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福嶋亮大に関するtokadaのブックマーク (54)

  • 神話が考える - 仮想算術の世界

    ちょっと気晴らしに2ほど書評を書いてみました。 紀伊国屋サイト さて、今度新著が出ます。タイトルは『神話が考える ネットワーク社会の文化論』(青土社)。3/24以降に書店に並ぶことになっています。東さんに帯文をいただきました。アマゾンでの予約も始まっていますので、よろしければぜひ。 執筆は(『ユリイカ』の元連載の内容をほとんど放棄したということもあって)何かやたらと時間がかかってしまったわけですが、全体としてはまぁ悪くないには仕上がったのではないか。ふつうの文芸評論とは使う語彙をかなり変えていると言えば変えているのですが、ベースにあるのはここ30年くらいの比較的オーソドックスな人文系の言説なので、結果として見ればけっこう保守的な評論です(笑)。それに、今回の趣旨は別に時代論でもありません。むしろコンピュータやインターネットの台頭以降も、そして社会がますますリベラル化していくなかで

  • レヴィ=ストロース氏死去 - 仮想算術の世界

    レヴィ=ストロース氏が亡くなられたとのこと、もうほとんど歴史上の人物と言っていいかと思いますが、それでもやはりショックでした。 僕は、ネットやサブカルチャーの分析にレヴィ=ストロースの神話論が適用できるのではないかというアイディアの下、『ユリイカ』で連載をしていたのですが、単行ではあまりレヴィ=ストロースへの言及は入れていません。ノルベルト・ボルツとかグレゴリー・ベイトソンといったあたりのシステム論系の論者の議論を使ったほうが、文化分析としてはうまく行くという気がしたからです。というか、フランス系の文学性を捨てて、生態学&神話論で行くほうがチャレンジしがいがあるのではないかと思った…というほうが正確かもしれませんが。 とはいえ、別にレヴィ=ストロースの議論が現代的にダメということではない。たとえば、レヴィ=ストロースの「神話素」という概念は、アレグザンダー的に言えばセミ・ラティスと同

  • 小説小道

  • 4Gamer.netのラブプラス論 - 仮想算術の世界

    ラブプラスは、僕は友人に借りて2時間くらいしかやってないのでちゃんとしたことは言えないんですが、この記事はとても面白くて俄然興味が出てきました(笑)。いろんなことが書かれてますが、大まかに言えば、ラブプラスが『雫』以前の純然たるコミュニケーション志向メディア(コミュニケーションゲーム)に回帰しており、そのことによってキャラクターが属性メインの個性的な存在から、初音ミクのように「細かい性格付けや設定は、すべてユーザー側に委ねてしまおう」とする「無個性キャラクター」になっているという話。読み応えがあります。 実際、キャラクターの見た目の造形の奇抜さということで言っても、たぶん90年代後半くらいが一番過激で、最近はますます保守化=無個性化しているような感じがする。でもそれは、TAITAIさんの図式を借りて言えば、コミュニケーションの優位がキャラクターの質を変えた結果であって、キャラクターの特定

  • ニュータウンと幻想 - 10+1 web site|テンプラスワン・ウェブサイト|

    ニュータウンの現在 「ニュータウン世代の新言語」というテーマで原稿の依頼をいただいたのだが、おそらく僕(1981年生まれ)の同世代では、ニュータウンと言っても具体的なイメージを持てないという人も多いだろう。簡単に個人史を語っておくと、僕は、幼稚園から小学校卒業にかけての約10年間を京都のあるニュータウンで過ごした。とはいえ、1980年代半ばから1990年代前半にかけてのその時期においては、ニュータウンにはすでにシンボリックな意味合い──先端的なアメリカン・ウェイ・オブ・ライフの象徴というような──は乏しく、ただ、収入や親世代の年齢の近いひとたちが集まるばかりの均質的な空間になっていたように思う。その均質さは、僕を含めたクラスの子どもたちの間にどこか神経症的な空気を生み出していて、一種独特の思い出もあるのだが、今それについて詳しく書くのは止めておこう。 現在のニュータウンということで言えば、

    ニュータウンと幻想 - 10+1 web site|テンプラスワン・ウェブサイト|
  • サバルタン的主体のことなど - 仮想算術の世界

    お久しぶりです。なんだか更新が空いてしまいました。 エンドレスエイトが終わったらしいですね。それはそれとして、ただエンドレスエイトをめぐるこの間のネットの反応というのは、やれ角川と京アニは謝罪しろだの、やれ発案者を更迭しろだの、いくらなんでも幼児的すぎるものが多くて、さすがにどうかと思いました。もちろん、アニメをはじめサブカルチャーというのは、ファンとの距離がきわめて近いところに特色があって、そこから表現的に面白いものが出てきたという歴史もある。しかし、常識的に考えれば「作品をつくる側には固有のロジックがあって、それはときに消費者やファンの欲望と乖離することもある」というのが文化という営みの大原則でしょう。そういう乖離があってはじめて、文化は進化の可能性に開かれるのであって、逆にちょっとした乖離も許せないということになれば、文化は確実に停滞する。その意味で、最近は何かにつけて不寛容な反応

