安倍晋三首相(59)が安全保障の立て直しを進めている。4日には国家安全保障会議(NSC)が発足した。6日には特定秘密保護法が成立し13日に公布された。国家安全保障戦略や新しい防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画は17日に閣議決定の運びだ。 これらは、突き詰めて言えば中国の軍事的台頭への備えである。国内総生産(GDP)が世界第2位になったとされてからの中国は自信過剰だ。本当は「張り子のトラ」なのだが、それを自覚するはずもなく、質に疑問があっても数は多い中途半端な軍事力をちらつかせて居丈高に振る舞う。厄介な隣人だ。 日本が防衛努力を怠ったり、国際法に基づく秩序や国の主権を守り抜く姿勢をとらなければどうなるか。「張り子のトラ」でもトラと化す。中国が、日本には闘志も根気もないと見なせば、日本の領土も、名誉も、経済的な権益も奪おうとさらに圧力をかけてくるだろう。 ◇軍事バランスの確保を 安倍政権の安全