メディアに対する名誉棄損訴訟で、報道の真実性の証明責任を報道側に課す日本の裁判の仕組みに対し「バランスを欠く」として、見直しを求める声が識者らから上がっている。背景には、今年に入り、週刊誌報道に対して高額賠償を命じる判決が相次いだことがある。【臺宏士】 ■「現状、萎縮招く」 元週刊現代編集長らが呼びかけたシンポジウム「闘論!週刊誌がこのままなくなってしまっていいのか」が先月15日、上智大学(東京都千代田区)で開かれた。 「最近はいきなり訴状が来る。名誉棄損と言っても、回復を目的とせず黙らせるために訴えてくる。取材源を秘匿しなければならないからハンディがあるが、出版社側が勝ってもおカネはくれない。こんな不公平なことはない。カネを取ろうとしている側が立証するのは当然だ」。山口一臣・週刊朝日編集長はそう訴えた。 シンポには山口さんのほか、「週刊現代」「フラッシュ」など経験者を含む10誌の編集長が