システム経費は、22年度予算からデジタル庁に一括計上されてきた。同庁から各府省庁への配分を経て執行される仕組みで、同庁がまとめ役となることで各府省庁間でのシステムの重複を省き、効率化するのが狙い。24年度当初予算では4803億円で、うち「デジ庁」分がマイナポータルの利便性向上などに充てる1193億円、デジ庁を除く「各府省分」は3611億円だった。 問題視されたのは、「デジ庁」分の内訳は事業名や金額が明示されるのに対し、「各府省」分の支出内訳が外部に公表されていない点だ。例えば22年度には法務省の「出入国管理システム」に113億円、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム」に106億円が支出されるなどしたが、これは財務省の予算執行調査資料で明らかにされたもの。デジ庁自ら公開した資料はなく、決算後も「どの省の何のシステムにいくら充てられたか」が分からないため、政府内で