反抗の原初形態―千年王国主義と社会運動 (1971年) (中公新書) 作者: E.J.ホブズボーム,青木保出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1971メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 編者あとがき(青木保)によると、1950年代後半に欧米で、いわゆる千年王国主義的運動についての重要著作が相次いで発表されてブームのようになったそうだ。 この本に収められているエリック・ホブズボームの諸論考も、その流れのなかで書かれたものらしい。 いまある社会が崩壊した後に、理想の王国(第三の帝国)が到来するという、古代からあるこの思想と運動が再考される場合、欧米ではやはりナチス・ドイツの存在が想起されたのではないかと思う。しかし、本書が中公新書から出版された1971年当時の日本で、そのような政治的危機意識が共有されていただろうか。 ホブズボームの議論と、本書に併録さ