【高山裕喜】すしやかつお節など、私たちの食生活になじみ深いマグロやカツオ。彼らが属する「サバ科」の起源をゲノムを使って調べたところ、約6500万年前に起こった大量絶滅をきっかけに進化が促されたらしいことが見えてきた。 マグロなどサバ科魚類は、水深200メートルより浅い「表層域」がおもな生息域だ。この広大なエリアに生息している遊泳性の魚類は約850種で、これまでに知られている全魚類(約3万種)の3%に満たない。 湖や島などと異なり、隠れ場が少ない均質な環境で、マグロのような魚がどのように現れて、進化を遂げてきたのかは大きな謎だった。