去る11月13日、長谷部恭男東大教授は国会で自民党推薦の参考人として特定秘密保護法に賛成の意見を述べた。安倍政権が視野に入れる集団的自衛権の行使容認にも、憲法改正にも反対の立場の長谷部さんが、よりによってなぜ安倍政権に力を貸すのかと波紋が広がっている。真意を聞いた。 ――もしかして、「御用学者…
【阿部峻介、岡本玄】大阪府警堺署での虚偽調書問題で、当時の署長と副署長が、真相を明かした報告書を受け取り、経緯を把握しながら黙殺していたことが朝日新聞の取材でわかった。報告書を作成した警察官2人は提出後、虚偽調書に沿って、公務執行妨害罪などに問われた男性被告の公判で偽証。捜査当局もこれを把握しており、署長らについて、虚偽調書作成を指示した警部補の不正行為を隠した犯人隠避容疑などでの立件を視野に慎重に捜査を進めている。 関係者によると、今回新たに存在が明らかになったのは、偽証した留置管理課の男性巡査長(33)と男性巡査(25)が署長と副署長へ提出した報告書。最初の虚偽調書を取り繕うために書かれた二つ目の虚偽調書作成から2日後の昨年12月17日に提出された。 この報告書で2人は、最初に虚偽調書作成を指示したのが、上司にあたる警部補と明らかにしていた。警部補の指示は一連の虚偽調書の中では一貫して
虚偽調書作成と偽証問題の構図虚偽の調書が作られたとされる大阪府警堺署=堺市堺区 留置場で起きた公務執行妨害事件の対応が適切だったと装うため、大阪府警の複数の警察官が虚偽の調書を作っていたことが朝日新聞の取材で分かった。事件で起訴された被告の裁判で、警察官2人が虚偽調書に沿って事実と異なる証言をしたとして、審理がやり直される事態になっている。府警は組織的な隠蔽(いんぺい)工作の可能性があるとみて、大阪地検と連携して虚偽有印公文書作成・同行使と偽証の容疑で捜査を始めた。 疑問にも「ええんや」 相次ぐ不祥事を受け、警察庁は昨年8月に「組織的隠蔽の根絶」などを柱とした防止策を打ち出した。今回の問題はこれ以降に起きており、警察の隠蔽体質の根深さが改めて浮き彫りになったといえる。 関係者によると、昨年12月2日、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、堺署に勾留されていた男性(40)が留置場で騒いだ。男
【石橋亮介】生活保護を受けていた夫婦が北海道滝川市から介護タクシー代約2億4千万円を不正受給した事件をめぐり、市に損害を与えたのは当時の市長ら市幹部5人の責任だとして、市民169人が、5人に全額賠償させるよう市に求めた住民訴訟の判決が27日、札幌地裁であった。浅井憲裁判長は、当時の福祉事務所長と福祉課長の2人に「重大な過失があった」と認め、計9785万円の賠償を求めるよう市に命じた。 原告側によると、生活保護の不正受給をめぐる民事訴訟で、行政の過失を認める判決は異例という。 判決によると、滝川市は2006年3月〜07年11月、元暴力団組員の夫(47)=詐欺罪などで懲役13年が確定=と妻(42)=同8年が確定=に対し、生活保護受給者が通院時に支給される通院移送費として、通院の実態がないのに、約85キロ離れた札幌市への介護タクシー代として1回20万円以上、計2億3886万円を支給した。 続
「千葉都民」を乗せて走る北総鉄道。ニュータウン開発の誤算とバブルのつけを背負い、高額運賃が続く=千葉県鎌ケ谷市の新鎌ケ谷駅北総鉄道に乗る石垣理生さん。高校時代から高い運賃に悩まされてきた=千葉県白井市北総線の路線図 【佐藤清孝】東京都東部と千葉県北西部をつなぐ北総鉄道の運賃は高すぎる――。沿線のニュータウン住民らがそう訴え、国を相手に上限運賃の認可取り消しを求めた行政訴訟の判決が26日、東京地裁で言い渡される。高校と予備校への通学で4年間乗り続け、「おかしい」と提訴に踏み切った男子学生も原告の一人。「高い運賃に待ったがかかれば」と願う。 「なんでこんなに高いの?」。沿線の千葉県白井(しろい)市に住む石垣理生(みちお)さん(19)は高校入学後、別の鉄道を使う友人の通学定期券と見比べ、首をひねった。 通学路線は北総鉄道の千葉ニュータウン中央駅から新鎌ケ谷駅を経て、京成電鉄の千葉中央駅まで
