アンパンマンとは、やなせたかしによる絵本作品を原作とした関連作品の総称である。また、それらに登場するあんぱんの主人公を指す。
アニメーション作品の正式なタイトルは、「それいけ!アンパンマン」。
BS日テレにて毎週月~金の午前8時30分(2023年時点、過去の年度から2023年3月までは午前8時)から「それいけ!アンパンマンくらぶ」が放送されている。
日テレ出資の動画配信サービス・Huluのアンパンマンチャンネルにて毎週最新エピソードを配信中。
概要
ジャムおじさんが作ったパンに、命の星が落ちてきて生まれたのがアンパンマン。
すくすくと育ったアンパンマンは街の平和を守るために、仲間達といっしょにバイキンマンと戦う。
アンパンマンのキャラ付けにはイエス・キリストが説いた慈愛の精神や、科学的に生命を創造するというテーマを描いたフランケンシュタインなどの影響がある。
アンパンマンのマーチの歌詞をよく聞いてみると非常に深い意味が込められている事に気付けるだろう。
2009年にテレビ放送話数1000回を達成。2013年には登場したキャラクターが2200を超え、世界で一番登場キャラクターの多いアニメとなっている。(詳細については2010年ギネスブックを参照)
アンパンマンの原点
アンパンマンの原型は「PHP」という雑誌に連載されていた『こどもの絵本』という名の大人向け童話の一つ。
この時のアンパンマンは顔がパンではなく、ちょっとメタボで団子っ鼻の生身の人間である。
不恰好な姿でフラフラ飛ぶことしかできず、せっかく配ったアンパンも子供にあまり喜ばれない。
それでも飢えた子供達の為にアンパンを配り続けるが、最後には飛行機と間違えられて打ち落とされてしまう。
力でしか解決できないヒーロー達に対する皮肉と、やなせたかしのヒーロー像をそのまま体現したキャラであった。
『こどもの絵本』は後に『十二の真珠』と名を改め単行本化されている。
キャラクターとしてのアンパンマン
空を飛んで町をパトロールし、困っている人を助けたり悪者(ばいきんまん)と戦ったりする正義の味方。
その名の通りアンパンのヒーローであり、お腹の減った人には自分の頭を分け与える。
人物
基本的に悪いことをする者には厳しいが、それでも何とか仲良くなれないかと考え続けているほどで、作者曰く「世界に住む全ての人々が好き」なのだという。自分の顔を分け与えることで力が減り、いざと言うときに負けるかもしれなくなることを知っていても顔を分けるのをやめない。
一方で、誰に対しても全く公平であるため、恋愛など、特定の者だけを意識する感情とはかけ離れた存在でもある。
嫌な言い方をすれば、特定の相手に心を許すことは有り得ないと言える。
「正義の味方はちょっぴり孤独ですね」とは作者の談。読んで字の如く、「愛と勇気だけが友達」のようだ。
非の打ち所がない性格に見えるが、実は極度の上がり症で舞台上での演技や芝居が苦手。
顔
彼の頭は美味しいアンパンであり、中身は粒餡である。
これは作者が粒餡派であることや、粒餡の方が脳みそに似ていることが理由。
よほど美味しいらしく、まずいと言ったキャラクターはほとんどいない。(食べようとしなかったキャラはいる)
頭は同時に彼のエネルギー源でもあり、ここが濡れたり潰れたり汚れたりすると力が出なくなる。
ばいきんまんとの戦いでは、これによってほぼ毎回ピンチに陥る。
が、ジャムおじさん達が焼いた新しい顔と交換することで、ベストコンディションを取り戻すことができる。
ばいきんまんは大体油断している隙にこれを許してしまい、憂き目を見る。
自分の頭をちぎって食べさせると言うのは中々ショッキングな光景だが、これには作者の正義への考え方が影響している。従軍経験のある作者が太平洋戦争の貧困の中で持つに至った、「食べ物を食べられないほど苦しいことはない」という考えが、アンパンマンの根底に流れるものである。
「人間、何が一番辛いって腹が減るのが一番こたえるんです。でも世界中のヒーローは飢えを救ってはくれない。だから、僕は、アンパンマンを描くんです」
