三種の神器―〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源 [著]戸矢学 「三種の神器」について詳しく知る人は多くない。本書は、八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)の三種は、「日本文化の根源に存在する」との理解のもとに、記紀以前からの史実や語り継がれている内容、あるいは著者独自の分析などを織りまぜて説いていく。専門用語は多いにせよ、記述が平易なので、玉、鏡、剣の真の意味もわかる。 この「三種の神器」を制度として制定したのは天武天皇であり、「皇位の象徴」がここにあると知られるようになったのは、「天武朝の広報担当者が優秀」だったからとの指摘もある。記紀により公式に認定されたが、曲玉は宮中に、鏡と剣は宮の外に祀(まつ)られていることの公表など独自の演出もあったという。 「三種の神器」の思想は御霊信仰であり、この信仰では祟(たた)り神を「祀ることによって守護」となる
なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか。 新訳「ユダヤ人問題に寄せて」 国家の宗教からの解放は、現実の人間を宗教から解放するということではない 自由という人権は政治的生活と闘争に入るや権利であることをやめる 的場昭弘による4ページ程の序文がえらくわかりやすいので、ほぼ丸ごと引用。 新訳 初期マルクス――「ユダヤ人問題に寄せて」「ヘーゲル法哲学批判‐序説」 作者: カール・マルクス,的場昭弘 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2013/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか。 言い換えれば、なぜマルクスは経済学を批判しなければならなくなったのか。その謎はすべて、1844年『独仏年誌』に掲載された本書の二つの論文「ユダヤ人問題に寄せて」と「ヘーゲル法哲学批判――序説」にあるといってもよいだろ
ラファエロ展より「大公の聖母」1505~06年 伊・フィレンツェ、パラティーナ美術館蔵(c)Antonio Quattrone 現在、東京の国立西洋美術館で開催されている「ラファエロ」展には、代表作の一つ「大公の聖母」が出品され、大きな話題となっている。この名画は、日本のみならず欧米にも多くの愛好者を持つ古九谷の名品の謎を解く鍵となることでも注目される。 その名品とは「青手桜花散文平鉢(あおておうかちらしもんひらばち)」(17世紀、石川県立美術館蔵)である。この作品は、ヒナギクを克明に重ねて平鉢表の全面をおおい緑釉(りょくゆう)をかけ、そこに風に吹き散らされた風情で、青による桜が大小八つ描かれている。こうした表現の斬新さから、この作品は古美術、古陶磁の枠を超えて国内外のアーティストや文化人、美術愛好家に絶賛されている。 しかし、ヒナギクと桜、そして緑と青というモチーフ(主題)と色の組み合わ
「現在、信仰をもっている」「宗教に関心がある」と答える学生が増える傾向にある一方で、いわゆる「カルト教団」の問題への学生たちの知識が十分ではないことも伺えるとする調査結果がまとまりました。 調査は、現代の学生たちの宗教への関心や考え方を探ろうと、研究者で作る「宗教と社会」学会などのメンバーが平成7年から行っているもので、11回目の今回は去年の4月から6月にかけて、全国30の大学の学生を対象に無記名のアンケート方式で行い、4094人から回答を得ました。 このうち「宗教にどの程度関心があるか」という質問で、「現在、信仰をもっている」と答えた学生は全体の16.1%で、前の年より4.2ポイント増えてこれまでの調査で最も高くなりました。 また「信仰はもっていないが、宗教に関心はある」という学生は37.7%で、「信仰をもっている」という答えと合わせると、53.8%と半数を超えました。 宗教への考え方に
ヴェールの政治学 [著]ジョーン・W・スコット 2004年、フランス議会は、公立学校において宗教的帰属を「誇示」するアイテムの着用を禁じた法律を可決した。10年には、公共の場で顔を覆い隠す服装を禁止する法律を成立させた。標的とされたのは、ムスリム女性の、前者ではヘッドスカーフ、後者ではブルカである。ブルカを装着している女性が、フランスのムスリム人口の0・01%にも満たないにもかかわらず、である。 人権先進国といわれるフランスが、服装の自由を否定してまで防禦(ぼうぎょ)しようとしたものはいったい何だったのか。なかでもイスラームのヘッドスカーフ(ヴェール)がまず標的になったのはなぜか。 ヴェールは、フランス人の多くにとっては、イスラーム文化の後進性と女性に対する抑圧(家父長制の犠牲)の象徴であり、イスラーム移民の「同化」の挫折の象徴であったが、ムスリムにとってはときに個人のアイデンティティの表
