1966年に静岡県警に袴田巖さんの写真を持ち去られた女性のもとに、2025年2月19日、県警から「写真は探したがなかった」と電話がありました。袴田巖さんをめぐっては、1966年に静岡県旧清水市で一家4人を殺害したと…

静岡県警に持ち去られた思い出の写真が「見つからなかった」と伝えられ、ずさんな管理による紛失ではないかと悔しがる渡辺昭子さん(左)=19日午前、静岡市清水区 現在の静岡市清水区で1966年にみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件を巡り、静岡地裁の再審で無罪となった袴田巌さん(88)と家族ぐるみで親しくしていた渡辺昭子さん(90)=同区=が事件直後に県警の警察官に自宅から袴田さんの写真を持ち去られたとして返却を求めている問題で、県警は19日、渡辺さんに「探したが、写真は見つからなかった」と回答した。渡辺さんは「あまりにいいかげんで無責任。大事な写真だったので、悔しい」と肩を落とした。 渡辺さんと長男の秀昭さん(64)によると、同日午前に県警刑事企画課の担当者から電話で「ありそうな所を全部探したが、なかった」と伝えられた。当時、渡辺さん方を訪ねた複数の捜査員は調査で判明したものの、存命の1人
再審=やり直しの裁判で無罪が確定した袴田巌さんと親交があった静岡市の90歳の女性は、59年前の事件発生直後に自宅を訪ねてきた警察官たちに、アルバムに貼っていた袴田さんの写真を持ち出され、いまも返却されていません。 返却を求めてきた女性に対し、警察が19日、「写真が保管されている可能性のある場所をすべて探したがなかった」と回答したことがわかりました。 女性は「検察と警察には謝罪など、しかるべき対応をしてもらいたい」としています。 静岡市清水区の渡邉昭子さん(90)は、59年前に一家4人が殺害される事件が起きる以前から、袴田巌さん(88)と家族ぐるみでの親交があり、一緒に海水浴や遊園地に行くなど交流を深めていました。 渡邉さんによりますと、事件の発生から数日後に捜査で自宅を訪ねてきた警察官たちが、アルバムに貼られていた袴田さんの写真をはがして持ち出し、袴田さんの無罪が確定したいまも返却されてい
再審=やり直しの裁判で袴田巌さんに無罪を言い渡した判決に対し、検察トップの検事総長が「多くの問題を含む到底承服できないものだ」とした談話をめぐり、弁護団が「袴田さんを犯人視するもので名誉毀損にあたる」として、国に賠償を求める訴えを起こす方針を固めたことが分かりました。 59年前の1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件の再審で、静岡地方裁判所は去年9月、袴田巌さん(88)に無罪の判決を言い渡しました。 この判決に対し、最高検察庁の畝本直美検事総長は談話を発表し「判決は多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容と思われる」とした一方で、袴田さんの法的地位が長期間にわたり不安定な状況に置かれてきたなどとして、控訴しないと表明しました。 この談話について袴田さんの弁護団は、これまでに抗議の声明を発表していましたが、12日に都内で会議を開いて今後の
これからも何度でも利用して、加害者に問いかけたい──。2023年12月にスタートした「心情等伝達制度」。25年前に娘を殺された横浜市の男性は、受刑中の加害者に心情を伝えることのできるこの制度を利用し、遺族の苦しさを伝えた。加害者から返ってきたのは、「過去をなかったことにしたい」という身勝手な言葉。心ない返答に傷つけられても制度の利用を続けるのはなぜなのか。別の被害者遺族である大阪府の男性は、加害者本人ではなく、刑務官などに心情を伝える活動を独自に行ってきた。それはなぜなのか。犯罪被害者の遺族と、遺族の声に耳を傾けてきた保護観察官に話を聞いた。(取材・文:藤井誠二/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 2023年12月にスタートした「心情等伝達制度」は、刑務所等で受刑中の加害者に、被害者やその家族・遺族が、問いかけやメッセージ(心情等)を伝えることができる制度だ。 法務省の発表によ
