<カーボンニュートラル実現に欠かせない「グリーン水素」を使い、100%再エネで使用電力のすべてを賄うソリューションを、パナソニックが英国の自社工場に導入> 世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。 「3電池連携」で施設の稼働に必要な電力を100%再エネで賄う 150を超える国と地域が2050年という目線で表明しているカーボンニュートラル(脱炭素化)。その一翼を担うものとして期待されている動力源の一つが、燃焼時に二酸化炭素など温室効果ガス
「大気からのCO2除去」は、温暖化対策にあまり意味がなさそう2024.12.06 21:3017,893 Kenji P. Miyajima あー、やっぱりそうだよね…。 現在、世界各地で気候変動対策に不可欠とされる直接空気回収(DAC)施設が稼働していますが、現時点で回収可能なCO2の量は、年間で4万トン。世界の年間CO2排出量に対して、これはたったの30秒分にすぎません。 今回、そういった事情も踏まえて、やっぱりDACは宣伝されているよりも大気中のCO2を減らせそうにないという、なんとなくわかっていた厳しい現実を突きつける研究結果が発表され、そのなかでDACが直面している工学的な問題を指摘しています。 DACの現状パリ協定が掲げる、今世紀末までの気温上昇を産業革命前比で2度未満に抑え、できる限り1.5度未満を目指すという国際的な目標を達成するために必要不可欠な技術とされるのが、大気中か
北海道大(札幌市)のキャンパスの一角にある畑。一面に育った飼料用のトウモロコシが黄色の実をつけ、収穫時期を迎えていた。 これは「二酸化炭素(CO2)を回収する畑」だという。当真要教授(土壌学)らの研究チームが作った。 見た目は普通の畑だが、細かく砕いた粉状の玄武岩が、土の中にたくさん含まれている。仕組みはこうだ。 同時公開の記事があります。 ◇ゼロ成長でも豊かさ実現できる 「定常化社会」提唱者が示す道しるべ ※『神への挑戦 第3部』連載スタート。テーマは気候変動。気温上昇にあらがう科学技術がもたらすのは…。地球沸騰の時代をどう生き抜くべきか考えます。 第5回 移住する気候難民 植物は葉からCO2を取り込んで光合成するが、その根や、根の周りの生物は呼吸をして逆にCO2を出す。根の中でCO2濃度が高まると、土の中の水分や玄武岩と化学反応し、カルシウムイオンや重炭酸イオンなどができる。 イオンは
温室効果ガスを微細な気孔に閉じ込める粉末「COF-999」が開発されました。大気中の二酸化炭素を削減し、気候変動を抑える効果が期待されています。 Carbon dioxide capture from open air using covalent organic frameworks | Nature https://www.nature.com/articles/s41586-024-08080-x Capturing carbon from the air just got easier - Berkeley News https://news.berkeley.edu/2024/10/23/capturing-carbon-from-the-air-just-got-easier/ This powder removes as much CO₂ from the air as a
連日の暑さでアイスが欲しくなる気候が続くが、ドライアイス不足で、持ち帰りのアイスが買えない事態が起こっている。7月下旬から大手のB―Rサーティワンアイスクリームがドライアイスの提供を制限し、SNS(ネット交流サービス)などに困惑の声があふれている。 「持ち帰り用のアイスが買えず、仕方なくその場で食べた」 福岡市の商業施設内にあるサーティワンを訪れた親子から、そんな声が聞かれた。サーティワンは7月24日以降、ドライアイスの提供を30分持ち運び分のみに制限し、店頭からなくなる場合もあると説明している。X(ツイッター)上には「ドライアイスが切れて持ち帰りを買えない」「30分でどうやって家まで持ち帰ればいいのか」といった投稿が続いた。
スイスの新興企業がアイスランドに建設した「直接空気回収技術」プラントのモジュール/Climeworks via CNN Newsource (CNN) アイスランドで8日、地球の温暖化につながる炭素をまるで巨大な掃除機のように大気から吸い出す「世界最大」のプラント「マンモス」が稼働を始めた。 マンモスは、スイスの新興企業クライムワークスがアイスランドに建設した二つ目の商業用「直接空気回収技術(DAC)」プラントだ。その大きさは、2021年に操業を開始した「オルカ」の10倍だ。 DACとは、空気を吸収し、化学物質を使って炭素を分離する技術。炭素はその後、地中深くに注入され、再利用されるか固形製品に変換される。 クライムワークスは、炭素を地下に輸送し、自然に岩石に変化させ、永久に貯留することを計画している。このいわゆる隔離プロセスについては、アイスランドの新興企業カーブフィックスと提携している
