縄文杉で知られる人気の観光スポット、鹿児島県・屋久島の沖合で、中国海軍の艦艇による領海侵入が相次いでいる。侵入した中国艦艇の大半は、海中調査の能力を備えた測量艦だった。沖縄県・尖閣諸島周辺では、中国海警局所属の公船が領海侵入を繰り返しているが、屋久島沖の海軍艦艇は目的が異なるようだ。中国側の狙いを探った。 「ここは日本の領海です」。2月12日未明、領海に入った中国海軍の測量艦1隻に対し、追跡する海上自衛隊の艦艇がスピーカーから中国語でそう呼びかけた。測量艦は午前0時50分ごろ屋久島南の接続水域を北に進み、同2時半ごろに屋久島南西の領海に入った。上空からは海自の哨戒機2機が警戒を続けた。