【ワシントン=山口香子】米情報機関をたばねるクラッパー国家情報長官は29日の下院情報特別委員会の公聴会で、国家安全保障局(NSA)による外国首脳の通信傍受を事実上認め、これを正当化したと受け取れる発言をした。 長官は公聴会で「国家指導者の意図を探るのは、情報機関の基本だ」と語った。また、「情報機関の活動は、秘密裏に行われ、新聞に漏れないという前提で行われている」と活動の意義を強調した。 NSAの活動について、ジョン・ベイナー下院議長(共和)は29日、「バランスを欠く部分がある」と指摘。ハリー・リード上院院内総務(民主)も「透明性の確保と活動見直しが必要だ」と語った。NSAによるメルケル独首相への盗聴疑惑を受け、NSAの活動を再検討すべきだとの見解を示し、議会から圧力をかけた形だ。