Copyright (c) 2002- International Research Center for Japanese Studies, Kyoto, Japan. All rights reserved.
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外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで
2度のインシデントが示す安全なシステムへの理解不足勤勉な国民性を持ち、システムの運用を行わせれば確実に仕事をこなすことで世界的にも知られている日本において、Mt. Gox事件に続く、2回目の取引所における大きなインシデントが発生した。筆者は、以前より、日経IT Proの連載「ブロックチェーンは本当に世界を変えるのか」(大幅加筆をして書籍『ブロックチェーン技術の未解決問題』として出版)において、ブロックチェーンを用いたシステムにおけるセキュリティ確保の難しさを解説し、スタンフォード大学で行われたブロックチェーンのセキュリティに関するトップの会議であるBlockchain Protocol Analysis and Security Engineering 2017 (BPASE 2017)、IEEE Security & Pricvacy on the Blockhcain(IEEE S&B
昨日の日記の読者から、「引用」は「著作権法第三十二条」であって「著作権法第三十条の四」ではない、という御指摘をいただいた。実を言うと私(安岡孝一)個人は、近江龍一・西原陽子・山西良典の論文『ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング』(人工知能学会第31回全国大会論文集, 2M2-OS-34a-1, 2017年5月24日)が、引用要件を満たしているとは考えていない。だから、昨日の日記で「著作権法第三十条の四」と書いたのだ。当該論文を少し見てみよう。 10個の小説の中に文は全部で7,009文あった.そのうち猥褻な表現に関する文は3,199文あった.クラス1に分類された文は615文,クラス2に分類された文は575文,クラス3に分類された文は8文,クラス4に分類された文は2,130文であった.いずれにも分類されないものはなかった.なお,同時に2クラス以上に属する文もある
立命館のpixiv論文の件を遠巻きに見ていたのですが、日本文学研究の方にも飛び火してきた感じなので↓ togetter.com ちょっと考えたことを書いておきます。 目次はこんな感じになりました。長いですので、これからどうすべき(と私が考える)か単に知りたい人は、「さいごに」をどうぞ。 近代文学研究における引用の実態 古典文学研究における引用の実態 ネット掲載の「半公開」小説の引用 小説とプライバシー これからどう現代小説を引用していくのか さいごに : 忖度と萎縮と検閲と 近代文学研究における引用の実態 近代文学研究の世界では、引用に際して作者の許諾をとるということは、例外的な場合を除いて、一切ありません。著作権法の範囲内で、遠慮なくどんどんやります。 近代文学研究が扱う文学作品は、ほとんどが「公開モード」にあります。だれでも見られ、引用、言及でき、賞賛も批判もなんの遠慮もいりません。
違法? 合法?→合法無断で引用していいの?→著作権法第32条に基づき、公表されてる著作物は無断で引用していいことになってます分析だから引用じゃない!→あっ、ひょっとしてかける数とかけられる数は違うって信じてる宗派の方ですか? 全文を機械分析するなんて引用の範囲を超えている!→著作権法第47条の7「情報解析のための複製等」に該当し合法です pixivは会員しか見れないけど?→不特定の誰か1人以上、あるいは50人くらいの人数より多くの特定多数に公開することを公表といいます会員制なのに公表してるってみなされるのおかしくない?→お金を払ってシュリンク破らないと読めない商業漫画も公表されたものですが何か 判例はあるの?→教師・生徒300人に配られた中学校の卒業文集は公表されてるので引用OKという判例→http://www.u-pat.com/h-1.html支部の規約で引用は禁止されてるよね?→規約
仲💮村 @natukusa 待て待てこの文脈だと「二次創作は著作権的にグレーだから転載被害を訴えることはできない」って意味じゃない?今回の件は「研究対象だったから転載を訴えるのは難しい(研究用との著作物利用はだいたい法的にも認められてるから」ならわかるが、前者の認識はおかしくない? 2017-05-27 07:50:16 仲💮村 @natukusa なんでみんなそんなに二次創作のパブリックドメイン扱いしたがるんだろね。仮に二次創作者の権利は認められないというなら、元々の権利者たる原作者の著作権の庇護下になるだけで、研究用途でもない「第三者が勝手に自由に使っていい」的なものにはならないのでは 2017-05-27 07:53:09
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today 割と特殊事例の研究倫理問題であって無断転載とかその辺とは全く話が違うと思われ。 まあ今後「特殊事例」でなくなっていくんちゃうかなあとは思うけど。 2017-05-25 12:47:18 Die @die3035 今回の件はネット上のデータを扱っていく研究分野において、これから予測されるであろう、ネット上におけるいくつかの価値観との衝突と、そこへの配慮性をどうするかという、研究分野としての倫理規程をどないするかの問題だと思うので、大学に言うてもしゃあない気がするんだよなぁ 2017-05-25 12:52:53 あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today 「デリケートな問題とバッティング起こす可能性が高い研究」くらいの感じかなあ。pixivに投稿した小説をどこまで通常書籍と同じように研究対象として扱って良いか、に関し
