「絶滅危惧種」がずっと数百円で食べられている。 「輸出が原則禁止され、日本に出回らないはずのウナギが大々的に宣伝され、格安で提供されている。誰がどう考えてもおかしい」 ウナギの生態研究に携わる北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師は、あきれたように指摘する。 国内に出回るウナギは、ニホンウナギとヨーロッパウナギの2種がほとんど。ニホンウナギは今年2月、環境省が「絶滅危惧IB類」に指定した。ヨーロッパウナギは国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の危険性が最も高い「近絶滅種」に指定、2009年からは国際取引が規制されている。 だが今年も大手牛丼チェーンのうな丼にはヨーロッパウナギが使われていた。吉永講師は毎年、土用の丑(うし)の日を前に飲食店やスーパーのうなぎをDNA鑑定し、種を特定している。「その牛丼チェーンに流通経路などを問い合わせたが、回答はない」 流通するウナギは99%以上が養殖