忠君愛国の思想で育てられ、天皇こそが正義だと信じて戦争に従事してきたにも関わらず、敗戦と同時にその正義が崩れ去ったという経験も、作者を「いつの時代も不変の、究極の正義とは、ひもじい者に食べ物を与えること」という答えにたどり着かせている。これらの結晶がアンパンマンなのだという。
本当の正義とは格好の良いものではないし、行使する人間が何より傷つくもの。自分の頭を削るという滑稽かつ若干ショッキングな描写は、それを明確に表したものだと言える。
たまにだが、頭がアンパン以外の素材で作られる場合がある。これまでアンドーナツ、アンマン、アメ、クリームパン、笹団子、春巻き、ホットケーキなどで作られている。普段のアンパンマンとは違う特殊能力が使える場合もあるが、新しい顔が作れない時の緊急措置であるためかほとんどは通常のアンパンマンより弱い場合が多い。
頭と体
度々小学生などの間で話題になるのは、アンパンマンの本体はどこなのかという問題。
濡れたり潰れたりして顔が汚れると力を発揮できなくなることから、その本体は頭にあるのではないか、ということは毎回頭が取り替えられるたびにアンパンマンは違う存在になっているのではないか とよく言われるが、実際は、頭を分け与えまくりすぎて殆ど首なしの状態になっても、行動可能である。
結局のところ本体は後述する体に宿っている命の星であり、これがないと頭を取り替えても復活しない。
生まれ・幼少期
ジャムおじさんの作ったアンパンに、命の星という流れ星が落ちて命が宿って誕生した。
この時点で既にジャムおじさんは現在と変わらない姿をしており、アンパンマンの年齢を計るのは難しい。
一応、最初は赤ん坊のような姿と性格をしており、幼少期が存在した。
ちなみに、アンパンマンという名前は自称。
命が宿って開口一番「ぼくアンパンマンでちゅ」とジャムおじさんに宣言した。
ばいきんまんとの関係
アンパンマンはばいきんまんとは宿敵関係にあるが、嫌っているわけではなく、本当は仲良くしたがっている。彼のお人好しの対象には、ばいきんまんさえも入っている。よほど怒ったとき以外は、彼のことを「きみ」と呼んでいる。
ばいきんまんは町の人々を困らせる存在であるにも関わらず、アンパンマンは彼を懲らしめることはあっても捕まえようとはしない。その理由は、互いのどちらかが欠けてもいけないことを知っているからである。
食品の敵はバイキンではあるが、パンをつくるときに必要な酵母菌のように有用善玉菌も多い。
バイキンを死滅させると人間も絶滅してしまう。2人の闘いはバランスを保ち続けるかぎり永遠に続いていく。
そんな2人の関係が続く限り、アンパンマン達の物語はこれからも続いていくだろう。
ちなみにOVA「アンパンマンとのおやくそく」、「アンパンマンと英語」シリーズでは、ばいきんまんといがみ合う様子は無く、普通に仲良くしているという本編アニメから見ると珍しい光景である。
関連動画
ピコカキコ
アンパンマンのマーチ |
関連コミュニティ
関連項目
- やなせたかし
- アンパンマンのマーチ
- アンパンマンたいそう
- それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲
- アンパンマンとバイキン黒騎士
- それいけ!アンパンマン ゴミラの星
- それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ
- ジャムおじさん
- バタコさん
- しょくぱんまん
- カレーパンマン
- ロールパンナ
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- クリームパンダ
- ばいきんまん
- ドキンちゃん
- カバオくん
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- 透明ヘルメット(アンパンマン)
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