技量審査場所とは、平成23年(2011年)5月に開催された特殊な大相撲場所である。
概要
平成22年秋に発覚した野球賭博問題に引き続き、翌2月に発覚した八百長問題により、平成23年3月春場所の中止が決定。更に八百長の実態も完全に解明できていない状態では正式な本場所は開催できないため、平成23年5月の夏場所の中止も決定されてしまった。
しかしながら相撲協会は、役力士達の実力を見極め翌場所の番附を編成するための「五月技量審査場所」を五月場所の代わりに開催。観覧は基本的に無料、館内アルコール禁止という非興行場所としての開催であり、国技館内の相撲茶屋も営業を休止した。
力士たちにとっては本場所ではないものの、以後の番付や昇進にも関わる公式記録として戦績が数えられる特殊な場所となった。幕下の力士たちに取っては、八百長疑惑で協会を解雇された十両力士が多い中で、出世をする一大好機ともなった。
一方、不祥事に対する処置としてNHKは恒例の大相撲中継、及びダイジェスト放送を中止。会場での観覧は基本的に無料公開されていたものの、東京まで出掛けられない相撲ファンは、視聴する機会を奪われる事となった。
そこで手を挙げたのが我らがニコニコ動画である。
平成23年五月技量審査場所 公式ニコニコ生放送
平成23年(2011年)の五月技量審査場所はニコニコ生放送で配信された。
5月8日~22日まで、15日間の「全取組」が公式番組として生放送された。幕内や十両の取組のみならず、NHKの通常放送では目にすることの出来ない前相撲・序の口・序二段・三段目・幕下の取組をふくめ、連日朝8:30~18:00まで余すところ無く生中継。タイムシフト配信も行い、初日の放送は累計約16万人が視聴した。
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● 放送特設ページ
尚、インターネット上ではこのほかに相撲協会公式ホームページ、ひかりTV、goo大相撲などでも配信が行われた。goo大相撲ではテロップで各種情報が案内された他、十両の取組からは国技館の館内FM局スタッフによる解説が入れられた。
結果
最終的には横綱白鵬が13勝2敗で、朝青龍と並ぶ7連覇で幕を閉じた。
平幕の栃ノ心が12勝3敗の成績を収める大健闘を見せた。
また大関魁皇は千秋楽白鵬を下し横綱千代の富士の持つ通算1045勝の記録まであと1勝となった。
関連項目
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