先日、漫画家の田中圭一さんから京都精華大学で「新世代マンガ総合講座」の講師をしてほしいというご依頼をいただきました。SNSの時代において漫画家はどのようにやっていくべきか、みたいなことを話してほしいということでした。 何か話せることはあるかなとあれやこれや考えていたのですが、バズる方法などはすでに各所で語られていて、上手い人がたくさんいるので、僕はそのバズった後に何をやったか、そしてどうなったのか説明しようと思いました。 京都の講義は無事(?)終わったのですが、せっかく色々まとめたのでnoteでも公開したいと思います。 これが正解というわけではなく、こういう人もいるよ。ということです。 では、どうぞ。 [目次] ・はじめに ・やれたかも委員会の電子書籍11ヶ月分の売上 ・書籍印税との比較 ・もし商業誌で連載していたら… ・結論 ・個人で配信するメリット ・個人で配信するデメリット ・まとめ
秋と言えば「読書」の秋。読者の皆さんは、最近「本」を読んでいますか? ちょうど今は、2018年の読書週間(10月27日~11月9日)ですが、先日、知人から本にまつわる面白いデータを紹介してもらいました。 進研ゼミでおなじみ、ベネッセコーポレーションの研究所が、子どもたちの読書履歴と学力テスト、アンケートの結果から「読書量が多い子どもほど、学力が伸びている」という結果を導き出したという内容です。 (参考) 読書履歴を活用したデータ分析|ビッグデータを活用した教育研究│特集│ベネッセ教育総合研究所 特に興味深いのは、特に学力の伸びた分野が、国語ではなく「算数」だったという点。算数が苦手な子ども(そして、かつて子どもだった皆さんも)は少なくありませんが、今回の研究結果では、小学5~6年生の子どもたちのうち、読書量が多かった(1年4カ月の間に10冊以上読んだ)子どもは、国語、算数、理科、社会の4科
先月の終わりに、電子出版ビジネスの草分け的存在であるイーストの下川和男さんから、古くなったり壊れたりして使えなくなった電子書籍端末を肴に語り合う会、名付けて「昔の読書端末放出放談会」にお誘いいただいた。 ちょうど「マガジン航」で西牟田靖さんが、亡くなられたノンフィクション作家の蔵書の形見分けについての記事を書いてくれた直後だったこともあり、「紙の本」と「電子の本(こちらは端末のみで中身は読めないのだが)」それぞれの最後の身の処し方について考える機会になると思い、参加した。 この会に持ち込まれた端末は、どれも基本的に動かないジャンク品である。アマゾンのKindle DX(初期の大画面タイプ)やバーンズ・アンド・ノーブルのNook(やはり初期型)、ソニーのReader(北米版のやはり初期型)といった比較的有名なものから、オランダのiRex Technologies(バーンズ・アンド・ノーブルに
ここ数日、違法漫画アップロードサイトが俄に話題だ。 皆いろいろと憤っている。当然だ。完全なる著作権侵害、知財の無断利用で金を儲けている奴など断じて許してはならぬ。別に違法サイトを擁護しようというつもりはさらさら無い。 が、それを前提にちょっと皆に聞いて欲しいことがある。どうしても言いたい事がある。 あそこの配信サイトもこの電子書籍ビューアも、お前ら全員もっと漫画村を見習えクソが!! いやもう正直言って今更サイト名伏せる意味もそこまで無いやろと思うので特に伏せずに発言する。 漫画村は確かに違法サイトであり、「タダで漫画が読める」というのが一番大きなセールスポイントだ。しかし、だ。ハッキリ言うが漫画村は「タダで漫画が読める」という点を差っ引いても、下手な正規ルートよりよっぽどユーザーに優しい作りになっている。その事については強く主張したい。 私が漫画村という名前を知ったのは半年ほど前だ。確か「
ついに、星海社COMICSの電子書籍版の配信がはじまりました! 星海社の電子書籍、それは現時点での漫画の電子書籍の「最高」そのものであり、電子書籍出版の新たな可能性の地平を切り拓く新スタンダードと言っても過言ではありません。 電子書籍にたいする星海社のこだわりをご紹介します。 1. 全作品・全ページの版面を電子書籍のためにデジタル原稿から新たにリマスタリング 星海社の電子書籍は、DTP界の第一人者として知られる星海社DTPプロデューサー・紺野慎一がデジタル原稿から電子書籍版の版面を、1から再設計。 デジタルデバイスでの美しさを極限まで追究し、電子書籍として最高のクオリティを実現しました。 多くの一般的な電子書籍は、紙に印刷された漫画のデータを元に製作されます。 そうしたデータは紙で印刷した時に最適化する設計がされているため、なにも手を加えずそのまま電子書籍化しても期待する仕上がりにはなりま
