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Drupal 9で始めるWebサイト開発入門

便利なツールで効率的にDrupal開発をしよう

Drupal 9で始めるWebサイト開発入門 第7回

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 前回は、Drupalサイトの機能を拡張する「モジュール」のインストール・開発方法を扱いました。今回はDrupalの開発を効率的に行うことができるツールについてご紹介します。

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対象読者

  • HTML、JavaScript、PHPなどWeb開発の基礎理解がある方
  • Webサイト、アプリケーション開発の経験者

Drupal開発の流れ

 Drupalでサイト構築を行う際の流れは、他のWebアプリケーションと同様に、1. ローカル開発環境の構築、2. 開発(テーマ、モジュール開発)、3. テスト、4. リリース(本番デプロイ、ホスティング)です。Drupalにはこれらのプロセスをサポートする多くのツールが用意されているので、以下に紹介します。

ローカル開発環境

 ローカル環境でDrupalを動作させるためには、いくつかの選択肢があります。1つはこの連載で使用したAcquia Dev Desktopですが、その他にもDockerや仮想マシンを利用したローカル開発環境を構築するツールがあります。

Lando

 Drupalの開発環境をDocker上に展開するツールです。簡単なコマンドラインの操作で、コンテナ上にLAMP環境を構築でき、設定項目のカスタマイズも可能です。

Landoのインストール方法

 GitHubにインストール用ファイルが公開されています。Macならdmg、Windowsならexeファイルをダウンロードし、実行すればインストール完了です。

Landoの実行方法

 新しいDrupalプロジェクトを作成し、Landoで起動する方法をご紹介します。まずComposerでDrupalプロジェクトを作成し、プロジェクトのルートディレクトリに移動します。

$ composer create-project drupal/recommended-project marucha_with_lando && cd marucha_with_lando

 Landoの初期設定を行うには、Drupalのプロジェクトがあるディレクトリでlando initコマンドを利用します。

$ lando init 

 いくつかプロンプトが表示されるので、以下を選択してください。

1. From where should we get your app's codebase?(コードベースの場所)

 → current working directory(現在のディレクトリ)

2. What recipe do you want to use?(利用するレシピ=構築した環境で動作させるアプリケーション)

 → drupal9

3. Where is your webroot relative to the init destination?(Webのルートディレクトリの場所)

 → web

4. What do you want to call this app?(アプリケーションの名称)

 → my-lando-drupal9

 以上でLando環境の初期設定が完了です。コンテナを起動するにはlando startコマンドを使用します。

$ lando start

 起動が成功すると、ローカルサーバーのアクセス先URLがコンソールに出力されます。ブラウザでアクセスするとDrupalの初期インストールが行えます。

 データベースの接続情報などはlando infoコマンドで確認できます。

$ lando info

 もしPHPのバージョンやWebサーバーソフト(Apache、nginxなど)、データベースの種類(mysql、 mariadb、 postgres)を変更したい場合は、ルートディレクトリ内にある.lando.ymlを編集します。具体的な設定方法については、Landoのドキュメントを参照してください。

Drupal VM

 Drupal VMはLandoのようなDocker上ではなく、VagrantとAnsibleをベースとした仮想マシン上にローカル開発環境を構築するツールです。LandoはPHPやMySQLのバージョン切り替えなどが容易にできるのですが、特にMac OS上で利用する際にはディスクの書き込みが遅く、Drupal管理画面の遷移に時間がかかるという欠点があります。仮想マシンの方がリソースの消費は大きいですが、上記の理由から一定のシェアがあります。

Drupal VMの実行方法

 VagrantとVirtual Boxはあらかじめインストールが必要ですが、Drupal VMはVagrantの設定ファイルであるため、その他特別なソフトのインストールは必要ありません。公式サイトからZipファイルをダウンロードし、展開したディレクトリでvagrant upコマンドを実行するだけで、Drupalの初期インストールまでが完了します。

 PHPのバージョンやWebサーバーソフトの切り替えは、ルートディレクトリにあるdefault.config.ymlをconfig.ymlのファイル名でコピーし、内容を変更することで設定できます。設定できる内容はファイル内コメントに記載されていますが、より細かい設定についてはドキュメントを参照してください。

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この記事の著者

岸 俊兵(キシ シュンペイ)

 カナダ・イエローナイフでウェブ開発者として勤務していた際、エンタープライズ向けオープンソースCMSのDrupalによる開発に従事。帰国後、Drupalのヘビーユーザーであるジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の社内SE等を経て、2019年1月よりアクイアジャパンのソリューションエンジニアとして勤...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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