12月18日、調査機関ピュー・リサーチ・センターが発表した世界の宗教動向に関する調査で、キリスト教、イスラム教に続き、「無宗教」の人口が3番目に多いことが分かった。 バチカンで昨年12月撮影(2012年 ロイター/Giampiero Sposito) [18日 ロイター] 調査機関ピュー・リサーチ・センターが18日発表した世界の宗教動向に関する調査で、キリスト教、イスラム教に続き、「無宗教」の人口が3番目に多いことが分かった。 同機関は調査に当たり、2010年の各国国勢調査や登録人口などの調査資料約2500件を分析。その結果、キリスト教徒が世界人口の31.5%に当たる約22億人と最も多く、世界のあらゆる地域に広く分布していた。2番目に多かったのはイスラム教の約16億人で、全人口の23%だった。 また、確立された宗教を信仰しない「無宗教」の人口は約11億人で、そのうち6割以上が中国に住んでい
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〈私〉だけの神 平和と暴力のはざまにある宗教 著者:ウルリッヒ・ベック 出版社:岩波書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政 〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教 [著]ウルリッヒ・ベック 世界を震撼(しんかん)させた同時多発テロから十年。世界は一向に平和になったように見えない。つい最近も、右翼思想の青年がノルウェーでテロ事件を起こしたばかりだ。グローバル化の進む社会のなかで、価値観の異なる者同士がどのように共存していくべきかが切実な問題になっている。 「個人化」「リスク社会」というキーワードで知られるドイツの社会学者ベックは本書において、宗教が国境を超えて平和を生み出す力を持つ一方で、信仰者と不信仰者を区別し、不和と暴力の原因を作ってしまう可能性も指摘して、さまざまな角度からの現状分析を行いながら、「個人化」する宗教の、平和創出の可能性を探っている。 ドイツでは、20世紀前半ごろま
盆踊り―乱交の民俗学 [著]下川耿史 伝統行事を「性的共感」から見直そうとした異色作。著者は風俗史家で、とりわけ性にまつわる本を数多く書いてきた。従来の民俗学は性のテーマを真っ向から取り上げておらず「祖霊信仰や農耕儀礼などの問題にすりかえ」てきた、とふんまんやるかたない。今では民俗芸能として多くの見物客を集める有名盆踊りも、元は交歓の相手を共同体の中で、ひそやかに選びあうことが主眼だったとみる。さらに盆踊りにつながる種々の踊りを生んだ「風流(ふりゅう)」文化は「夜ばい」や「ざこ寝」と同根、というのが著者の主張で、そのルーツを折口信夫が「謬(あやま)り」としてしりぞけた、古代の性的な行楽行事「歌垣」に、あえて求めている。 ◇ 作品社・2100円
<KEY PERSON INTERVIEW> 09年末にギリシャに端を発した「ユーロ危機」は資本主義という名の宗教が壊れ始めた世界での日常の出来事にすぎない--。そう断言するイタリアの哲学者、ジョルジョ・アガンベンさんに近未来、そして「フクシマ」の原発事故が与えた衝撃について聞いた。【ローマ藤原章生】 ◇壊れゆく「資本主義宗教」--イタリアの哲学者、ジョルジョ・アガンベンさん(69) --東日本大震災後、日本だけでなくイタリアでも、経済成長にこだわらない暮らしを求める声が高まってきました。ギリシャの映画監督、故テオ・アンゲロプロス氏は昨年夏、「人々は(未来への)扉が開くのを待っている。イタリアなど地中海圏が扉を開く最初の地になる」と変動を予言しました。社会の価値観は変わりますか。 ◆ アンゲロプロスの言葉を読み、経済という独裁者が社会生活の細部にまで入り込んでいるという指摘に感銘を受けた。
意味の通った文章を書けなくなって久しい。才能の枯渇なんてものは多少なりとも才に恵まれた人々のみに許された特権だと迂闊にも信じていたので、まさか俺のごとき凡夫のなけなしのかしこさもまた平等に劣化し枯渇してゆくものだとはまったく予想外であった。近頃はもはや百四十文字を書くことすら困難になりつつある。電撃大賞の募集規定を見ると二百五十枚とある。無理だ。 ただ、今日は今年になって初めて酒を飲んだので、酔いに任せて書いてみる。 貧困ってのはアイス持ってたらガキが寄ってくるような、そんなせつねえものなんだ。それを知らずに貧困者をどうこう言うのは、病気のことを何も知らないくせに「うつは甘え」なんて言うのと同じだぜ。アイスの思い出 - 男の魂に火をつけろ! 良い文章だとは思うけれど、こんなエピソードなんていくらでも捏造できるし、これは嘘話だったら価値がゼロになるパターンだよねゲーセン彼女のアレとは違って。
承前*1 Ernest Gellner “Religion and the profane” http://www.eurozine.com/articles/2000-08-28-gellner-en.html (宗教としての)マルクス主義の衰退について語っている部分。 先ず、蘇聯崩壊後に明らかになったことは、実は〈信者〉(〈主義者〉)が殆どいなかったということである。「特権」(利権)にしがみつく奴はいても「教義」にしがみつく奴はいない。何故か。ゲルナーはマルクス主義の思想としての特性及び系譜に言及する; What undid Marxism is not its secularism, but on the contrary, its pantheism that it inherited from Spinoza through Hegel. The basic Messianic
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