2016年度の電子書籍市場規模は前年比24.7%増の1,976億円 電子出版市場は5年後に3,500億円市場へと成長 『電子書籍ビジネス調査報告書2017』 7月31日発行 インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小川 亨)のシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、新産業調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2017』( http://book.impress.co.jp/books/1117501005 )を2017年7月31日(月)に発売(予約受付中)いたします。 本調査は、「通信事業者」「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「ポータルサイト」「コンテンツプロバイダー」等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケート等を分析したものです。なお、本調査結果の詳細は、『電子書籍ビジネス調査
読者「電子書籍なのになんで紙と同じ値段なんだ!安くしろ!」 出版社「すいません。社内で検討します(いや電子の方が原価が高いし……)」 出版社で電子書籍の制作や販売に携わっていたら、誰もが上記のようなやり取りを経験したことがあるはずだ。 anond.hatelabo.jp 上記エントリーに対して「もっと安くできるだろう」という意見もあがっている。 私はこれまで出版社の編集者として、紙の書籍も電子書籍にも携わってきたが、正直なところ電子の方が原価がかかり、原価を回収するのも困難だ。 紙の書籍の場合、1000円の本を初刷り1000冊で販売する際の内訳は以下になる。 ①~④の合計は1000円だ。 ここでおかしなことに気づく。 あれ、利益が出ていない……? そう、①~④はすべてコストである。 初刷りと言われる最初に印刷所で刷る分の1000冊を販売するだけでは利益は出ないのだ。 出版社の利益は、100
こんにちは、漫画家の赤松健です。 別冊マガジンで連載中の『UQ HOLDER!』が今年10月にアニメ化されるので、よろしくお願いいたします!(※宣伝!) ・・・ところでご存じでしょうか。文化庁がいよいよ著作権法を改正し、「著作者の力を弱めて、ややネット利用者側の利便性に振る」方向性でまとまったようです。 (朝日新聞)書籍の全文検索サービス、許諾不要に 著作権法改正へ 文化審議会・著作権分科会の議事録と資料 これは「権利制限」と言いまして、もし我々著作者に無断で作品が利用されたとしても、「著作者が文句を言う権利を、一部制限する」というものです。ぶっちゃけGoogleなどに有利な法改正ですね。 この後、「フェアユース制度*1」が導入されると完成形でして・・・そうなるといよいよGoogleやAmazonやNaverが「電子書籍版のYouTube的な投稿サイト」を構築し、何でもかんでも日本の書籍を
お出かけ先でも、 自分の本が いつでも読める。 BOOKSCANは、お客様が お持ちの書籍をスキャンして、 web上に保存できるサービスです。 自宅にいなくても、 いつでも自分の本が読める、 素敵な体験を試してください。 ご自宅にある大量の蔵書をBOOKSCANまでお送りください。 「新しい本を買いたいけど家の棚がもういっぱい…」「ごちゃごちゃし過ぎて片付かない…」と 心配する必要はありません。空いたスペースに新しい本を好きなだけ並べてください。 BOOKSCANにお持ちの本を送れば、スキャンしてWEB (アプリ)上であなたの本棚を再現。 どこにいても、あなたの本棚にアクセスできます。 本を読んでいて『確かこんな内容があった気がするな』そんな悩みはOCR(透明テキスト)で スッキリ解決。読書中にキーワードを入力すれば、知りたい内容をすばやく探すことができます。 読みさすさを諦め無いでくださ