  • 演劇的モデルの可能性 - 仮想算術の世界

    このあいだから何回かに分けて、物語の変異について論じてきた。しかし、ゲームやアニメにことさら接近するこの態度は、場合によってはひどく安直で迎合的なものに映るかもしれない。むろん僕としては、そう受け取られるのはまったく意ではない。そこで、今回は抽象度を上げ、もう少し大きな文脈に接合してみよう。 * いまが手元にないので多少うろ覚えだが、浅田彰氏は以前『文學界』(*以前『新潮』と表記していたが、誤りのため訂正。07/9/6)のロラン・バルトを取り上げた座談会で、日小説というのがあまりにも映画のモデルに偏りすぎ、演劇を軽視してきたという趣旨の発言をしている。これは重要な指摘だと思う。なぜなら、文芸に限らず、日文化というのは総じて映画との関係においてつくられることが多いからだ。それは、映画の文法を直に真似た作品としてあらわれることもあれば、映画にできないことをあえて積極的に実現しよ

  • モノとしての記号 - 仮想算術の世界

    知り合いに放映中の『ハルヒ』のエピソード「エンドレスエイト」がいいと聞いて、選挙速報の傍ら、録画をまとめて見てみました(そういえば最近あんまりアニメ見てなかった)。4回連続で同じ話をループしているというやつ。 ご覧になった方はわかると思いますが(詳しい説明は面倒なのでしません)、このループは明らかに、長門視点から見た世界を示している。で、僕はそこがかなり批評的でいいと思いました。長門はもともと、他のキャラとはまったく別の時間性を持って動いているキャラです。特に今回はハルヒと対比されていてそこが面白い。 ハルヒは定期的にイベント(祭り)を欲するキャラです。夏休みのお決まりのイベントをこなしていく今回のハルヒは、特にそういう欲望を全面化させている。それに対して、長門はそういう「ハレ」の時間性を持たない。彼女は、人間社会の祭式の時間性とは全然違うロジックで動いている。今回にしても、何の変化も

  • ゲームプレイ体験の三角形 - 仮想算術の世界

    こんにちは。さっき風邪でぼんやりしているなか『東方妖々夢』のPhantasmステージにチャレンジしたら、わりとあっさりクリアできてしまって拍子抜けの今日この頃です。でもまぁ、いまはプレイ動画が山ほど上がってるので、そのパターン通りに動かすことができればほぼ誰でもクリアできるんですよね…(笑 といっても、Extraステージと合わせて200回は死んでますが)。 で、それで何となく思い出したのですが、ちょっと前に、任天堂がWiiのソフトに「Demo Play」というヘルプ機能をつけるという話がありました。当然賛否両論あるようですが、これは要するにプレイ動画(攻略動画)を公式的に標準で取り付けるという話に近い。だから、僕の『妖々夢』の攻略もまた、半分くらいは「Demo Play」に代わりにやってもらったようなものです(笑)。僕という個体がプレイしているというよりも、プログラムが僕の体を借りてプレ

  • ネーション抜きの想像の共同体? - 仮想算術の世界

    いつの間にか更新が空いてしまいました。書きたいことは色々あったはずなのですが…。 とりあえず、『メイキング・オブ・ピクサー』という書評を書きました。ちょうど宇野さんが『新潮』の今月の連載でピクサーについて書かれていたので、図らずも同期しています。 えーと、後は何だろう…。そういえば、イオシスの「チルノのパーフェクトさんすう教室」を中国各地で踊ってみるという動画がしばらく前にニコ動で上がってるのを発見したのですが(笑)、こういう現象はけっこう面白い。何というか、記号消費のステージも国境を越えて着々と進んでるなと思います。 実際、アニメ声優やアイマスなんかがわかりやすいですが、「私」の肉声を一度取っ払ってしまった非人間的でデータベース的な「声」のほうが、かえってより遠くに届くということが、現在の文化では起こり得る。「チルノのパーフェクトさんすう教室」が中国でも受容されるというのは、ま