のっきぃ @pg_nokkii 立命館BL炎上、読む前に削除されたけど、好きなコンテンツを発見したりゾーニングがうまくできるようにBLコンテンツを選択したのに「嫌いなものを規制するために!」みたいな真逆の広まり方するし、うまく行かないもんですね。題材的に指導教官も扱い慣れてなかったのではないかなぁ。 2017-05-25 10:24:19 のっきぃ @pg_nokkii 指導教官に査読してもらって、題材的がBLだし本当にいいの?って不安になりながら頑張ってはじめてペーパー書いたのに感想文とかこき下ろされて、アンチ扱いで燃えたら僕だったら泣いちゃうわ。迷惑かけた方にもただただ申し訳ないし。 2017-05-25 10:32:40
私(安岡孝一)の2016年2月26日の日記の読者から、近江龍一・西原陽子・山西良典の『ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング』(人工知能学会第31回全国大会論文集, 2M2-OS-34a-1, 2017年5月24日)という論文を読んでほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたのだが、書写言語研究におけるサンプルデータの重要性を全く理解していない論文で、正直、頭が痛くなった。 本研究では猥褻な表現に関する文を集めるために,pixivに投稿されているR-18小説を用いた.R-18小説に分類される小説の中から,2016年10月のウィークリーランキングTop10の小説を選択し,分析に用いた. そんな偏ったサンプルデータ10本で、まともな結果が出るわけが無いだろう。しかも、なぜpixivに限定しなければいけないのか、pixivに限定する意図は何なのか、この論文には全く書
先日開催された、人工知能学会全国大会で発表された論文がpixiv上のR-18小説に「有害」「猥褻」のレッテル貼りを行ったとして、猛烈な批判を浴びている騒動。執筆者の一人である立命館大学情報理工学部メディア情報学科の助教・山西良典氏は、取材に対して「どうなんでしょうね」と煮え切らぬ回答に終止した。 「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング」と題された論文は、立命館大学大学院情報理工学研究科の近江龍一氏、立命館大学情報理工学部の西原陽子氏、そして山西良典氏の3名によって著されたもの。 論文中では「インターネット上には未成年に対して有害な情報が溢れている」などとして、フィルタリングについての論述がなされている。文中では「有害」と「猥褻」という言葉が繰り返し用いられているが、その定義については、どこにも記されていない。まったく「有害」と「猥褻」がなにかを定義しないまま
結論:場合による https://togetter.com/li/1113766 https://matome.naver.jp/odai/2149564479015738601 この辺見てると、「そうだよね」というものと「いやいやおかしいでしょ」というものがどちらもある。批判している人の中には文系の慣行に詳しくない人もいるようなので、しがない文系出身者が「文系だとだいたいこんな感じ」というのを提示してみる(「お前の感覚おかしいよ」という指摘があれば教えてください) 「分析に用いている時点でこれは引用ではない」みたいなやつがおかしな意見の代表。いやいや、分析対象として使うのも立派な引用ですから。 たとえば、「私が好きな○○さんの二次創作小説はマジ文学なので文学作品として研究対象にします」だったら、それがマイピク限定とかでなく全体公開されている限り無断で引用して差し支えない(他人の机の中にし
id:lisagasuさんからブクマコメ*1でコールをいただいていたので、「成人向け同人小説」を研究対象にする場合の問題について、簡単に私の意見を述べる。これは、人工知能学会に掲載された論文において、「成人向け同人小説」を作者に無断で分析対象にし、その固定URLを伏字なしに掲載した件について言及している。(この論文は立命館大学の管理するウェブサイトに公開され、誰もが簡単にアクセスにできる状態にしてあった。立命館大学側が事態に気づき、非公開に切り替えた。) 私がこの件が問題であると考えるのは以下の4点である。 (1)研究テーマが表現の「有害性」についてものであったこと (2)研究対象が「成人向け同人小説」であったこと (3)研究の方法・内容に不備があったこと (4)論文を非公開にする判断を下したのは「学会」ではなく「大学」であったこと(追記:こちらは事実誤認であることがわかっため、撤回) (
立命館大学の学生が「2017年度 人工知能学会全国大会」で5月24日に発表し、公式Webサイト上に掲載されていた論文を、同学会が25日朝に公開中止した。論文では「青少年にとって有害な文」として作品投稿サイト「pixiv」のR-18指定小説を名指ししており、ネット上で問題視する声が上がっていた。 公開を中止したのは、立命館大学・同大学院の学生が発表した「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻(わいせつ)な表現のフィルタリング」という論文。 内容は「暗喩を用いて表現されている有害な文」に対してフィルタリングを行う手法の提案だが、その中で、pixivに掲載されているR-18指定の小説を、作品URLと作者名を挙げて引用していた。ネットユーザーからは「有害のレッテル貼り」「ログインしないと読めない形でゾーニングしているのに」「このような取り上げられ方では表現者が萎縮する」などの声が上がってい
この一件の幕引きは“前例”となる 5月24日、「人工知能学会全国大会」において発表された、立命館大学情報理工学部に所属する3人の研究者の論文が、議論を呼んでいる。なぜならその論文が、自作イラストやマンガを中心とするSNS・pixiv(ピクシブ)に投稿された一般ユーザーの小説10作を分析材料として扱っていたからだ。これが多くのユーザーの反発を買い、現在はその論文PDFが非公開となっている。 「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング」と題されたこの論文は、「猥褻表現」(論文中では「有害情報」とも表記されている)のフィルタリングを目的とした研究だ。 一方、この論文で研究対象とされたのは、性表現が多く含まれ、当初から作者が「R-18」(18歳未満閲覧禁止)にカテゴリーしていた小説だった(同時に、その多くは「二次創作」だ)。pixivでは閲覧制限の設定があり、デフォルト
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