近年,あらゆる面での格差が開いているといいますが,子どもの勉強という点ではどうでしょう。子どもの本分は勉強ですが,する子としない子の分化(segragation)が大きくなってきている。こういう声をよく聞きます。 苅谷剛彦教授が『階層化日本と教育危機』(有信堂)という著作において,意欲格差(インセンティブ・ディバイド)という現象を指摘したのは,2001年,今世紀の初頭です。それから15年経過しましたが,この現象はどうなっているのか。 私は,子どもの勉強時間の分布に注目することとしました。これは,文科省の『全国学力・学習状況調査』に載っています。このデータから,勉強をする子としない子の分化,勉学時間格差の様相を数値で可視化してみようと思います。