「自分が書いたのではない論文が自分の名前で学術誌に掲載されている」との事案がSNSに投稿され、波紋が広がっています。当該論文は生成AIによって作成されたものと推定されています。捏造の意図は明らかになっていませんが、粗悪学術誌出版社が、名のある研究者の著作を掲載していることを装うことによって自誌の品質について印象操作を行っているのではないかとの見方もあります。 参考（解説記事）： 生成ＡＩで日本人の研究者かたり論文捏造か、収入目的の海外サイト「ハゲタカジャーナル」に掲載 https://www.yomiuri.co.jp/national/20241120-OYT1T50136/ 科学知識の流通は常に虚偽と偽造の脅威にさらされています。AIによる論文創作技術により、未知の手口の不正行為が今後また新たに生じてくる可能性もあります。 自分が、悪意ある他者のなりすまし被害に遭っていないか自分の関与

OA Switchboardは、9月17日、CRKN（Canadian Research Knowledge Network、カナダ研究・知識ネットワーク）と複数年のメンバーシップ契約を締結したと発表した。 CRKNは、全会員機関を代表してOA Switchboardに加入。 CRKNの会員機関は、追加費用を支払うことなくOA Switchboardのサービスを利用できるという。 ［ニュースソース］ News: Canadian Research Knowledge Network enters new agreement with OA Switchboard ― OA Switchboard 2024/09/17 (accessed 2024-09-19)

ResearchGateは、9月12日、Copernicus Publications※1とパートナーシップを締結したと発表した。 これにより、同社の対象ジャーナルに新規に出版された論文やアーカイブコンテンツが、ResearchGateの"Journal Home"※2を通じてアクセス可能となる。 ※1 ドイツを拠点とする非営利出版社。地球科学、環境科学、工学、生命科学分野の完全OA（オープンアクセス）ジャーナルを発行している。 ※2 専用のジャーナルプロファイルを作成し、ネットワーク上でのアクセスや関連ページでの強調表示などを可能にする機能。 ［ニュースソース］ ResearchGate and Copernicus Publications announce new Journal Home partnership ― ResearchGate 2024/09/12 (accessed

cOAlition S、オンラインツール"How Equitable Is It"のβ版のリリースを発表 cOAlition Sは、9月18日、オンラインツール"How Equitable Is It"のβ版のリリースを発表した。 これは、機関、図書館コンソーシアム、助成機関、出版社などを対象とした、学術コミュニケーションのモデルや取り決めの公平性を評価するためのツール。cOAlition S ・Jisc・PLOSが共同で開始したAPC（論文掲載料）からの脱却を目的としたワーキンググループによって開発された。 本ツールのユーザーは、評価対象のモデルや関連する資金フローについて、研究成果へのアクセス、即時のOA（オープンアクセス）出版、学術コミュニケーションへの参加など7つの項目を評価。各項目を「最も公平」「やや公平」「最も不公平」の3段階で採点し、完了すると、総合スコアおよび回答のサマリー

Taylor & Francis社は、9月19日、UC（University of California）とread & publish契約を締結したと発表した。契約は4年。 本契約により、同大学に所属する責任著者が同社およびRoutledge社のハイブリッドジャーナルと完全OA（オープンアクセス）ジャーナルに論文をOA出版できる。 OA出版にかかる費用は、同大学の図書館が全額負担する。2024年1月1日以降に論文をOA出版した著者は、費用の払い戻しを受けることができる。 また、同大学のコミュニティーは、現在購読している同社の約1,300誌のジャーナルに継続してアクセスできるという。 ［ニュースソース］ New Open Access Agreement Between the University of California and Taylor & Francis ― Taylor &

SPARCは、9月20日、Arcadia※からOA（オープンアクセス）の推進を目的とした助成金を獲得したと発表した。 助成金は600万ドルで、期間は6年。 SPARCは、本助成金により、研究論文とデータの即時かつ公平で自由な共有を保証し、OAによって実現される公平性を最大限に高めるためのポリシーや実践に関する活動を拡大するという。 またSPARCは、同助成金が、研究評価改革、公平な出版モデルの開発、キャリア初期のリーダー育成など、オープンリサーチの永続的な進展に向けたSPARCの取り組みを推進するものだなどとしている。 ※2002年に設立された、英国の慈善財団。 ［ニュースソース］ Arcadia Provides SPARC With Key Support Through 2030 ― SPARC 2024/09/20 (accessed 2024-09-25)

