動植物の図鑑と言えば、今はカラー写真をふんだんに使ったものが全盛で、書店やネット上にあふれている。でも少し前までの図鑑は絵が中心であり、特徴を細かく捉えて、学術的な価値を備えた絵を描く博物画家が重用された時代があった。 大正から昭和にかけて鳥の絵を中心に描き続けた博物画家、小林重三(こばやし・しげかず、1887~1975)の作品を集めた展示会「博物画の鬼才 小林重三の世界」が東京都町田市の市立博物館で開かれている(3月1日まで、月曜休館)。88年の生涯のうち、60年以上を鳥を描くことに費やしたこの人の作品群を見ると、「鳥学と歩んだ画家」という形容にも納得がいく。戦前から戦後にかけて発行され、日本を代表する学者が編んだ「鳥類三大図鑑」と呼ばれる図鑑がある。『鳥類原色大図説』(黒田長禮/1933、34)、『日本の鳥類と其の生態』(山階芳麿/1934、41)、『日本鳥類大図鑑』(清棲幸保/195
水野年方は、明治時代に活躍した浮世絵師であり、日本画家であった人物です。月岡芳年に入門し、師の画風を継承した歴史画や美人画、新聞挿絵、さらには、日清戦争を題材とした戦争画を手掛けました。また、『文芸倶楽部』を中心とする文芸雑誌や小説の単行本の口絵を描き、幅広い人気を獲得しました。 さらに、岡倉天心が率いる日本美術院の特別賛助員となり、横山大観、菱田春草らと議論を重ねながら、新しい日本画の創作を試みてもいます。門人には鏑木清方がおり、その弟子に伊東深水が連なっていることを考えると、大正・昭和の日本画の世界に与えた影響は少なくないと言えるでしょう。 しかしながら、数え43歳という若さで亡くなったためか、近代美術史の文脈においてはもちろん、浮世絵の歴史においても、その存在が語られることはあまり多くはありません。
大正期に男性が女性目線で描いたデザインやイラストを集めた企画展「乙女デザイン-大正イマジュリィの世界」(茨城新聞社など後援)が16日、水戸市千波町の県近代美術館で開幕した。当時の女性の人気を博した装丁や挿絵、ポスター、絵はがきなど約600点を展示。監修した乙女デザイン研究所の山田俊幸所長(68)は「面白いと素直に受け取れるのが乙女の感覚。男性が憧れる女性像を描いたデザインを今の感覚で見てほしい」と話している。 イマジュリィとは、装丁、挿絵、ポスター、絵はがき、広告、漫画などの大衆的な複製印刷物の総称。大正時代は、印刷技術が発達し、より身近に芸術を親しめるようになった。洋画家の藤島武二が手掛けた文芸雑誌「明星」の表紙や与謝野晶子「みだれ髪」の装丁など、日本近代美術を代表する画家の別の分野の活躍を知ることができる。 また、女性の社会進出に伴い女性向け雑誌などの出版が盛んになった。竹久夢二の描く
2024.11.18New 展覧会・イベント 『中国手仕事紀行』 “増補版” 刊行記念トークイベント 奥村忍(みんげいおくむら)× 在本彌生(写真家)トークライブ 2024.12.15 | eatrip soil 2024.11.13New 展覧会・イベント 瀧本幹也 写真展 「LUMIÈRE / PRIÈRE」 2024.12.5-12.15 | 代官山ヒルサイドフォーラム 2024.11.08 メディア情報 【メディア掲載・記事まとめ】「はじめて あった」 2024.11.07 メディア情報 【メディア掲載・記事まとめ】「温泉・銭湯・スパ・サウナ イラストで読む 湯けむり建築 五十三次」 2024.11.05 メディア情報 【メディア掲載・記事まとめ】「レシピ以前の料理の心得」 2024.10.29 メディア情報 【メディア掲載・記事まとめ】「日本画家小譚 マンガで読む 巨匠たちの日常
2015年5月20日(水) 代官山 蔦屋書店にて、『アール・デコの挿絵本: ブックデザインの誕生』(東京美術)の刊行を記念して、著者のフランス文学者でブックコレクターの鹿島茂氏によるトークイベントが開催された。 『アール・デコの挿絵本: ブックデザインの誕生』は、鹿島氏が所有する古書コレクションを例に、20世紀初頭のアール・デコ期につくられた豪華な挿絵本の楽しみ方を案内する一冊だ。本トークイベントでは、鹿島氏が新刊のテーマでもあるアール・デコの挿絵本の特徴と誕生の経緯を、日本の出版文化と比較しながら紹介した。 アール・デコとは、1910年代から30年代にかけてフランスを中心に世界的に流行した、装飾美術のスタイルのこと。この時代は、数々の上質の挿絵本が生まれた頃でもある。 鹿島氏はこれまで、練馬区立美術館で2011年から2013年まで3回、「鹿島茂コレクション」として、30年以上にわたって収