  • 1Q84のことなど - 仮想算術の世界

    (若干ネタバレ注意>『1Q84』) こんにちは。東さんのブログにつられて『スタートレック』見に行ってきたのですが、これは面白かった…。まぁ僕はスタートレックには詳しくなくて(むかしTVで『ヴォイジャー』を何話か見て「リベラルでメタフィクションなのだなぁ」と思ったくらい)、何かを語る資格はまったくないのですが、とりあえず「偽史」の話とモロに絡んでいるのは明らかだったので、その意味では今号の『思想地図』の論文(「ホモ・エコノミクスの書く偽史」)はけっこういいテーマ選択だったのかもしれません。 しかしまぁ、J・J・エイブラムズって毎度毎度技巧的な作品撮っててすごいですね。実は僕は、『思想地図』のvol.2にエイブラムズに言及した論文を送って落とされた経験があるのですが(笑)、もう一回書き直してみようかな…。『LOST』のシーズン4も良かったし。 * 一応僕の議論の前提を言えば、今日の作家

  • 書評空間 : 文芸批評家 福嶋亮大の書評ブログ

    福嶋亮大 (ふくしま・りょうた) 1981年生まれ。文芸批評家・中国文学者。 京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(中国文学) 現代文学と現代中国文化を主なフィールドとする。 著書に『神話が考える ネットワーク社会の文化論』(青土社、2010年)。論文に「物語の見る夢――華文世界の文化」(『思想地図』vol.1)、「ホモ・エコノミクスの書く偽史」(『思想地図』vol.3)など。 →bookwebで購入 「文学の組み換えのために」 1980年代頃から、日の文芸批評では「近代文学の終わり」が公然と指摘されるようになった。日社会の大衆化・メディア化が進むなかで、明治以来の文学世界――書の言い方を借りれば「安下宿に住んでいる文学青年とその延長にある人びとの視野にあるだけの世界」――はややもすれば文壇のお座敷芸に近づき、社会的影響力を失っていったのである。そして、その退潮に伴って、日

  • 書評空間など - 仮想算術の世界

    とりあえず「書評空間」というサイトに寄稿しました。ちょっと目先と気分を変える意味で、多少イレギュラーなの選び方をしています。 まぁ、「総表現社会」化したネットでは基的に匿名のレビュアーがいればいいわけで、僕としても居心地の悪さはあると言えばあるのですが、もう単純に自己鍛錬と割り切ることにしました。最近どうも、を一冊ちゃんと読むという習慣が個人的に薄れてきているので、こういう機会にとの接し方も変えていこうかなと思います。 * …と、これだけでは何なので、当はさらっと『思想地図』の感想を書こうと思っていたのですが、鼎談で触れられていた原武史さんの『滝山コミューン1974』をさっきまで夢中で読んでいたせいで、ちょっとぼうっとしています。僕は前回も書いたように、京都のニュータウンで小学生時代を過ごしたのですが、それが原氏の描く滝山団地の風景と驚くほどかぶっていて、ちょっと記憶の奔流

  • 東浩紀×福嶋亮大「批評の技術、技術の文学」 - メタサブカル病

    東大の駒場で行われた東浩紀、福嶋亮大のトークイヴェントに行ってきました。申し込みが必須だった昨日のジュンク堂のトークショーとは異なり、事前予約不要だったので、暇さの推測が全くできない自分も行くことができました。 東工大の講義と同様にずっとメモっていたのですが、風の噂によるとこのトークイヴェントは別の形で活字化されるようなので、自分の書いたメモは闇に葬っても良さそうです。 内容は、技術によって批評がどう変容していくかみたいなところから始まって、日語で難しいことを語る事の難しさを通って、批評のわくわく感とか強度の話に。次の東さんの発言がハイライトでしょうか。 結局思想とか批評はメタ言語ではなく物として生き残る メタ視点は必要とされなくなる そもそも人間はメタ視点をとれない もともと虚構 みんなが虚構だとわかっている メディアも茶番そのもの それでも討論番組やらないといけないのかなとぼんやり思

    東浩紀×福嶋亮大「批評の技術、技術の文学」 - メタサブカル病
  • ウルトラマンのことなど - 仮想算術の世界

    お久しぶりです。急に学術論文を一仕上げなければならない必要が出てきて、ブログのほうは更新が空いてしまいました。もともと僕は、中国文学を専攻するアカデミシャンとしては「日近代文学の起源」ならぬ「中国近代文学の起源」みたいな仕事をしたかったのですが、ずっとアイディア止まりだったので、そろそろ腰を入れて取り組みたいところです。 とりあえず、今月の原稿は以下。 ■「ホモ・エコノミクスの書く偽史」『思想地図』vol.3 ■「ゲームと儀礼」『ユリイカ』6月号 プラス、紀伊國屋書店さんが運営している「書評空間」というサイトに寄稿することになりました。どういうスタンスで書けばいいのか非常に悩ましいのですが、今月中には何かアップすると思います。またお知らせします。 * あとは、えー、何でしょう…。そういえば、久しぶりに『ウルトラセブン』をちまちま見直したりしていたのですが、やっぱり面白いで