Research and Markets社、"Open Access Journal Publishing Market 2024-2028"を公開 Research and Markets社※は、9月23日 "Open Access Journal Publishing Market 2024-2028"を公開した。 これは、OA（オープンアクセス）出版市場について、2024年までの業績や2028年までの予測などを示したレポート。 世界におけるOA出版の売上高は、2023年に19億ドル、2024年に21億ドルに達し、2028年には32億ドルに成長すると予測している。 そのほか、世界の主要出版社10社の収益やシェアランキング、地域別の市場、合併や買収に関する最新データなども示している。 ※アイルランドの民間調査会社。 ［ニュースソース］ Open Access Journal Publis

EIFL、SAGE社との"Sage Research Methods"および"Sage Research Methods Cases Part 1"に関する契約を更新 EIFLは、9月19日、SAGE社との"Sage Research Methods"および"Sage Research Methods Cases Part 1"に関する契約を更新したと発表した。契約は2027年12月まで。 EIFLのパートナー国30カ国の図書館やコンソーシアムは、Sage Research MethodsおよびSage Research Methods Cases Part 1にアクセスできる。 Sage Research Methodsは、研究方法に関するデータベース。"Little Green Book" "Little Blue Book"を含めた1,200冊以上の図書やハンドブック、18冊の辞書や

Elsevier社、アラブ首長国連邦のKhalifa University of Science and TechnologyとOA契約を締結したと発表 Elsevier社は、9月30日、アラブ首長国連邦のKhalifa University of Science and TechnologyとOA（オープンアクセス）契約を締結したと発表した。 本契約により、同大学に所属する研究者は、Science Directを通じて同社のジャーナルにアクセスできる。 また、同大学に所属する責任著者は、同社の一部のジャーナルに、APC（論文掲載料）を負担することなく論文をOA出版できる。 ［ニュースソース］ Khalifa University Establishes Open Access Agreement with Elsevier ― Elsevier 2024/09/30 (accessed

Frontiers社は、9月30日、中国のNSTL（National Science and Technology Library）とパートナーシップを締結したと発表した。 2025年1月1日より、"Chinese Academy of Sciences" "Chinese Institute of Scientific and Technological Information" "Machinery Industry Information Research Institute"など中国の9機関に所属する著者が同社の対象ジャーナルに論文を出版する際、APC（論文掲載料）の割引が受けられる。 対象となるジャーナルは、"Frontiers in Neurology" "Frontiers in Neuroscience" "Frontiers In Aging Neuroscience"な

COARとUniversity of Minho図書館、COAR NotifyがDSpaceプラットフォームで利用可能になったと発表 COARとUniversity of Minho図書館は、10月2日、COAR Notify※の機能がDSpaceプラットフォームで利用可能になったと発表した。 現在、DSpace 7.6およびDSpace 8を使用するすべてのリポジトリで本機能を利用できるという。 同機能を利用することで、リポジトリは他の対応しているプラットフォームにメッセージを送受信でき、関連リソースを相互リンクさせることができる。 本プラットフォームにおける同機能のユースケースとして、同プラットフォーム内の論文の著者が、外部の査読サービスやオーバーレイジャーナルに査読を依頼できることや、論文を他のリポジトリ内の関連する研究データセットと接続できることが挙げられている。 ※分散型リポジト

Elsevier社は、10月3日、THE（Times Higher Education）とのパートナーシップを延長すると発表した。契約は2030年まで。 同社とTHEは、2014年にパートナーシップを開始。THEが提供するWorld University Rankings（世界大学ランキング）やImpact Rankings（インパクトランキング）のための分析データとして、THEは同社のScopusデータベースと研究分析ツールSciValを採用している。 ［ニュースソース］ Elsevier and Times Higher Education Agree New Partnership － Elsevier 2024/10/03 (accessed 2024-10-08) ［小欄関連記事］ 2018年01月29日　英国：THE、世界大学ランキングでエルゼビア社との業務提携契約を継続