59年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で、無罪が確定した袴田巌さんが、47年7か月にわたって不当に身柄を拘束されたとして、29日、国に2億1700万円余りの補償金を請求したことが弁護団への取材でわかりました。 1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で、一度死刑が確定していた袴田巌さん(88)は、静岡地方裁判所の再審で去年10月に無罪が確定しました。 刑事補償法では、刑事事件で身柄を拘束された人が無罪になった場合、1日あたり1万2500円を上限に国に補償金を請求できますが、袴田さんは長期間収容された影響で、意思の疎通が難しい状態が続いています。 このため、姉のひで子さんの申し立てで成年後見人に選ばれた弁護士が、袴田さんが2014年に釈放されるまで47年7か月にわたって不当に身柄を拘束されたとして、29日、2億1700万円余りの補償金を静岡地裁に請求し
「大川原化工機」を巡る冤罪事件で、調書を破棄したなどとして書類送検された当時の警視庁捜査員らが不起訴になったのは不当だとして、「大川原化工機」側が検察審査会に審査を申し立てました。 機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人は不正輸出をしたとして逮捕・起訴されましたが、起訴が取り消されました。 捜査に携わった当時の警視庁公安部の捜査員3人は去年11月、取り調べ中に作成した調書を破棄したなどの疑いで書類送検されましたが、その後、不起訴処分となりました。 大川原化工機側は今月17日、このうち2人について不起訴処分が不当だとして、検察審査会に審査を申し立てました。 大川原化工機側は「警察犯罪について、公正な司法判断が行われる機会を不当に奪うもので許されるべきではない」としています。 申し立てが受理され、審査の結果、「起訴相当」や「不起訴不当」の議決が出た場合には検察による再捜査が行われます。
横浜市の化学機械メーカーの社長など3人が不正輸出の疑いで逮捕され、その後無実が明らかになったえん罪事件をめぐり、取り調べの調書を破棄した疑いなどで書類送検された当時の警視庁公安部の捜査員3人について、東京地方検察庁はいずれも嫌疑不十分で不起訴にしました。 横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長など3人が不正輸出の疑いで逮捕・起訴されたあと無実が明らかになった、えん罪事件をめぐり、当時の警視庁公安部の捜査員3人は、それぞれ元取締役の男性の取り調べ中に作成した「弁解録取書」という調書を裁断機で裁断した公用文書毀棄の疑いや、虚偽の捜査報告書を作成するなどした疑いがあるとして、メーカー側から刑事告発され、警視庁が2024年11月に書類送検していました。 東京地方検察庁は、当時の捜査員3人について8日、いずれも嫌疑不十分で不起訴にしました。 メーカー側は捜査員が事実と異なる「弁解録取書」を故
「大川原化工機」の社長ら幹部が外為法違反罪などの起訴を取り消された事件で、東京地検は8日、虚偽の文書を作成したなどとして刑事告発され、虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで書類送検された警視庁公安部元捜査員の男性3人を嫌疑不十分で不起訴にした。故意などの認定が困難と判断したとしている。告発した同社側は不服として検察審査会に審査を申し立てる方針。 同庁などによると、3人は捜査当時、警部と警部補、巡査部長で、警部は既に退職した。 巡査部長の書類送検容疑は2019年5月、同社の「噴霧乾燥装置」に関する温度実験で、うその捜査報告書を作成した疑い。退職した警部と警部補は20年3月、同社元取締役島田順司さんの言い分を聞き取る弁解録取書を裁断した上、過失で破棄したとする虚偽の報告書を同庁に出すなどした疑いで書類送検されていた。 大川原化工機側が24年に告発した。告発状によると、島田さんは警部補に弁解録取書