2050年ゼロカーボンシティ調布を目指す取組 目指す将来像 各種取組 施策一覧 各種補助制度 2050年ゼロカーボンシティ調布を目指す取組 近年、記録的な猛暑や集中豪雨などが頻発しており、地球温暖化の影響が要因とされる気象災害等の被害は深刻さを増しています。令和元年10月に発生した東日本台風(台風19号)は、国内各地に甚大な被害をもたらし、市内でも多摩川沿いでは大規模な浸水被害を生じました。 これまでに経験したことがない事象が地球規模で多発している状況は、もはや気候変動の域を超えて、「気候危機」に直面しているものといわれています。 調布市は、こうした気候危機の状況を市民、事業者の皆さんと共有し、将来に向けて安定した気候に育まれた生活や文化を継承していくため、令和3年4月、市議会と共同でゼロカーボンシティ宣言を行いました。 調布市の脱炭素に向けた取組の紹介と、市民、事業者の皆さんに活用いただ
【▲図1: 全球凍結した地球の想像図。 (Image Credit: Oleg Kuznetsov) 】 地球はその歴史の中で、表面全体が氷河に覆われる「全球凍結(スノーボールアース)」が何度か起こったと推定されています。しかし、なぜ全球凍結が起きたのか、またどのように “解凍” されたのかについてのメカニズムはほとんど分かっていません。 約7億年前に起こったとされる全球凍結レベルの極端な氷河期「スターティアン氷期」の発生原因を、地質記録とシミュレーションによって調査したシドニー大学のAdriana Dutkiewicz氏などの研究チームは、火山からの二酸化炭素放出量が少なくて岩石の風化による二酸化炭素の吸収が多かったために、大気中の二酸化炭素濃度が現在の半分以下まで減少したことが原因であると推定した研究成果を発表しました。興味深いことに、この状況は遠い未来に地球で起こる状況と似ています。
ENEOSは大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する技術の実証試験を始めた。再生可能エネルギー由来の水素とCO2を使って製造する「合成燃料」の実用化に向けて、安価で大量の原料CO2を調達するのが目的。今後1年程度をかけて、合成燃料の原料として使える品質・コストかどうかを検証する。(根本英幸) 合成燃料は水素とCO2、それに触媒を用いた合成反応により粗油を精製し、そこから石油化学製品の原料となるナフサやガソリン、ジェット燃料、軽油などに変換する。既存の自動車や航空機、さらにはインフラ設備をそのまま活用でき、低コストに脱炭素化できる点が強みだ。液体燃料であるため、長期備蓄や輸送が簡単というメリットもある。 今回の実証は、CO2調達の有効性を検証するのが目的。脱炭素社会に向けたCO2の削減は最重要課題で、当面は工場など産業排ガスからの回収で賄える。ただ、将来的にCO2を原料とする合成燃料や合成メタ
ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがるキブ湖。そのユニークな地質的特徴により、湖深くに膨大な量の二酸化炭素とメタンガスが蓄積しており、湖岸に住む数百万人の命を危険にさらしている。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND, NAT GEO IMAGE COLLECTION) ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがる緑豊かな渓谷にあるキブ湖は、見事な崖に囲まれている。湖上では漁師たちが小舟を浮かべ、歌に合わせて櫂(かい)を揃えて漕ぎながら、その日の食料を捕っている。だが、湖の深部は、そんなのどかさとは無縁の世界だ。 キブ湖は地質学的に特異な多層湖で、深い層は蓄積した二酸化炭素とメタンで飽和状態にある。このような湖は世界に3つしかない。残りの2つはカメルーンのニオス湖とマヌン湖で、どちらも過去50年の間に湖水爆発を起こして致死的なガスの雲を噴き上げ、人間や動物を窒息死させた。 1986
