昼食をとった後、眠気が急に襲ってくる。どうしてなのか。どうにかならないのか。そんな午後の時間帯の、身近かつ切実な問題を前後篇で取り上げている。 素朴な疑問に答えてくれているのは金沢大学医薬保健研究域医学系教授の櫻井武氏だ。摂食と睡眠という、実は深い両者の関係性を解明してきた。また、覚醒や摂食の制御に関わる脳内物質「オレキシン」の発見者としても知られる。 前篇では、昼食後の眠気の主な原因を櫻井氏に聞いた。ちょうど昼食後の時間帯に体内時計の覚醒への出力が低下すること、食後の血糖値上昇でオレキシンなどの脳内覚醒物質をつくる神経細胞の活動が低下すること、報酬を得て体が満足状態になることなどが昼食後の眠気につながるという。ただし、眠気のベースには前日の睡眠不足もあるという重要な指摘もあった。 今回の後篇では、櫻井氏に、昼食後の眠気にどう対処すればよいのかを聞いていくことにする。 櫻井武(さくらい た