「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されない」って脅されると買いたくなくなる って記事を書きました(以下、「1週間以内…」と略します) ざっくりまとめると、 「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されないのでお願いします」といった宣伝ツイートを見ると、 「なんで、そんなそっちの勝手な都合を押し付けるの?って思って買うのやめたことある」 って言ってる人に少なくとも3人は会った。 ということを書いた記事です。 これが賛否両論、たくさんのリアクションをいただきました。 ぼくの書き方が甘いせいか誤解されてしまった部分があります。 「脅しのような宣伝ツイートがあると買う気がなくなるという人は、はなから買う気がないだろう」 という意見をいただきました。 「そういう層ははなから買わないから相手にしなくていい」といった意見もありました。 編集者だと名乗っている人で、同様な意見がありました。 「1週間
本記事には反論記事も存在します。あわせてご覧ください(関連記事) 年頭、漫画『トリマニア』の作者、久世岳さんのあるツイートが話題になりました。 「【拡散希望】探している漫画が書店で見つからない。でも重版はかからない。何故?というお話。」というコメントと、それを解説する漫画を投稿。7万RTという驚異的な広がりを見せました。 【拡散希望】探している漫画が書店で見つからない。でも重版はかからない。何故?というお話。 pic.twitter.com/9vOIbZGs9e — 久世岳@トリマニア③発売中 (@9zegk) 2017年1月7日 大まかに言えば「欲しいと思った漫画が書店になかった場合、店頭で注文してください」という提案でしたが、そこで描かれた図式には漫画家と出版社、書店から読者まで出版界全体を取り巻く問題が内包されており、様々な視点での議論が巻き起こりました。 そこで浮き彫りになったのが
書店の倒産や雑誌売上の大幅減など、厳しいニュースの続く出版業界。一方で、電子書籍市場はすでに1,500億円以上の規模を誇り、電車の中でタブレットやスマートフォンで読書する人の姿も珍しいものではなくなっている。そんななか2016年2月に開設されたのが、電子書籍専門の販売情報サイト「アオシマ書店」。アオシマ書店を運営する株式会社studio NAS(スタジオナス)の八田モンキーさんとアドバイザーの米光一成さんに、サイトのなりたちや、先日始まった「電書告知サービス」、そして今後の電子書籍業界の展望を聞いた。 作家兼エンジニアだからこそ感じた、電子書籍の楽しさ ──studioNASは、これまでに制作会社として他社のウェブや書籍を手がけていらっしゃいます。今回、自社で「アオシマ書店」を始めたきっかけは何でしょうか。 八田モンキー氏(以下、八田氏):以前から自社サービスやメディアも立ち上げたいという
「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されないのでお願いします」といった宣伝ツイートを見ると、 「なんで、そんなそっちの勝手な都合を押し付けるの?って思って買うのやめたことある」って言ってる人に少なくとも3人は会った。 こういう消極的な意志はなかなか届かない。 本好きで集まったとき、話題にした。 「最初はあわてて買ってたけど、さすがにいくつもあるともう無理」 「脅されて買った感じになって、気分良くないよね」 「どう考えたって、そんな自転車操業やってたら滅びるでしょ」 「だいたいそういうツイートされるコミックスって、うちの近所の本屋には入ってないんだよね」 とあれこれ感想が出た。 ぼくはゲームデザイナーだ。 ゲームをつくっていたときは、発売日前は販売促進でインタビューやイベントやらで動いてた。 その後、本を出したとき、本の世界ではそういうのがあんまりなくて驚いた。 販売初日を重視してない感
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く