【青池学】神奈川県が2001年に独自の条例で導入した「臨時特例企業税」は違法だとして、同県内に工場を置く「いすゞ自動車」(本社・東京)が納税した約19億円の返還を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は21日、「条例は無効」と認め、全額の返還を県に命じる判決を言い渡した。「有効」とした二審・東京高裁判決を破棄し、県の全面敗訴が確定した。 自治体の独自課税が最高裁で違法・無効とされたのは初めて。条例は09年に廃止されたが、この課税により、県には約480億円の税収があった。判決を受け、他の企業からも返還請求が相次ぐことになれば、県は100億円単位の返還を迫られる可能性がある。 地方税法では、企業は利益が出ても過去の赤字分と相殺することが可能で、法人事業税がゼロになる企業も多かった。だが、企業税は税収を安定させるため、単年度で利益が出れば、課税できる仕組みだった。訴訟では、企業税を課
【小松隆次郎】「一票の格差」が最大で2・43倍となった昨年12月の衆院選をめぐり、弁護士グループが「法の下の平等を定めた憲法に違反する」として選挙の無効(やり直し)を求めた訴訟で、東京高裁(難波孝一裁判長)は6日、選挙を違憲とする判決を言い渡した。ただ、選挙無効の請求については棄却した。 この訴訟では、東京1区の選挙が対象になっていた。2つの弁護士グループが全国に14あるすべての高裁・支部に提訴した一連の訴訟で、判決は初めて。東京1区を含めて計31選挙区が対象となっており、27日までに判決が出そろう。その後、年内にも最高裁が判断を統一する判決を言い渡し、確定する見通しだ。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら
東京電力福島第一原発事故による風評被害で売り上げが減ったとして、首都圏を中心に和牛レストラン「肉の万世」などを展開する万世(東京都千代田区)が東電を相手に、約2億3400万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが分かった。 訴状によると、万世は2010年3月期に約1億8900万円の純利益を計上していたが、原発事故以降、売り上げが減少。12年3月期は約8200万円の赤字になったという。 牛肉の仕入れ先が福島県を含む東北地方と栃木県だけで約7割を占めており、福島県白河市内に牧場があることも宣伝。店舗内の個室に「白河」や「白河亭」といった名前もつけていた。「赤字になったのは放射能で汚染されたという風評被害が原因で、急激な客離れが進んだ」と主張している。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝
兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐり、事件とは関係のない女性の写真が角田美代子被告(64)=傷害致死罪などで起訴=のものとして複数のメディアに報道された問題で、新聞やテレビ各社は30日深夜から31日昼にかけて相次いで誤りを認め、紙面や放送でおわびを表明した。 読売新聞は31日付朝刊の社会面で「角田美代子被告の顔写真として、別の方の写真を誤って掲載していました。本人確認が不十分でした」とするおわび記事を掲載。発覚の経緯について、角田被告側の弁護人から本人ではないという指摘があり、女性からも抗議があったとした。 共同通信は31日午前、加盟社に対し、おわびの記事を配信した。吉田文和編集局長が「絶対にあってはならないミスです。複数の関係者から証言を得ていましたが、結果的に確認が不十分でした。取材を検証し、再発防止に努めます」との談話を出した。 産経新聞は大阪本社発行の紙面では写真を使っていない
