ハウリングとは音響用語であり、マイクで集音した音声が何らかのアンプ(増幅装置)を経由して直接スピーカーに繋がっている場合において、高周波の「キィイイン」と言う音が発生している状態を指す。元々は英語で遠吠え(犬などの)を意味する言葉である。フィードバックとも呼ばれる。日本語では音が回る、ハウる、などとも表現する。
概要
スピーカーとマイクが近い、あるいはスピーカーの音量が大きすぎるなどの理由で、スピーカーから出た音をマイクが拾い、その音が再度スピーカーから発音される事がある。この時、セッティングにより最初の音に対して後から発音された音がある一定の割合以上に大きくなると、特定の周波数の音が増幅され、高周波の「キィイイン」と言う音が発生してしまう。
この周波数は、一度スピーカーから出た音がマイクを通って次にスピーカーから発音されるまでの遅延時間、マイク-スピーカー間の周波数特性などに依存するため、環境によってはもっと低い周波数の「ブーン」と言うような音である場合もある。いずれにせよ、基本的には一つの周波数のサイン波である場合が多い。
ライブ、イベントなどのPAや、カラオケボックスで大きな音量を出したりマイクのボリュームを上げすぎた場合などによく起こるが、設定次第ではヘッドセットマイクのヘッドホンとマイクでも起こる。
ライブなどではとても大きな音を出す上に、特にボーカルなどはステージ上を動き回るため、ハウリングが起こりやすい。大きな音量を出しながらハウリングを避ける為には適切なイコライジング(周波数帯ごとの音量調整)が重要である。
ハウリングの誤用
ニコ生を視聴中に、たまに生主側の設定のミスなどにより、音声や音楽が2重に聞こえることがある。動画の音声やBGMでも起こり得るが、特にSkypeの通話相手から自分の声が帰ってくることで発生する場合が多い。この状態を指してハウリングと呼んでいる場合があるが、これは誤用である。あくまで連続したフィードバックが発生している場合のみハウリングと呼ぶ。
もちろん、Skypeでもお互いが相手の音声をミキサ経由で相手に送り返す設定にしていれば連続して同じ音が何度も回ってくることはありえるが、遅延時間の大きさのためにハウリングと表現されるような共振現象は起こらず、大抵はエコー、ディレイのように同じ音が何度も聞こえてくるだけにとどまる。設定次第ではどんどん音が大きくなり、次第に音が割れがひどくなり、ハウリング同様に不快な騒音を引き起こす場合もあるが、それでもハウリングではない。
将来的に回線速度が非常に高速になり、Skype経由でもハウリングと呼べる現象が起こる可能性はあるが、現状ではあり得ない。また、大抵は生主側はちゃんと相手の音をマイクに乗せない設定で通話するため、相手が設定をミスしても、生主の音声が2重に聞こえるにとどまり、これを指してハウリングと呼ぶのはニコ生以外ではほぼ通用しない恥ずかしい誤用なので、間違って覚えないように。
関連項目
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