されている場合もまだまだ多い。
One Drop YoYosなど、こだわりをもってクオリティの高いフラットベアリングをあえて搭載するメーカーもある。
「シュトルム・パンツァー・NM9」は、フラットベアリングが標準だった時代のオマージュのために搭載している。
横から見ると、へこみのあるベアリング。現在の主流。
Dif-e-Yoが「コンケイブベアリング」として開発した。
へこみがあることで、ストリングがベアリングの真ん中にくるようになり、フチにストリングが当たってスリープロスすることを防ぐ。
ヨーヨーファクトリーのセンタートラックベアリング(ハイパーヨーヨーでは『UFOベアリング』)や、後述のグルーヴベアリングも発想は同じである。
出た当時は高級品であったが、現在は標準でついていることも多い。
中心に溝が彫られたベアリング。凹面加工と併用されることもある。
クルーシャル・C3ヨーヨーデザインなどのヨーヨーに標準搭載されている。
ベアリングを2枚重ねにするセッティング。
標準搭載は「スピンタスティクス・グレートホワイトシャーク」ぐらいで、通常は改造で行われる。
2つのベアリングの隙間に溝ができることで、のちのグルーヴベアリングと同じような効果を狙ったもの。
現在は専用ベアリングが作られているため、あまり使われない。
→固定軸
80年代から売られている昔ながらの機種に採用される。
アメリカでは一般的なおもちゃ屋で売られている。
安価なため、大量に作ってばらまくにも向いており、海外ではノベルティモデルの多くが固定軸である。
木でできた軸。戻りがよく、伸びきったときの当たりが柔らかいため、かつては初心者向けとされた。
多くの総木製ヨーヨーに採用されている。ラッセルヨーヨーなど、プラスティック機に採用されることもある。
「ダンカン・プロヨー」のように、動かない木製スプールは木製軸と同様に扱われる。
金属でできた軸。摩擦が少なく、木製軸よりは上級者向けである。
金属にナイロンをコーティングした軸。摩擦が少なく、スリープ時間に優れる。
コーティングがはがれるか割れたら製品寿命であり、寿命が短いのが難点。
「バンダイ・ハイパーミレニアム」がこの方式を用いている。
滑り軸受け。
ボールベアリングが高価だった時代に、廉価版機種に多く用いられた。
現在では安価に作れるようになったため、企業のノベルティなどもこの方式が増えている。
ポリアセタール樹脂など、摩擦係数の低いプラスティックを用いたベアリング。
多くのヨメガヨーヨーに用いられる。
2000年代以降は、数百円の安価なヨーヨーにも用いられている。
遠心クラッチに掴まれるためのゴムリングを搭載したベアリング。
多くはプラスチックベアリングだが、ボールベアリングもある。
金属のスリップベアリング。
「ヨメガ・ファイヤーボール」の特許が有効だった時期に、それを回避するための構造と思われる。
採用例は極めて少ない。
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最終更新:2024/12/23(月) 05:00
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