2024年に「ダイヤモンド・オンライン」で読者の反響が大きかった人気記事ベスト10をお届けします! 第5位はこちらの記事です。※2024年9月1日に公開した記事をもう一度紹介します。全ての内容は初出時のまま
いわゆる不良やヤンキーは、クルマのタイヤを“ハの字”にする改造を好みがちです。皆さんも、そうしたクルマを見かけて「ガラが悪そうだな」「何の意味があるのか」と感じたことがあるかもしれません。ですが実は、タイヤの角度を変える改造にはメリットもあるのです。その詳細を踏まえながら、不良が“ハの字”を好む理由を解説します。(モータージャーナリスト 諸星陽一)
日本の不良はなぜ
タイヤを“ハの字”にしたがるのか?
本連載で、少し前に「日本の不良はなぜ車高を下げるのか?」という記事を書いたところ、大きな反響がありました。そこで今回は「クルマとヤンキー」に関して、追加の解説をお届けしたいと思います。
具体的なテーマは「日本の不良はなぜタイヤを“ハの字”にするのか?」です。ただ、「そもそも“ハの字”って何?」という方も多いでしょう。それでは早速「説明しよう!」。
次の画像をご覧ください。不良というジャンルの人たちの中には、このクルマのように、改造によってタイヤの角度を「斜め」にすることを好む層が存在するのです。
こうしたクルマを正面から見ると、左右のタイヤ下部が「外側に傾いている」ことから、タイヤが“ハの字”に見えるはずです。一般的なドライバーは「なぜこんなことをするのか」と疑問に思うかもしれませんが、タイヤの角度を変える改造には、実はメリットもあります。
少し難しい話になりますが、ホイールがクルマに装着される際の角度や位置関係を専門用語で「アライメント」と呼びます。アライメントには、クルマを上から見たときのタイヤの角度を指す「トー角」、正面から見たときのタイヤの角度を指す「キャンバー角」などがあります。
というのも、タイヤは前面・側面・上面から見たときに全て真っ直ぐになっていればいいわけではありません。ほんの少し角度が付いていたほうが、走行時や操作時に都合がいいのです。