坂本龍馬も新選組も研究対象にはならない 日本史のなかでも、根強い人気があるのはやはり、「戦国時代」と「幕末」ですが、その理由のひとつは、いずれも個性的な英雄が登場し、そのキャラクターに感情移入したり、「推し」にしたりしやすいからなのかもしれません。 そのなかでも、とりわけ「幕末」の「英雄」と称される坂本龍馬や逸話揃いの新撰組には多くのファンがいます。 その人気にあやかって町おこしに使われたりもしていますから、迂闊なことは言えないのですが、歴史研究を専門とする身からすると、正直に言えば、坂本龍馬も新撰組も、研究の対象とは言えないのです。 『日本史の偉人の虚像を暴く』でも、藤原道長や平安時代の歴史研究の薄さについて、門外漢ながら指摘させていただきましたが、やはり歴史研究の対象になりやすいのは、歴史のターニングポイントであり、エポックメイキングな偉業を成し遂げた人物やその周辺なのです。その意味で