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  • 『響け!ユーフォニアム』が貫いた「原作改変」の美学|藤崎剛人

    (ネタバレあり) メディアミックス作品で「原作改変」をすることは、特に『セクシー田中さん』の痛ましい事件の後、極めてセンシティブな問題になっている。私はあの事件において実際に何があったのかを知りうる立場ではないが、テレビ局側がコミュニケーションの不足により作者を追い詰めたのは確かであり、責任は免れられないだろう。 一方で、「原作に忠実」であることはそんなに偉いのか、とはずっと考えている。特にアニメでは、過去作品のリメイク物を中心に、原作漫画の台詞の一字一句を変えずに映像化する作品が増えているが、それなら漫画読めばいいじゃんと思ってしまう。原作を別のメディアで新たに作品化することは、そういうことではないでしょうと。 韓国映画監督パク・チャヌクは、原作改変の名手だと思っている。『オールド・ボーイ』は原作漫画の設定以外はほぼ全てが改変され、オチまで原作と異なっているが、何も知らされないまま試写

    『響け!ユーフォニアム』が貫いた「原作改変」の美学|藤崎剛人
  • 映画『きみの色』の畏れと慄き|藤崎剛人

    映画『きみの色』を観てきた。 地方の屈がテーマの一つなのだが、四方を囲まれた京都や飛騨ではなく、長崎県という地域を選んだのは絶妙だなあと思いながら観ていた。山に囲まれてはいるのだが、海という脱出経路がある。しばらくは曲がりくねった湾や離島の間を進むとしても、その先は無限に広がっている。それが救済なのだ。 長崎という土地で暮らすトツ子、きみ、ルイは、それぞれがそれぞれの実存的不安を抱えている、しかしその不安は、映画の中では一部分しか開示されることはない。それぞれの家族や人生に関わる事実も十分に明らかにはされない。 しかしこの物語は、おそらく謎が謎のままであることに意味がある。人間は誰にも知られぬ謎、実存的な罪の意識を抱えたまま、人と繋がり合うことができる。バンドの結成は、実存的不安と向き合う契機だが、不安を解消しない。その問題については、一人一人が単独で向き合うしかないのだ。 「ニーバーの

    映画『きみの色』の畏れと慄き|藤崎剛人
  • 岸田から次期総裁への置き土産「憲法改正」は総選挙に向けた「裏金問題」隠しか

    自民党総裁戦への出馬を発表する小泉進次郎元環境相(9月6日、東京) REUTERS/Kim Kyung-Hoon <政治資金問題は何一つ解決していないにも関わらず、自民党総裁選への出馬ラッシュが始まってから、自民党の支持率は回復傾向にある。メディアで毎日主要候補のアピールが報道されるからだ。総選挙でも同じく裏金問題は「憲法改正」論議にかき消されるのではないか> 9月2日、自民党の憲法改正実現部は、憲法改正に関して自衛隊の明記や「緊急政令」の制定などの論点整理を取りまとめた。既に退任が決まっている岸田総理は、同部の会合で、次期総裁下での改正の実現に期待を寄せた。自民党総裁選レースが話題を集める中で、自民党はにわかに憲法改正に向けての動きを加速させている。自民党は、総裁選後に予定されている総選挙の争点を、憲法改正にしようとしている可能性が強まってきた。 8月7日、岸田首相は自民党の憲法改正

    岸田から次期総裁への置き土産「憲法改正」は総選挙に向けた「裏金問題」隠しか
  • FUWA|藤崎剛人

    私が初めてフワちゃんを知ったのは、今から7年ほど前、インターネット番組『Aマッソのゲラニチョビ』だった。これまでの女性芸人にもいなかったような、素人っぽさもありながら勘所を押さえているタイプの芸風に驚き、これは「発見されれば売れる」と思った。まさかYouTuber枠でデビューし、Aマッソより先に売れるとは思っていなかったが。 フワちゃんは嫉妬したのか今回の事件についての話題で、フワちゃんの芸風がやす子と比べられることがある。フワちゃんがブレイク時と比べてテレビ露出を減らしつつあった後にやす子の出演が増えたことから、フワちゃんはやす子に嫉妬していたので件の投稿をしたのではないか、という疑惑がもたれている。 当にそうなのだろうか。確かに「馬鹿よ貴方は」新道竜巳が述べているように、フワちゃんの芸風とやす子の芸風は平場の瞬発力を強みとしているところは似ている。 だが、芸の質は異なる。やす子の芸は

