『機動戦士Zガンダム』の画作りに対する想いも複雑だ。作画の方向性についても『Zガンダム』は、『機動戦士ガンダム』第1作とずいぶん違っていた。キャラクター作画については、まず、放映が始まって早々に「ああ、これは安彦良和の画ではないな」と感じた。キャラクターデザインは安彦の手になるものなのだが、作画で随分ニュアンスが変わっていた。画が硬くなり、重たくなっている印象だった。前々作『聖戦士ダンバイン』や前作『重戦記エルガイム』のビーボォーの画風で、安彦良和のキャラを描いたという事なのだろう。 『Zガンダム』の画作りで印象的なのは、キャラクターに付けられた濃い影だ。1枚の画に二重、三重に影がつけられる事もあった。影がつけられる面積も広く、こってりとした印象になっていた。ただ、ここが微妙なところなのだが、実際に作品を観返してみると、二段影、三段影のカットはあまりない。ではあるが、そういった画作りの印象