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クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)とは、非常に危険なウイルス感染症である。
別名、クリミア病。
概要
エボラ出血熱と並んで有名なウイルス性出血熱の一つ。主にアフリカ大陸とユーラシア大陸(東欧、中央アジア、中東、南アジア)で流行している。
致死率はエボラ出血熱ほど高くはない(それでも30%程度であり非常に危険な病気であることに変わりはないが)ものの、エボラ出血熱と異なりアフリカ以外でも発生しているため、流行地域が広いのが特徴である。
ちなみに最初にウイルスが発見されたのはウクライナのクリミア半島である。その後、アフリカのコンゴでもウイルスが発見され、クリミアのウイルスと同一のものであることが分かっている。
感染経路
ウイルスを保有している哺乳類(牛、羊、ヤギなど)に触れたり、その動物の血を吸ったマダニに咬まれることで感染することが多い。
また、ヒトからヒトに伝染することもあり、特に患者の血液や下痢便、嘔吐物などは危険である。感染症法では一類感染症となっているため患者は原則として隔離入院となる。
症状
数日から1週間程度の潜伏期間の後、高熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などの症状があらわれる。
進行すると鼻血、歯肉炎、結膜炎、皮膚の内出血、消化管出血(吐血・下血)、血尿など全身からの出血がみられる。また、肝炎もみられる。
CCHFウイルスに感染しても無症状であることも少なくないが、一度CCHFを発症してしまうと死亡することも少なくない。
治療方法
CCHFウイルスをやっつけるリバビリンという薬は一応あるものの、早期に投与しないとあまり意味が無い。脱水症状の改善のための輸液や輸血も行われる。
また、先述の通り一類感染症であるため、患者は隔離する必要がある。
予防方法
流行地域では家畜に近づかないこと、マダニに咬まれないように肌の露出を避けることが重要だろう。
関連動画
関連項目
- ニコニコ大百科:医学記事一覧
- 感染症
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)…主に日本などの東アジア地域で流行しているウイルス性出血熱。CCHFと同じブニヤウイルスが引き起こす病気で、マダニが媒介する点も共通している。
- エボラ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱…CCHFと同様に感染症法の一類感染症と位置付けられているウイルス性出血熱。
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