関連トピックス地震原子力発電所東京電力 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局は9月から、業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発があった東電幹部や政府関係者に対する捜査を、本格的に始める模様だ。関係先に資料提出を求めて分析したうえ、関係者への事情聴取を慎重に進め、今年度内にも刑事立件の可否を判断するとみられる。 今月初めに告訴・告発を受理したのは東京、福島、名古屋、金沢の4地検。検察内部で調整した結果、東京都内に関係者が多く、事故現場のある福島県内に告訴・告発をした被災者が多いことから、東京、福島の両地検を中心に捜査態勢を組むことにしたとみられる。資料が膨大で関係者の人数も多いため、両地検には各地から応援検事も集める模様だ。 告訴・告発されているのは、東電側では勝俣恒久前会長など経営陣と安全対策の責任者らで、「地震や津波の危険が指摘されていたのに安全対策を取らなかった」などと指
京都市のコンピューターシステム開発会社「エーディーディー」でシステムエンジニアをしていた男性(34)が、「裁量労働制を適用されたのは不当」として、同社に未払いの残業代などを求めた訴訟で、京都地裁(大島真一裁判官)は31日、残業代については請求通り1135万円の支払いを同社に命じる判決を言い渡した。 裁量労働制では、専門性の高い職種などを対象に一定の時間を「働いた時間」とみなし、残業代は支払われない。判決は、ソフトの設計にあたる従業員らは専門知識が必要で裁量労働制の適用も認められると指摘しつつ、納期やノルマを定められていた原告の男性の業務にあてはめるのは不当と判断。記録が残る2008年以降、残業時間は計552時間になると認定した。 判決によると、会社側は専門性があるとして仕事の進め方を男性に委ねる一方で、1日の労働時間は8時間とみなし、超過分の残業代を支給しなかった。(村上晃一)
印刷 仙台地裁前に集まった遺族たち=14日午前10時54分、仙台市青葉区、小宮路勝撮影常磐山元自動車学校の送迎車のルート 東日本大震災の津波で宮城県山元町の常磐山元自動車学校の教習生25人(18〜19歳)が死亡した事故で、遺族が14日、学校を経営する会社と経営者ら10人を相手取り、計約19億円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。大津波が予見できたのに、海に近い校内に教習生を約1時間待機させたなどと主張している。 東日本大震災の遺族が学校などの管理責任について起こした損害賠償請求訴訟は、同県石巻市の幼稚園の送迎バスに乗っていた園児5人が死亡した事故に続き2件目。 訴えたのは25人全員の遺族46人。訴状によると、3月11日の震災後、学校側は教習生を敷地内に待機させ、教習再開を協議した。約1時間後、停電したため教習中止が決まり、教習生約40人が送迎車7台に分乗して順に出発した。うち
印刷 宮城県石巻市の幼稚園の送迎バスが東日本大震災による津波に巻き込まれて園児5人が死亡した事故で、遺族が園側に計2億6689万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が11日、仙台地裁で開かれた。園側は争う姿勢を示した。 訴えたのは園児4人の遺族。訴状によると、バスは3月11日午後3時ごろ、高台の日和幼稚園を出発。午後3時45分ごろに津波に遭い、その後に火災も発生して、5人が犠牲になった。 遺族の代理人は法廷で、「『千年に一度』や『想定外』を免罪符とせず、子どもを預かる幼稚園の責任について十分に審理してほしい」と述べた。 続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます関連リンク津波で送迎バスの園児死亡、4遺族が園側提訴(8/10)「津波予想できた」園児遺族ら提訴へ 幼稚園バス事故(8/6)〈時事通信〉「連れて帰ってくっから」=約束守れなかった祖母−5人死亡の幼稚園・宮城(5/21)
印刷 関連トピックス原子力発電所東京電力 東京電力の広瀬直己常務は30日、原発事故の損害賠償請求書の記入を助ける手引をつくり、10月初旬に被害者へ送ることを明らかにした。東電が作成した請求書は60ページ近く、案内冊子も156ページと分厚い。被害者から批判が出ているが、東電は請求書を簡略化せず、手引で対応する。 手引は1、2ページ程度。「避難先は避難所か、ホテルか」「一時帰宅時に家財道具を持ち出したか」など10項目ほどの質問を設け、該当する選択肢をチェック。そのうえで東電から窓口や電話で説明を受けながら、請求書に記入する。説明要員は現在の600人を1700人に増やす。 広瀬常務は「社内での手続きや機械処理を考えてつくり、記入する側に思いをはせることができなかった」と釈明した。