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁が2023年、捜査の違法性を指摘する公益通報を3件受けたにもかかわらず、通報者に調査の可否を3カ月以上、通知しなかったことが判明した。公益通報の調査の可否は、受理から20日以内に通報者に伝えるものと解されており、有識者は公益通報者保護法の趣旨に反すると指摘する。 また、警視庁は調査の着手時期や進行状況について、通報から1年以上たった今も通報者に伝えていない。有識者には、調査をしていない可能性を指摘する声もある。 ファクスされた32枚の「内部告発」 関係者によると、3件の公益通報は23年10~11月、警視庁の警察官が内部通報窓口にファクスで送信した計32枚の文書。 冒頭に「大川原化工機事件捜査について、法令違反があったので、内部通報を行います」と記されていた。 内容は①大川原化工機の同業者の聴
警視庁人事1課が通報者に対し、1件目の公益通報を受理したことを伝えた2023年10月19日のメール。「詳細を確認する必要がある」として電話連絡を求めた=遠藤浩二撮影 化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁人事1課が2023年、匿名で公益通報をした警視庁の警察官に対し、身分を明かすよう執拗(しつよう)に迫っていたことが判明した。公益通報者保護法は、公益通報を匿名でも可能としており、有識者は「実名を明かすよう強要し、通報者を特定しようとすることは法の趣旨に反する」と指摘する。 強情な人事1課 問題となった公益通報は、警察官が23年10月18日、警視庁の通報窓口にファクスで送信した文書。大川原化工機に対する捜査で、警視庁公安部の捜査員に刑法犯に当たる行為があったと指摘する内容だった。 通報者の警察官は匿名で、連絡先として私有のメールア
有罪が確定した裁判をやり直す再審制度について、法務省が2025年春にも見直しの検討を始める方針を固めたことがわかりました。 58年前に当時の静岡県清水市で起きた強盗殺人放火事件で無罪が確定した袴田巖さんをめぐっては、裁判のやり直しの開始が決まるまでに40年以上もの時間がかかりました。 いわゆる再審は冤罪による被害者を救うための制度ですが、袴田さんの事件などを通して改めて審理の長期化が指摘されています。 このため、法務省は再審の在り方について2025年春にも法制審議会に諮問し、見直しを検討する方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。 再審制度は1948年に制定されて以来、これまで一度も改正されていません。
大川原化工機事件や袴田巌の無罪確定など冤罪事件が続いている原因として、日本の人質司法への批判が高まっている。長期勾留や自白の強要に近い取り調べ──日本で逮捕されると、被疑者はどんな扱いを受けるのか。他の先進国との違いを英誌「エコノミスト」が指摘する。 出世欲から事件を「捏造」 2020年、横浜市にある化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人が逮捕された。容疑は、生物兵器に転用可能な機器を中国へ輸出したというものだった。 3人は約11ヵ月間勾留された。5回の保釈請求は、いずれも裁判官によって却下された(6回目で許可)。捜査官たちは罪を認めれば釈放するとほのめかしたが、彼らは応じなかった。 1人は勾留中に胃がんが見つかり、適切な治療を受けられないまま亡くなった。最終的に全員の無実が証明された冤罪事件である。 この事件は、日本の刑事司法制度が抱える根深い問題を浮き彫りにしている。それは被疑者
38年前、福井市で女子中学生が殺害された事件で、殺人の罪で服役した59歳の男性の再審=裁判のやり直しを認めた名古屋高等裁判所金沢支部の決定について、検察は異議申し立てをしないことを明らかにしました。これにより、男性が最初に再審を求めてから20年を経て、やり直しの裁判が開かれることになりました。 1986年に中学3年の女子生徒が福井市の自宅で殺害された事件で殺人の罪で懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(59)について、名古屋高裁金沢支部は今月23日、再審を認める決定を出しました。 決定では、有罪の決め手とされた目撃証言について、新たに検察から開示された証拠などをふまえ、「捜査機関が関係者に誘導などの不当な働きかけを行って証言が形成された疑いが払拭(ふっしょく)できず、信用できない」などと判断しました。 この決定について検察は28日、異議申し立てをしないことを明らかにしました。 判断
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