住友化学は愛媛工場(愛媛県新居浜市)で、二酸化炭素(CO2)からメタノールを高効率に製造するパイロット設備の運転を始めた。従来のCO2からメタノールを製造する技術に比べて、収率は2倍以上を実現する。2028年までに実証を完了し、30年代の事業化や他社へのライセンス供与を目指す。 同設備は島根大学と共同開発に取り組む内部凝縮型反応器を活用する。反応器内に冷却ゾーンを設けてメタノール気体を液化して減らし、より多くのCO2をメタノールに変換する仕組み。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業の助成を受けて建設した。 【関連記事】 大手化学メーカー、構造改革の行方
トップ Policy(提言・報告書) 環境、エネルギー グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて Policy(提言・報告書) 環境、エネルギー グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて (PDF形式/本文の目次は以下のとおり) 序 1.はじめに:気候変動を巡る状況とGX 2.2050年CNへの道筋 (1) ゼロエミッション電源の確保 (2) 電化の推進 (3) 次世代電力ネットワークの実現 (4) 熱源へのカーボンフリー水素・アンモニア・合成メタンの導入 (5) 生産プロセスの変革、革新的製品・サービスの開発・普及 (6) 材料におけるカーボンリサイクル、ケミカルリサイクルの推進 (7) ネガティブエミッション 3.2050年CN実現に向けた視点 4.2050年CNを実現するために必要な方策(GX政策パッケージ) (1) 「GX政策パッケージ」の全体像 (2) ロードマッ
「CO2排出源」が業界を挙げて対策に乗り出した(宝武鋼鉄の工場) QILAI SHENーBLOOMBERG/GETTY IMAGES <グリーン水素で排出ゼロへ。世界全体の温暖化対策のカギを握る「大気汚染大国」で新たな試みが進行中> 中国は2月6日付の「2022年中国気候公報」で昨年の平均気温が観測史上2番目に高く、春、夏、秋の気温は過去最高だったと発表した。 世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である中国がカーボン・フットプリント(CO2排出量)を削減しない限り、地球温暖化は緩和できない。なかでも脱炭素化のカギを握るのは製鉄部門。製鉄部門の年間排出量は中国全体の17%と電力部門に次いで2番目に多い。鉄鋼世界最大手の中国宝武鋼鉄集団の20年のCO2排出量はパキスタン全体の排出量を上回った。 中国の鉄鋼業界が排出量を削減するための選択肢は主に3つ。1つは従来の石炭ベースの溶鉱炉から、再生可能
GEPRSolar panels producing clean energy on a roof of a residential house during sunset 以前、カリフォルニアで設置される太陽光パネルは、石炭火力が発電の主力の中国で製造しているので、10年使わないとCO2削減にならない、という記事を書いた。 今回は、中国で製造した太陽光パネルが日本に設置されるとどうなるか、計算した結果を紹介しよう。(詳しい計算は、別途研究ノートにまとめたので参照されたい。) まず住宅用の場合、製造時に2190トンのCO2が発生する。これを使用することで、年間531トンのCO2が削減できる。すると4.1年で製造時のCO2が回収できることになる。なおここで削減できる電力のCO2排出係数は2020年の値である0.441kg-CO2/kWhを用いた。 次にメガソーラーの場合、製造時に3070トン
GEPRclean energy with pollution, roof solar panels reflected thermal power station exhaust steam 米国ブレークスルー研究所の報告書「太陽帝国の罪(Sins of a solar empire)」に衝撃的な数字が出ている。カリフォルニアで設置される太陽光パネルは、石炭火力が発電の主力の中国で製造しているので、10年使わないとCO2削減にならない、というのだ。 この報告書、分かり易い図が沢山あるので、それを用いてハイライトを紹介しよう。 まず基本。太陽光パネル製造には5つの段階がある: 5つの段階全ての生産量において、2021年には中国のシェアが圧倒的だ。とくにインゴットとウェハは殆どが中国だ: 中国は石炭を多用していて電気料金が低い。とくに新疆ウイグル自治区(Xinjiang)は電力量が大きく、大
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