印刷 関連トピックス地検特捜部 大阪地検特捜部の不祥事を受けた検察改革の一環として、検察の使命や役割を内外に示すために最高検が設ける「検察基本規程」の原案が判明した。「無実の者を罰しないように」「証拠の冷静な評価と管理を」……。検察官にとって当然の項目ばかりだが、改めてうたわなければならないところに、今の検察の苦境が見える。 検察には、国家公務員としての服務規律以外に、職務上の行動基準を明文化したものはなかった。法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」が3月にまとめた提言の中で、「倫理規程」の策定を求め、江田五月前法相が笠間治雄・検事総長に指示。検察職員から最高検が意見を募り、原案をまとめた。外部の有識者に示し、今月28日に全国の検察幹部を集めた会議にはかってから公表する予定だ。 原案は、総論的な基本理念に加え、捜査・公判の実務にあたるうえでの10項目の心構えで構成される。 基本
印刷 福岡県警が威力業務妨害容疑で逮捕した暴力団幹部について20日間勾留したものの、福岡地検直方支部が、勾留中に一度も取り調べないまま処分保留で釈放していたことが分かった。刑事訴訟法は検事調べを義務づけていないが、ずさんな捜査との指摘もある。 捜査関係者によると、指定暴力団太州会系の男性組長(59)は先月11日、同県小竹町の河川敷に置いてあった重機に砂を入れて故障させ、建設会社3社の業務を妨害したとして、共犯者3人とともに逮捕された。組長は容疑を否認し、残りの共犯者全員は認めた。同支部は1日、組長については処分保留で釈放する一方、共犯者3人を福岡地裁直方支部に起訴した。 担当検事は三田村忍・同地検支部長(40)。捜査関係者によると、三田村支部長がこの事件で組長と会ったのは、刑事訴訟法に基づいて送検後の勾留前に組長から容疑についての弁解を聴く「弁解録取」があった8月12日のみ。そ
印刷 関連トピックス地検特捜部小沢一郎 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」による土地取引事件の捜査を主導した大鶴基成・最高検公判部長(56)が1日付で辞職した。東京地検特捜部長や同地検次席検事などの要職を歩んだ幹部が、定年(63歳)まで7年近くを残して去るのは異例だ。 大鶴氏は特捜部副部長として日本歯科医師連盟事件の捜査を指揮。2005年4月の特捜部長就任後は、旧ライブドアの粉飾決算事件や村上ファンドによるインサイダー取引事件を手がけた。 特捜部による昨年初めの陸山会事件の捜査は、最高検検事として指導。小沢氏本人の立件を目指したが、元秘書3人の起訴にとどまった。その後、東京地検次席検事、最高検公判部長に異動したが、昨年から辞職の意向を漏らしていたとされる。 辞職の真相は不明だが、検察内部には「現場に近い立場で小沢氏立件に向けて積極的に捜査を進めたが、検察上層部と対立があ
捜査対象の美容外科に情報を漏らしたとして逮捕された警視庁捜査1課警部の白鳥陽一容疑者(58)は、2001年に東京女子医大病院で起きた医療事故の捜査も担当していた。この事故で業務上過失致死罪に問われ、その後無罪判決を受けた佐藤一樹医師(47)が22日までに時事通信の取材に応じ、「強引にストーリーを押し通そうとするタイプだった」などと、当時の同容疑者について語った。 佐藤医師は東京女子医大病院に勤務していた01年3月、小学6年の女児の手術中に人工心肺装置の操作を誤り、3日後に死亡させたとして起訴された。同医師のミスが事故原因とする病院側の内部報告書を基に捜査が行われたが、公判では否定され、無罪が確定。病院側も報告書の誤りを認め、謝罪した。 当時警部補だった白鳥容疑者はこの捜査の中心人物で、佐藤医師の事情聴取にもほぼ毎回姿を見せていた。佐藤医師は「報告書の内容を信じ込んでいる様子で、否定する
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