第48回 詩人のように翻訳し、翻訳者のように創作せよ*——パートII:アメリカ手話の翻訳詩を「読んで」みる(吉田恭子) アメリカ文芸翻訳の現在 11月7日から10日、ニューヨーク州北部ロチェスター市でアメリカ文芸翻訳家協会(American Literary Translators Association,ALTA)の年会に久々に参加した。2013年に誘われて初参加したときは、諸外国文学を英語に翻訳する人々の集いで得られるもの、貢献できるものがあるのだろうかと疑問だった。外国語文学研究者は原典に至上の価値を置くので、自分のまるきりわからない言語から翻訳する人たちと有意義な意見交換ができるのかと懐疑的だったのだ。ところがそれは外国語文学を学術研究という狭い枠に閉じ込めてしまう大学教員にありがちな思い込みで、不安は見事に裏切られた。今では一番楽しみにしている学会である。 文学系の学会では、スキ