北海道のプラスチック製品市場に異変が起きている。年末のアイリスオーヤマ北海道工場の稼働をにらんで、早くも価格下落が始まったのだ。園芸用品、ペット用品の業界関係者にとって、アイリスオーヤマは既存の秩序を壊す厄介者だ。参入した商品、進出した地域では必ず値崩れが起こる。だれもがそう信じ、次の一手に神経をとがらす。「まるで、『オオカミが来たぞ』と大騒ぎした少年の話のようだ」。アイリスオーヤマの社長、大山健太郎はこう言って苦笑する。 全国的な知名度こそいま一つだが、仙台市に本社を置くアイリスオーヤマは、独立系メーカーとして東北最大級の規模を誇る。1993年12月期の売上高は360億円。83年から10年間で実に33倍の急成長を遂げた。 同業者が「価格破壊者」と恐れるアイリスオーヤマの最初のヒット商品は、81年発売の園芸用プラスチック鉢だ。従来の素焼きの鉢をプラスチックに代替すれば、もっと手軽に園芸を楽