歳をとるほど、人生を経験するほど無口になって行く気がする。何故なのだろう。 たとえばだが、誰かが食べ物を食べている時に「それ美味しい?」と聞けば、何か答えが返ってくるだろう。 だがそんなことを聞いても、だいたい予想の範囲内の会話にしかならないと考えてしまう。きっと退屈するに違いない。そう思うと、まず話すこと自体をやめてしまう。 会話を始める前から、事前に反応を予測してしまい、退屈してしまうという悪癖だ。 本来雑談というものは、他愛もない会話から、思いもよらない話題に発展するものだろう。なので、事前に答えを予測しすぎずに、何でも話してみたら良いではないか。 だが、それで思いのほか話が盛り上がり、もし馬鹿笑いさえできたとしても、一体それが何だというのだろう。 たとえどんな会話をしても、それは人生のどこかで経験したような会話であり、そこで起こる感情も、何ら目新しいものではない。 人生において、だ