初収録作品も満載! DVD付の豪華本!! 2014年に画業60年を迎えた画家・高橋真琴。 時代とともに活動のステージを変え、日本の“カワイイ文化”をリードしてきた真琴アートの魅力に迫る。 ★☆★ 本書の特長 ★☆★ 【1】作品を80ページにわたる美麗カラーで収録 「MACOTO ART SELECTION 2000-2014」個展発表作(初収録多数) ・童話「ほうせき姫」「べにばらしろばら」「石の花」「ななつ星」 ・絵物語「青い海 愛の島」 カラー漫画「近衛兵ジャン」など 【2】豪華執筆陣による、高橋真琴を解剖する論考、エッセイ ・藤本由香里氏(明治大学教授、漫画研究者) ・中村圭子氏(弥生美術館 学芸員) ・山梨牧子氏(近現代生活文化研究家) ・倉持佳代子氏(京都国際マンガミュージアム 研究員) ・少年アヤ氏(作家、エッセイスト。『尼のような子』『少年アヤちゃん焦心日記』) 【3】単行本
『心の流浪 挿絵画家・樺島勝一』(弦書房)を上梓させて頂いた。 「日本の古本屋」を利用されている古書マニアな方々には樺島勝一(椛島勝一)の説明は不要かもしれない。まぁ一応、書いておくと、樺島は1888年(明治21年)、長崎県諫早市の生まれ。大正から昭和初期にかけて活躍した挿絵画家だ。〈少年倶楽部〉に描いた挿絵が絶大なる人気を博した。なんといっても独学で修得したというペン画が卓越しており、写真と見間違うような出来栄えに当時、誰もが舌を巻いた。特に船を描かせれば右に出る者はいないと言わしめた。船はロープ一本おろそかにせず描き込む。さらに圧巻なのは白波うめく波の描写だ。兎に角その描き込みには戦慄が走る。そんなことから〝船の樺島〟と評された。代表作に『正チャンの冒険』、山中峯太郎の『敵中横断三百里』『亜細亜の曙』、南洋一郎の『吼える密林』、海野十三の『浮かぶ飛行島』などの挿絵がある。 樺島勝一をリ
東京都墨田区の郵政博物館は3月1日~5月25日、「郵政博物館開館記念特別展 -少女たちの憧れ-蕗谷虹児 展」を開催する。 大正時代から晩年まで幅広い作品を展示 蕗谷虹児(ふきやこうじ 1898~1979)は、大正から昭和にかけて、少女雑誌の挿絵や表紙絵などで活躍、詩的かつモダンで洗練された美女を描き、当時の少女たちを魅了した作家。1920年、21歳の時に、竹久夢二の紹介で「少女画報」にてデビュー、瞬く間に人気を博し、出版美術界の花形となったとのこと。 1925年に本格的な画業修行のため渡仏。パリでは春秋サロンに連続入選したほか、シャンゼリゼの画廊で個展を開催した。帰国後再び雑誌などで活躍し、その人気は絶頂期を迎えた。戦後、絵本の仕事を手掛けたほか、晩年は画集の出版や個展での作品発表など活動を広げ、その上品でモダンな作風は多くのファンを惹きつけたという。 同館の開館記念となる同展では、199
「国策紙芝居」神奈川大が大量収蔵 戦意かき立てに利用、“もろ刃の剣”メディアへ警告 カナロコ by 神奈川新聞 11月30日(土)15時0分配信 戦時中、戦意をかき立て、銃後の守りを戒めた「国策紙芝居」を神奈川大学が大量に収蔵した。作者には漫画家の横山隆一や近藤日出造も名を連ねるが、終戦から占領期にかけて焼却、散逸しており、戦争プロパガンダを担ったその全貌は不明だ。特定秘密保護法案や道徳の教科化の議論が進む中、国策紙芝居は“もろ刃の剣”であるメディアに警告を発しているようだ。 同大非文字資料研究センターが「戦意高揚紙芝居コレクション」と名付けた国策紙芝居は241点。3月までに収蔵し、整理を進めてきた。 太平洋戦争時の1941(昭和16)年から44年の間に出版されたものが中心。国民精神総動員運動を担った大政翼賛会の指導を受けた日本教育紙芝居協会が監修し、日本教育畫(画)劇社が印刷出版した
美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 泉鏡花記念館の企画展が見たくて金沢へ飛んだ。 「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」展である。 金沢がもっと大阪に近いとか、首都圏にあるとかいうのなら、企画展ごとに必ず訪れたい所なのだが、なかなかそうはいかない。 どうしても行きたい、という企画展でない限り本当に向かうことはしにくいのだ。 だから今回久しぶりに金沢に出向いたのも、この企画展を見るためだけなのだから、どんなにわたしが期待しているかが分かってもらえると思う。 小村雪岱の挿絵は当時の挿絵界において、極めて特異な様相を見せていると言っていい。 「昭和の春信」とも謳われたが、春信にはない妖気とでも言うべきものが漂いもする。 無論その気配を隠した作品も少なくはない。 彼の代表作の一つ「おせん」「突っかけ侍」など
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