苦しんできた就職氷河期世代を支えたい ひきこもり、親の高齢化、心身不調の40-50代…官民連携で支援充実
鹿児島市で昨年6月、老夫婦を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた無職白浜政広被告(71)の裁判員裁判で、鹿児島地裁(平島正道裁判長)は10日、死刑の求刑に対し、無罪を言い渡した。白浜被告は捜査段階から「現場には行っていない」と関与を否認し、無罪を主張していた。裁判員裁判としては、選任手続きから判決までが最長の40日間。無罪主張の被告への死刑求刑は初めてだった。 白浜被告については、昨年6月18日夕から翌朝にかけて、蔵ノ下忠さん(当時91)方に金品を奪う目的で侵入し、忠さんと妻ハツエさん(同87)の頭や顔をスコップで殴って殺害したとして、鹿児島地検が起訴していた。 これまでの裁判員裁判では死刑求刑が5件あり、横浜、仙台、宮崎の各地裁(横浜と仙台は被告側が控訴)で死刑が言い渡されていた。東京地裁は無期懲役だった。 自白などの犯行を直接結びつける証拠はないため、検察側は間接証拠の積み重
東京拘置所=東京都葛飾区小菅、朝日新聞社ヘリから 法務省は27日午前、死刑を執行する場所として東京拘置所(東京都葛飾区)内に設けられている「刑場」を報道機関に公開した。刑場は全国7カ所の拘置所・拘置支所にあり、これまで国会議員が視察したことはあるが、報道目的で公開されたのは初めて。 千葉景子法相は7月28日に同拘置所で自ら立ち会って2人の死刑を執行した後、刑場を公開する方針を示した。昨年5月に始まった裁判員制度で死刑が求刑される事件が審理されるのを前に、「国民的議論」につなげたい考えだ。 公開されたのは、執行前に死刑囚が宗教者の教えを受ける「教誨(きょうかい)室」や死刑囚が執行の宣告を受ける「前室」、実際に執行される「執行室」など。ただし、死刑囚の首にかけるロープは取り外された状態で、死刑囚が立つ「踏み板」が開閉する様子も見せなかった。
中国で6日、赤野光信死刑囚(65)の刑が執行された。覚せい剤を中国・大連から地元・大阪に密輸しようとした罪。日本なら死刑にならないケースだ。支援してきた旧友らにとって、「普通のおっちゃん」だった赤野死刑囚。「だれかに利用されたのではないか」「刑事手続きは適正だったのか」。そう悔しさをにじませた ◇ 「やっぱりあかんかったか」。死刑回避を求める救援活動の中心を担った喫茶店主の松枝克子さん(65)=大阪市西区=は声を落とした。 松枝さんは赤野死刑囚と小中学校が同じ。一審で死刑判決が出た2008年夏以降、当時の同級生らに協力を呼びかけ、カンパ集めなどを続けてきた。「優しかった赤野君と、麻薬との接点は思い当たらない。何者かに利用されたのではないか」。今もそう思っている。 赤野死刑囚の中学時代の同級生の男性(66)=大阪府大阪狭山市=は救援活動を通じ、中国の司法制度に不透明さを感じてき
【大連=大木聖馬】中国遼寧省大連で麻薬密輸罪に問われ、2009年4月に死刑判決が確定した赤野光信・死刑囚(65)=大阪府出身=に対する刑が、6日、大連で執行された。新華社電が報じた。 中国で日本人に対する死刑が執行されるのは、1972年の国交回復後初めて。 赤野死刑囚は06年9月、石田育敬・受刑囚(麻薬密輸罪で懲役15年確定)と共謀し、大連空港から覚せい剤約2・5キロ・グラムを日本に密輸しようとして逮捕され、遼寧省高級人民法院(高裁)で死刑が確定していた。 中国は3月29日、「7日後」の刑執行を日本側に通告していたが、7日後にあたる5日になって、「6日に刑を執行する」と延期を表明していた。 一方、1日には、麻薬密輸罪で死刑判決が確定しているほかの3人の日本人死刑囚に対する刑執行も「7日後」の8日に行うと通告しており、相次ぐ日本人死刑囚への刑執行が、日中関係に影響を及ぼすとの懸念も出ている。
米カリフォルニア(California)州サン・クエンティン刑務所(San Quentin Prison)の薬物注射執行室(撮影日不明、資料写真)。(c)AFP/CALIFORNIA DEPARTMENT OF CORRECTIONS ※この記事はショッキングな表現を含んでいますのでご注意ください。 【10月18日 AFP】米国の死刑といえば、医学処置による人道面にも配慮したものだと思われているが、ときに中世の拷問とも違わぬ陰惨な最期を悶絶しながら遂げる死刑囚もいる。 絶叫、体が焦げる匂い、あまりの残酷さに立会人たちは気絶する・・・「犬猫の殺処分のほうがもっと人道的です」。1992年にアリゾナ(Arizona)州で死刑に立ち会った記者カーラ・マックレーン(Carla McClain)は語った。このとき刑を執行されたドナルド・ユージーン・ハーディング(Donald Eugene Hardin