  • 現前性の時代 - 仮想算術の世界

    前回「世代」の話で、世代と生成(ジェネレーション)を結びつけておいた。そこで僕は、だいたいこういうことを書いている。ふつう世代論というと、社会的・経済的・文化的利害の対立を描くために用いられる。ということは裏返せば、このタイプの世代論では、ある世代はつねに別の世代との比較(釣り合い)で存在するということを意味している。経済的闘争の話はわかりやすいが、たとえばもっと世俗的に、世代の性格診断のようなものも、事実上、他世代との比較で成り立っている。こういう枠組みのなかにいる限り、ひとつの世代だけで世代論をやるのは、実はほとんど意味がない。 しかし、僕が前回言ったのは、別の「世代論」、つまり他の世代との社会的釣り合いをすっ飛ばして、いきなりひとつの「世代」として生成するような何かを扱えないかということだった。わかりやすく言うと、この場合の世代はちょうどケータイの機種の「世代」のようなものと近い。

  • 東浩紀×福嶋亮大×黒瀬陽平トークセッション - m-sakane’s diary

    《第1版》(5月5日) NHKブックス別巻『思想地図 vol.3』刊行プレイベント タイトル:ポストゼロ年代の思想 ■ 登壇者(五〇音順) 東浩紀(批評家) 黒瀬陽平(美術家・アニメ評論家) 福嶋亮大(文芸批評家) ■ 概要 来るべきポストゼロ年代、私たちの創造性はいかなるアーキテクチャに規定されるのか。そのとき批評はどのような役割をはたせるのか。文学、現代美術、アニメ、ゲーム……気鋭の論客三人が、コンテンツ生成に潜む無意識の力学に迫り、次代の思想のかたちを探ります。 ■ 会場 : ジュンク堂書店新宿店(8F喫茶コーナー) ■ 日時 : 2009年4月24日(金)18:30〜20:40) ■ プロフィール(五〇音順) 東浩紀(あずま・ひろき) 1971年生まれ。批評家、東京工業大学世界文明センター特任教授。『思想地図』編集委員。著書に『動物化するポストモダン』『ゲーム的リアリズムの誕生』(

    東浩紀×福嶋亮大×黒瀬陽平トークセッション - m-sakane’s diary
  • 神話社会学の関心はどこにあるか - 仮想算術の世界

    前回のエントリーについて、友人のひとりが、アニメが「豊作」と言っても、それは所詮は狭いオタクの世界だけの話にすぎないのだから普遍的なレベルで語るのは的はずれだし、そもそも褒めすぎだろうという意味のコメントをくれた。この批判はたしかにもっともだが、僕の考えていることとは実は微妙にズレている。また、後半をちゃんと読んでもらえればわかるように、別に僕は“価値”のレベルではアニメの現状を手放しで肯定しているわけでもない。簡単にいえば、僕の主張というのは、ここ一、二年のアニメの一部は現代社会の神話をきわめて綺麗に表出しており、だからこそ分析的関心に値するということに尽きている。言い換えれば、僕はいわば“神話学者”としてアニメに走っているいくつかのコードの配列に重みづけを(精神分析の語でいえば「備給」を)しているだけなのだ。むろん、これは客観的に見てもかなり特殊な関心の持ち方なので、理解されにくいのも

  • 続・トークセッション「ポスト・ゼロ年代の思想」 - Tip. Blog

    西田亮介のblog 所属 : 慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程。 専門は政策形成とソーシャルイノベーション。 最近の研究分野は湘南の地域活性化と大規模商品間関係の分析。 ファシリテーターやプランナーとして、NPOや自治体、企業などのソリューション・デザインにも携わっています。 また、『思想地図』vol.2や『α-SYNODOS』等に寄稿させていただきました。 企画立案やファシリテーション、執筆等、仕事の依頼はサイドバーの「about me」からお願いします。 This weblog written by Ryosuke Nishida, Graduate Shool of Media and Governance, Keio University in Japan. Major in regional development(Shonan, Japa

    tokada
    tokada 2009/04/27
    西田さんのレポ
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    は思想や未来に影響を与える。お前もブックサンタにならないか? 12月ですね。しわーっす!(挨拶) 年末になると募金だとか寄付、助け合いの話題が盛り上がりますね。 以前にも、インターネットに恩返しして、人類の発展に貢献しちゃおうという記事やら、Be My Eyes について書いたりしたのですが、ちょっとした自分の時間や少しのお金

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