    FUWA|藤崎剛人
  • 人道支援団体を根拠なく攻撃してなぜか儲かる「誹謗中傷ビジネス」

    暇空茜氏は都知事選に立候補し、一度も公に姿を表さないまま11万票を集めた(7月6日、東京銀座) Damon Coulter / SOPA Images via Reuters Connect <訴えられて損害賠償を命じられてもペイするというビジネスモデルの背後にいるのは誰か> 一昨年から始まる「不正会計」デマをきっかけとして、貧困やDVなどの困難を抱えた10代女性を支援する団体Colaboが様々な誹謗中傷を受けている問題で、7月18日、誹謗中傷のきっかけをつくった「暇空茜」を名乗る人物に対して損害賠償を求めた裁判で、暇空氏に220万円の賠償と投稿の削除を命じる判決が出た。昨年3月に出た、Colaboの会計に不正はなしとした東京都の監査結果と合わせて、暇空氏のデマによって女性支援団体の活動が妨害されたという事実が、公的に認められたことになる。 しかしこれで問題が決着したわけではない。暇空氏と

    人道支援団体を根拠なく攻撃してなぜか儲かる「誹謗中傷ビジネス」
  • 「イメージ」選挙とメディアの怠慢|藤崎剛人

    7月7日に行われた東京都知事選挙は、「イメージ」の選挙だったと言ってよい。 現職の小池百合子が都政をつつがなく運営できているという「イメージ」。 石丸伸二の改革者としての「イメージ」。 蓮舫の「左翼」または「怖い」という「イメージ」。 なぜ現職が圧勝したのか、なぜ石丸氏が得票率で2位になり、蓮舫氏が3位になったのか。メディアの分析や有権者に対する取材では、数々の「イメージ」が並んでいる。 特に現職の対抗馬となる石丸氏や蓮舫氏に対しては、ほぼ「イメージ」だけで選ばれた「印象」がある。 石丸氏に対しては、政治を変えてくれ「そう」、有能「そう」、政党色がない(ファクトに反する)などの「イメージ」が並ぶ。蓮舫氏に対しては、怖「そう」、いつも攻撃的な「印象」、笑顔が怖い(印象論)、共産党「色が強い」、などの「イメージ」が並んでいる。 私は、メディアがどんな顔をしてこの報道ができているのか分からない。

    「イメージ」選挙とメディアの怠慢|藤崎剛人
  • 都知事選、蓮舫候補の「二重国籍」問題の事実関係を改めて検証する

    6月19日、東京都知事選立候補予定者の共同記者会見に臨んだ蓮舫 Yuichi Yamazaki/Pool via REUTERS <選挙の有力候補者には、様々なバッシングが行われるのが常だ。その全てを防ぐことは難しいが、民族マイノリティに対して候補者の適格性を謂れなく問うことは差別であり、他の誹謗中傷とは次元が異なる> 5月27日、立憲民主党の蓮舫参議院議員が、7月に行われる都知事選への出馬表明を行った。現職の小池百合子都知事との対決が話題になっている。東京都の行政改革に期待を寄せる声もある一方、様々なバッシングも生じている。そのバッシングの一つで、小池知事を支援する現職区議なども含め、ネットを中心に蒸し返されているのが、2016年に発生した蓮舫氏の「二重国籍疑惑」だ。 およそ大きな選挙があるとき、その有力候補者に対しては様々なバッシングが行われる。中には誹謗中傷や根拠のないデマを元にした

    都知事選、蓮舫候補の「二重国籍」問題の事実関係を改めて検証する
  • 急に「事前運動」を厳格化しだした蓮舫パニックおじさんたち

    尾張おっぺけぺー @toubennbenn 公選法の事前運動の禁止は、「政治活動」は事前運動とはされない運用がされており、 その「政治活動」として街頭演説をやっている。 こういうたてつけでどの党もやっており(橋下さん自身も)、かつ問題にもなっていないが 突如自分の嫌う相手にこれでって掛かったのが #蓮舫パニックおじさん たち 尾張おっぺけぺー @toubennbenn 簡単に言うと、構造はこういう話 ①選挙活動が一定の時期に制限されている(事前運動の禁止) 一方で ②政治活動は制限なし で、②の政治活動として街頭演説をやっているわけ。 が、その中で①になりそうな発言ではないかと問題化にしている。 が、それは既述の通りいくらでもある話でもあるという。

