崩れたビル写真はイメージです Photo:PIXTA

近いうちに南海トラフ巨大地震や首都直下地震が起こるのでは、と盛んに言われている。今後起こるであろう災害を、専門家はどのように考えているのか。そして、近年注目されているAIは、気候変動や災害など地球の未来を予測できるのか?生物学者の池田清彦氏が解説する。※本稿は、池田清彦(著)、南 伸坊(著)『老後は上機嫌』(ちくま新書、筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

AIに未来を予測させてみたら
その結果がひどかった

南伸坊(以下、南) 最近、AIが絵を描くとかいって、言葉で入力すると、それをAIが在り物のいろんなソースをあれこれ貼っ付けて作るんですよ。だけど、できた絵は絶対、面白くないはずです。コンピューターは、これでいいんですねって、言われた通りのことしかやんないから。コンピューター本人はぜんぜん面白がって描いてないですからね。

 将棋や囲碁とかのゲームの面白さっていうのも、頭の良さを競ってるつもりだったんだけど、そうじゃなかったんじゃないかな。対戦してる人同士の一種のキャッチボールみたいなことが、本当は面白かったんじゃないのかな。優秀な人が集まって、みんな優秀な中での面白さってなると、勝つことだろうけど。勝つのは気持ちいいから。

池田清彦(以下、池田) ゲームは勝つか負けるか、決まっちゃうからね。たまに引き分けもあるけど。芸術は勝つか負けるかは決まんないから、面白いというのがあっても別にいいわけだよね。

見ている人が、面白いと思うかどうかは人それぞれか。