【阿部峻介、岡本玄】大阪府警堺署での虚偽調書問題で、当時の署長と副署長が、真相を明かした報告書を受け取り、経緯を把握しながら黙殺していたことが朝日新聞の取材でわかった。報告書を作成した警察官2人は提出後、虚偽調書に沿って、公務執行妨害罪などに問われた男性被告の公判で偽証。捜査当局もこれを把握しており、署長らについて、虚偽調書作成を指示した警部補の不正行為を隠した犯人隠避容疑などでの立件を視野に慎重に捜査を進めている。 関係者によると、今回新たに存在が明らかになったのは、偽証した留置管理課の男性巡査長(33)と男性巡査(25)が署長と副署長へ提出した報告書。最初の虚偽調書を取り繕うために書かれた二つ目の虚偽調書作成から2日後の昨年12月17日に提出された。 この報告書で2人は、最初に虚偽調書作成を指示したのが、上司にあたる警部補と明らかにしていた。警部補の指示は一連の虚偽調書の中では一貫して