結成二十一年目を迎えてなお、新たなファンを獲得し続けているロックバンド「ザ・ピロウズ」。昨年には初めての日本武道館公演を成功させ、その勢いは衰えることを知らない。リーダーでボーカル・ギターの山中さわおさん(41)は音楽にかけた人生の中で、「審査員は自分しかいない」ということに気付いたという。(小柳津心介) ーメンバーの脱退や売り上げの低迷など、ピロウズには長い不遇の時代がありました。 ピロウズは、今いないメンバーがつくったバンドなんだ。初代ベーシストの上田ケンジが中心となってみんなを集めて結成したんだけど、三年間でだんだん音楽的にも人間的にも合わなくなり、彼は脱退した。 でも、僕には根拠があろうとなかろうと、自分の音楽に、自分から出てくる音楽のアイデアに自信があって、絶対、その面白さを分かってくれる人はたくさんいるはずだと思い込んでいた。それが何よりの支えだった。