◇未来なき反省とは… いつも通りの朝。快晴だった。1月29日の名古屋拘置所。収容者は午前7時に起床し、7時半過ぎに朝食。その後、刑務官に連れられ交代で所内の運動場で体を動かす。「行ってきます」。川村幸也死刑囚(当時44歳)は、笑顔で向かいの単独室にいる死刑囚に声をかけ、部屋を出た。 だが、行く先は、いつもと違った。刑場の隣の部屋で、執行を告げる所長の言葉を聞いた。キリスト教の教誨師(きょうかいし)が最期の祈りと抱擁をした。「償ってきます」。静かに言い残して、川村死刑囚は処刑台に向かった。 ◇ ◇ 執行の約3週間前の1月7日。川村死刑囚からの手紙が、支援者のクリスチャンの女性に届いていた。 <死刑を執行される時を受け入れて進んで生きます> 確定判決によると、川村死刑囚ら6人は00年4月、喫茶店の男性経営者との金銭トラブルが原因で、その妻(当時64歳)と、妻の妹(同59歳)の2人を名古屋市内
千葉県香取市で昨年11月、面識のない千葉銀行員、沢田智章さん=当時(24)=を軽トラックではねて殺害したとして、殺人などの罪に問われた土木作業員の少年(19)は1日の千葉地裁(彦坂孝孔裁判長)での公判で「少年だから死刑にはならない」などと述べた。 被害者参加制度に基づき出廷した沢田さんの父(55)から「人を殺して死刑になる(と分かっていた)なら事件を起こさなかったか」と質問され、答えた。また、母(52)が「あなたがひき殺した男性の家族です」と発言すると、少年は「どうもすみません」と返答。沢田さんの兄と妹2人は「法の限界を超えてでも、納得いくような罰を下してほしい」と意見陳述した。 少年は机をけるなど興奮したため、一時休廷した。少年はこれまでの公判で「何もかも嫌になった。父親を困らせるために人を殺して刑務所に入ろうと思った」などと供述している。
確定死刑囚が執行を待つ間の日々や心境をつづった前代未聞のブログ日記「死刑囚獄中ブログ」が波紋を広げている。今後、同様なブログが続々と出てきた場合、裁判員制度の裁判員に死刑への「予断」を与えることにもなりかねない。死刑廃止運動の一方的な“オルグ”に利用されることも考えられる。ブログの管理人であるノンフィクション作家、斎藤充功(みちのり)氏(67)に聞いた。 死刑囚の日常つづる ブログ日記の筆者は、北海道出身の小田島鉄男死刑囚(66)。平成14年、千葉県松戸市のマブチモーター社長(当時)宅妻子殺害など3件の強盗殺人で4人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われ、19年3月に千葉地裁で死刑判決を受けた。弁護人が控訴したが同年11月、自ら控訴を取り下げ死刑が確定した。 ブログは確定直前の同年10月に始まり、執行を待つ東京拘置所での日々が日記形式でつづられている。 《平成21年3月20日 春分の日
死刑執行を執行の日の朝に死刑囚に告知しているのは好ましくないとして、東京拘置所の施設や処置について提言する「視察委員会」が改善を促す意見書をまとめ、31日に同拘置所に提出した。「少なくとも一両日前には本人に告知し、最後の身辺整理などに時間の猶予を与えるべきだ」としている。 弁護士や福祉関係者らの外部委員で構成される同拘置所視察委員会は昨年11月、全収容者約2100人を対象に初のアンケートを実施。対象には死刑確定者45人も含んでおり、「刑事訴訟法に定められた執行に対する異議申し立ての権利がきちんと行使できるようにしてほしい」という声が寄せられたという。 意見書は告知が執行直前に行われていることが「死刑確定者の心情を日々脅かしている。再審・恩赦請求を侵害する恐れもある」と指摘。60年代には事前に告知され、家族と面会した記録もあることから、現行の運用を見直すよう求めた。同拘置所は「できること
