分煙のために設置された喫煙室内は北京を上回る大気汚染濃度−。東京都内のオフィスの喫煙室で「PM2・5(微小粒子状物質)」の濃度を測定したところ、こんな結果が出た。喫煙者・非喫煙者双方に配慮しての分煙だが、専門家は「北京でも警報が出るレベルの汚染環境に喫煙者をさらすのは問題」と警鐘を鳴らす。(平沢裕子) ◆受動喫煙防げず 「これはすごい。北京の大気汚染が最悪だった日の約2倍の汚染レベルだ」 今月中旬、東京都内のオフィス内に設置された喫煙室でPM2・5濃度を測定していた産業医科大学・健康開発科学研究室の大和浩教授は思わず声を上げた。 約9平方メートルの喫煙室内で喫煙していたのは10〜15人。約7分間の測定中、PM2・5濃度の最高値は1立方メートル当たり1550マイクログラム、最低値は同625マイクログラム。北京の最悪の日は同700〜800マイクログラムだ。このオフィスでは喫煙室のドアを