ResearchGateは、10月3日、Taylor & Francis社とのパートナーシップを拡大すると発表した。 ResearchGateの"Journal Home"※を通じてアクセス可能となるジャーナルが18誌追加される。 追加されるのは、同社のExpert Medicineコレクションの一部である"BioTechniques" "Future Oncology"など16誌、および、同社が2024年3月に買収したPeerJのジャーナルから"PeerJ Life & Environment" "PeerJ Computer Science"の2誌。 ※専用のジャーナルプロファイルを作成し、ネットワーク上でのアクセスや関連ページでの強調表示などを可能にする機能。 ［ニュースソース］ ResearchGate and Taylor & Francis further expand Jou

OA Switchboardは、10月4日、BMJ（British Medical Journal）Groupとの連携を発表した。 これにより、BMJ Groupの全ジャーナルに論文がOA（オープンアクセス）出版されると、OA Switchboardに参加する機関や助成機関に自動的かつリアルタイムに通知される。 OA Switchboardは、BMJ Groupの拡大するOAジャーナルポートフォリオへの出版について透明性のある報告を行うために、本連携が不可欠であるとしている。 ［ニュースソース］ News: BMJ Group now connected to OA Switchboard － OA Switchboard 2024/10/04 (accessed 2024-10-09)

PLOS、オープンサイエンスの実践に関する指標"Open Science Indicators"の2024年4月～6月のデータを追加した最新のデータセットを公開 本データセットには、2018年1月～2024 年6月までに公開されたPLOS の全研究論文と、PLOS以外のジャーナルで公開されている研究論文の比較セット、計14万1864件が含まれている。 本データから、2018年、2020年、2022年、2024年のそれぞれ1月～6月について、プレプリント、データ、コードを作成および共有した論文の割合を提示。そのうち、2024年のPLOS論文におけるプレプリントとコードの作成率がそれぞれ96%と37%であったことを示している。 プレプリント、データ、コードのうち作成された成果を全て共有した論文の割合は、PLOSでは2022年から2024年にかけてほぼ同じであったのに対し、比較セットでは増加した

EBSCO社、全文コンテンツ対応のデータベース"Inspec with Full Text"をリリースしたと発表 EBSCO社は、10月8日、全文コンテンツ対応のデータベース"Inspec with Full Text"をリリースしたと発表した。 IET（Institution of Engineering and Technology、英国工学技術学会）と共同で構築した本データベースは、Inspecデータベースの索引や分類に全文テキストを統合したもの。包括的な抄録、索引、全文コンテンツに1つのリソースからアクセスできるようになる。 Inspec with Full Textは、天文学、コンピュータサイエンス、電気工学など、幅広い分野を網羅。1,500誌以上のジャーナルの全文コンテンツ、500社以上の出版社からの論文抄録のほか、プレプリント、図書、学位論文などが収録されているという。 ［ニ

ResearchGate、Jaypee Brothers Medical Publisher社とパートナーシップを締 ResearchGateは、10月8日、Jaypee Brothers Medical Publisher社※1とパートナーシップを締結したと発表した。 これにより、同社の完全OA（オープンアクセス）ジャーナル10誌に新規に出版された論文のVoR（Version of Record）が、ResearchGateの"Journal Home"※2を通じてアクセス可能となる。 ※1 インドを拠点とする出版社。健康科学分野のジャーナルや図書を出版している。 ※2 専用のジャーナルプロファイルを作成し、ネットワーク上でのアクセスや関連ページでの強調表示などを可能にする機能。 ［ニュースソース］ ResearchGate and Jaypee Brothers Medical Pub

Taylor & Francis社とDataSeer、オープンリサーチの促進を目的とした2つのパイロットプロジェクトを開始すると発表 Taylor & Francis社とDataSeerは、10月14日、オープンリサーチの促進を目的とした2つのパイロットプロジェクトを開始すると発表した。 1つ目は、ジャーナル編集における、研究データ共有ポリシーのチェックの自動化に関するプロジェクト。同社やF1000のポートフォリオから3つの異なるデータ共有ポリシーに照らして論文を評価し、既存のマニュアルのチェックリストと比較して自動化がどの程度機能するかを判断する。 2つ目は、オープンサイエンスの測定に関するプロジェクト。同社が出版した5,000件の論文について、DataSeerが提供するオープンサイエンス指標"Open Science Metrics"を用いたオープンサイエンス実践に関する初期分析を行う