前編はこちら ●マスコミに課せられた多角的・継続的な報道 精神医学的なアプローチについても、真相解明のために効果的に用いられているとはいえない。今の裁判でも精神鑑定は行われている。しかし、責任能力があるかないかを決めるだけの道具に貶められている、というのが現状だ。 「精神鑑定で、たとえば統合失調症と認められると、死刑にできなくなってしまう。だから裁判所は、そういう結論の精神鑑定は採用しないんです。また、検察側が提示する犯行の動機というのは『性的関心で』とか『わいせつ目的で』とか、非常にわかりやすいんですよ。理解し難いロジック、必要のない精神医学的な関心は、全部切り捨ててしまうんです。おじいちゃんっ子だった宮崎にとって、祖父の死というのは明らかに大きな意味を持っているんですが、判決のロジックだと、ほとんど意味を持たなくなってしまう。やはり責任能力の有無を判断するためだけの精神鑑定ではなく、真
昨日で10月も終わってしまったのだが、『現代思想』10月号の特集は「裁判員制度――死刑を下すのは誰か」であった。非常に難しい問題だが、14本も原稿が載っており、それぞれ気合いの入ったものが多かった。私としては、できるだけ多くの原稿を紹介できれば、と思っている。*1 まず、討議は安田好弘・森達也「刑事司法の死の淵から」である。安田さんは、死刑廃止論者の弁護士として有名である。オウム真理教の教祖であった麻原彰晃の弁護や、先日の光市裁判で加害者の弁護を担ったため、名前を知っている人も多いだろう。ネット上でも苛烈な批判(そして誹謗中傷)も受けている。 安田さんは、いかなる思想信条で、光市裁判の弁護を行ったのかについて、明らかにしている。それは、これまでの裁判の経験をもとに、「裁判所はこう動くはずだ」という読みにしたがっていた。奇異で無理のある主張であったとしても、裁判の過程においては、とられるべき
ワシントン(CNN) オハイオ州は14日、肥満を理由に死刑執行中止を求めていたリチャード・クーイー死刑囚(41)の死刑を予定通り執行した。 クーイー死刑囚(41)は身長約170センチ、体重約120キロ。1986年に学生2人を殺害した罪で死刑を言い渡されたが、今年8月、「自分は太っているため、薬物注射による死刑執行で苦痛を味わう恐れがある」として、執行中止を求める訴えを米連邦裁判所に起こした。 しかし米連邦最高裁が14日、この訴えを退けたため、同日、予定通りに死刑が執行された。オハイオ州広報によると、執行に際しては何の問題も起きず、クーイー死刑囚は現地時間午前10時28分、死亡を宣告された。 何か言い残すことがあるかと聞かれたクーイー死刑囚は「これまでの22年間、自分が言いたかったことは何ひとつ耳を傾けてもらえなかった。今さら耳を傾けてもらえるとでもいうのか」と答えたという。 死刑執行の前夜
日本の死刑・代用監獄に批判相次ぐ 国連規約人権委審査2008年10月17日10時13分印刷ソーシャルブックマーク 【ジュネーブ=飯竹恒一】ジュネーブの国連欧州本部で開かれていた国連規約人権委員会の日本に対する人権状況審査は16日、2日間の日程を終えた。質疑では死刑や代用監獄制度などをめぐり、委員から「10年前(前回審査)の問題提起に十分対応していない」などといった批判が相次いだ。 対日審査は10年ぶり。死刑制度は98年の前回審査で「廃止に向けた措置」の勧告を受けたが、この間、執行数は増加した。委員からは「30年も死刑囚として過ごして70代で死刑が執行された事例は理解に苦しむ」「死刑を巡っては世界的に廃止の流れがある」といった指摘が出た。日本政府は「国民世論の多数が凶悪犯罪については死刑もやむを得ないと考えている」と従来の主張を繰り返した。 警察の留置場を拘置所代わりに使う代用監獄制度につい
森達也の新刊「死刑」を読んだ。一気に読んだ。 これはいつもの「森達也業」ともいうべき仕事だなと思ったのが第一印象。しかしやっぱり森達也以外に書けない内容だとも思った。彼の代表作になるだろう。 世の中には曖昧な領域がある。それは誰もが忌避したくなる世界だ。手を突っ込んだところで余計な火傷を負うだけでまったく得にならない。どう書こうが誹謗中傷、ないしは「非国民」とか「レイシスト」とかありがたくないレッテルまで貼られることもある。さらに世の中は何事も竹を割ったようなわかりやすい善悪、左右、縦横な話を好むので、曖昧な領域なるところを追っても銭にはならない。そして誰もが取り上げるのを諦め、その世界はサンクチュアリと化してときには暴走していく。 森達也はそこへ果敢に攻め込んだ男である。先日も取り上げた動物実験。超自然現象。放送禁止歌。オウム真理教。メディアそのもの。 そして死刑。廃止派でありながらも、
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