あの年の4月、ロンドンのザ・ローリング・ストーンズ・オフィスのデザイナーであるジョー・バーグマンは、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生だったジョン・パッシュに手紙を送った。その中でジョー・バーグマンは、‘公式発表用の便せんに使えそうなロゴかシンボル’のデザインを進めるようにとジョン・パッシュに指示していた。この時点では、関係者の誰ひとりとして、そのあとこのデザインがどういうものになるか予想だにしていなかった。 ジョン・パッシュは、あの有名な「舌と唇 / Lips and Tongue」のロゴであるベロ・マークを考案した人物として現在よく知られている。しかし一部の人は、あれはアンディ・ウォーホルが考案したものだといまだに言いふらしている。しかしその主張は、ただの勘違いにすぎない。アンディ・ウォーホルは、確かに1971年のザ・ローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』