テレビを購入したものの、NHKを見ず、受信契約を締結する気が全くない場合でも、なお契約を締結し、受信料を支払う必要があるのか。この問題に対し、ついに最高裁がその義務を正面から認める判決を下した。判決文に基づき、そうした結論に至った理由や、判決が今後の受信料徴収に与える影響などを示したい。 【契約自由の原則と放送法】 民法には直接の規定はないが、個人の尊厳や自由権、財産権などを定める憲法の下では、当たり前のこととして、誰しもが社会生活を営むに際し、自由に契約を締結できるとされている。 これを「契約自由の原則」と呼ぶ。 すなわち、契約を締結するか否か、誰と締結するか、どのような内容・方式の契約とするかといったことを自由に決められるというものだ。 しかし、放送法は、受信契約に関し、次のように規定している。 この規定は、日本放送協会、すなわちNHKの放送を受信できる受信設備を設置したか否か、という
