ウォルマート(Walmart)またはウォルマート・ストアーズとは、アメリカを代表する企業の一つである。
世界中に店舗を持つ、世界最大のスーパーマーケットとして知られている。
概要
1962年サム ウォルトンが創業。元々は雑貨店を土台にしたディスカウントストアであった。
売上額で世界最大の企業である。2014年時点にて、日本円にして45兆4995億円(円ドルレート101.8計算)の売り上げ額を誇る。
参考までではあるが、ウォルマートの売上額は2013年3月期における日本における最大売上額であるトヨタ自動車の連結売上額(22兆641億9200万円)のおおよそ二倍である。その他、フォーチュン誌の世界ランキング2013においてウォルマートは2位、トヨタ自動車は8位となっている。ウォルマートの企業体としての規模を理解する参考にしていただきたい。
販売手法
徹底した薄利多売を社是としているのが特徴である。以下の特徴をもつ量販店である。
良くも悪くも薄利多売を徹底しているため、時としてダンピングまがいの状態となり、周辺地域の同業者を倒産に追い込むなど一部ではかなり評判が悪い。アメリカ国内での販売品のほとんどを中華人民共和国製にたよっていたりもする。さらに現在のアメリカでは商品の返品条件が極端にゆるく、中には一度二度使ったものでも返品を受け付ける場合がある。こういった商習慣はウォルマートが最初に行い全米に広めた。結果アメリカでは返品率が他国のそれより高くなり、ウォルマートのように体力を持たない店舗の経営を圧迫した。
ウォルマートは毎年5%の値下げをサプライヤー(商品提供者)に要求する。これをもって値下げの原資としていたが当然のことながら、無制限の値下げ要求に付き合いきれる企業以外は脱落していった。アメリカにおいてはウォルマートが進出することで雇用が拡大すると当初言われたが実際には少人数でまわすというウォルマートのポリシーにより雇用は拡大せず、むしろ周辺商業圏が破壊されることによって失業者数が増えるという事態も起きている。
ウォルマートは全てはお客様のためであるとしているが、上記のやり方でも利益が上がらなかった場合は撤退してしまうため、地域の小売店を潰すだけ潰しておいて自分は逃げるというやり方に批判が集まったこともある。
消費者にとってみれば何でも揃う、何でも安いと良いことづくめに見えるため、創業から半世紀もしないうちに世界最大のスーパーマーケットへと成長した。
2002年に公開された映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』において、マイケル・ムーアが銃犯罪の被害者をともなってウォルマート本社に弾薬の販売中止を交渉したことでウォルマートは販売を中止するという発表を行った。
しかし、2011年になってふたたび弾薬を取り扱うという方針に転換し、各店舗にて販売を再開した(弾薬販売に対する需要が未だに強いこととウォルマートの業績悪化が背景にあるものと思われる)。
近年の状況
このように廉価を売りに拡大してきたウォルマートではあるが、2013年以降の現在においては新興国で事業の縮小が相次ぐと同時に米本国における既存店売上高の減少などに悩まされている。その原因としてウォルマートは、中国、ブラジル、インドでの展開を急ぎすぎたこと、またアマゾンが展開する1ドルショップ(日本における100円均一のアマゾン版に近い代物である)が原因であると分析している。
近年はシェアを上昇させているネット通販との戦いに押されてきており、世界各地での「選択と集中」が顕著になっている。 [1] [2] [3]
とくにネット販売の最大手であるアマゾンとの戦いが増えてきており、ネット事業の強化を図ってアマゾンに対抗する姿勢を鮮明にしながら模索を続けている[4]。2018年1月には楽天と提携し日本でのネット通販事業を強化、7月にはマイクロソフトと提携して通販のシステムにクラウドサービスを活用することを選んでいる。[5]
日本との関わり
日本におけるウォルマートの子会社として西友があげられる。2002年にウォルマートと提携し2008年に完全子会社化される。西友は、当初は業績不振であったが、現在は安定的な売り上げを確保している。これは長い年数他業態、コンビニエンスなどと争ってきた結果、住み分けが確立しているためではないかといわれる。
また、子会社化以降はEDLP(Every Day Low Price / 毎日低価格)をかかげ、ウォルマートが持つ調達網を駆使して安い製品を大量に仕入れるというウォルマート流を徹底させたことで低価格路線を成し遂げている。
株式会社クレディセゾンとの提携でクレジットカードの発行も行っている。ブランドはアメリカン・エキスプレス(American Express / AMEX)で正式名称は「ウォルマートカード セゾン・アメリカン・エキスプレス®・カード」名前なげえ
2018年1月に日本のネット企業である楽天と提携している。楽天koboおよびkobo対応の電子書籍の販売取扱いや、楽天と西友の共同によるネットスーパーの設立など、互いの強みを活用した販売を行っていくとのこと。 [6] [7]。
2018年7月、「ウォルマートが西友を売却し、日本市場から撤退することを検討している」という内容の報道が出た。ウォルマート側は「売却は決定していない」と否定し、引き続き注力するとの主張をしている。[8] [9] [10] [11]
関連動画
関連商品
関連項目
関連リンク
脚注
- *ウォルマート、米国で異例の大量閉店-小型店舗戦略が失敗 (ウォールストリート・ジャーナル 2016年1月17日 11:59 JST)
- *なぜ?米ウォルマート、中国の地方都市で2店舗同時閉店―中国メディア (Record China 2017年4月14日(金) 6時30分)
- *ウォルマートがブラジルから撤退 次の投資先はインド (WWD 2018/5/30 (WED) 11:00)
- *ウォルマート、ネット売り上げ4割増、「アマゾン1強」に待った (日本経済新聞 2017/10/11 17:46)
- *ウォルマートとマイクロソフトが提携、アマゾンに対抗 (CNN 2018.07.18 Wed posted at 16:26 JST)
- *楽天、ウォルマートと提携--米国でKoboを独占販売、西友とネットスーパーを展開 (CNET JAPAN 2018年01月26日 11時26分)
- *楽天、ウォルマートと提携 日本でネットスーパー (日本経済新聞 2018/1/26 10:30)
- *米ウォルマート、西友を売却へ 日本での店舗運営撤退 (日本経済新聞 2018/7/12)
- *米ウォルマート、西友売却へ=世界的事業再編で日本撤退 (時事通信 2018/07/12)
- *ウォルマートが西友売却か、買い手に楽天・アリババ・ドンキ浮上 (Ascii.jp 2018年07月18日)
- *米ウォルマート「西友売却の協議行わず」、日本事業の継続表明 (NewsWeek 日本語版 2018年07月13日)
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