    急に「事前運動」を厳格化しだした蓮舫パニックおじさんたち
  • 5/19ヘイトデモと管理する警察について|藤崎剛人

    5月19日の日曜日、「日の丸街宣倶楽部」というレイシスト団体が、埼玉県蕨市でヘイトデモを行うということで、カウンターに行ってきた。 蕨や川口など埼玉県南部でクルド人を中心とした外国人差別が激しくなっていることについては、以前『ニューズウィーク 日版』のコラムに書いた。 https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2024/02/post-65.phpにおける差別に対するカウンター行動といえば、いわゆる「しばき隊」から派生した「C.R.A.C」系の運動が有名だ。しかし私は、その「C.R.A.C」史観からみれば、「あまりうまくいかなかった」とされる「左翼系」のカウンター行動に参加していた。 差別デモのカウンターに行くのは、ほぼ10年ぶりだろうか。昔のことを思い出しながら向かう。 レイシスト5人・カウンター100人・無数の警察官現場につくがレイシストが見つ

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  • 政治資金改革を時間稼ぎの「政局的な話」としか考えていない自民党

    首をすげ替えても自民党に後はない?(5月4日、ブラジルのサンパウロで記者会見をする岸田文雄首相) REUTERS/Jorge Silva <政治資金問題について野党の追及を受けると「自民党の力をそぐための政局的な話」を反論する自民党からは「被害者意識」しか感じられない> 自民党の裏金問題を機に、国会では政治資金改革の議論が活発に行われている。野党が企業団体献金や政治資金パーティーの禁止など踏み込んだ案を出す中、自民党の改革案が甘いといわれ、厳しく追求されている。 そのような状況下、自民党政治刷新部座長を務め同党の改革案をまとめる立場の鈴木馨祐議員が、5月12日、民放の政治番組に出た際に野党から厳しい政治資金改革を求められたことに対して「自民党の力を削ぎたいという政局的な話」と発言した。これは単なる失言ではなく、裏金問題について反省がなく、改革案すら積極的に「政局」に利用しようとする自民

    政治資金改革を時間稼ぎの「政局的な話」としか考えていない自民党
    hokusyu
    hokusyu 2024/05/17
  • 「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

    <誹謗中傷で訴訟を起こされた被告が訴訟費用を上回るカンパを集め、さらに裁判過程をコンテンツ化して儲ける「ビジネス」が増えている> 4月18日、文学者の北村紗衣氏が、ネット上で「山内雁琳」を名乗る男性から受けた誹謗中傷を、名誉毀損だとして訴えた裁判の判決が東京地裁で下された。その内容は、雁琳氏は北村氏に対して慰謝料及び弁護士費用の合計220万円を支払うべしというものだった。同種の裁判と比べると、220万円という金額は重いとされている。 原告代理人が「被害者ではなく加害者がカンパを募る「誹謗中傷ビジネス」に対して、裁判所が歯止めをかけた重要な貴重な判決」と述べているように、この判決は、ネット上の誹謗中傷とその裁判がコンテンツとして収益化される風潮に一石を投じるかもしれない。 発端は別の誹謗中傷事件 事の発端は、文学者でフェミニスト批評を行っている北村紗衣氏が、歴史学者である呉座勇一氏のセミクロ

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令
  • 『オッペンハイマー』:被爆者イメージと向き合えなかった「加害者」

    ノーラン監督が「原爆の父」オッペンハイマーの半生を描いた意味は? ©Universal Pictures. All Rights Reserved. <ヒロシマ・ナガサキの惨状が描かれていないなど批判もあったが、これは紛れもない反核映画だ>*若干のネタバレあり 今年のアカデミー賞で、作品賞など7賞を獲得したクリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』が今年3月にようやく日公開された。「原爆の父」とも呼ばれるアメリカの物理学者オッペンハイマーの半生を描いたこの作品は、被爆国である日では特に政治的な議論の対象になったこともあり、公開が大幅に遅れていた。 そのような事情から、この映画は原爆投下についてのアメリカ側の弁明にすぎないのではないかという先入観を持っていたが、鑑賞してみると、それとは異なる印象を抱くことになった。 【写真】ネットを賑わす『バービー』と『オッペンハイマー』コラージュ

    『オッペンハイマー』:被爆者イメージと向き合えなかった「加害者」
  • 日本で車椅子利用者バッシングや悪質クレーマー呼ばわりがなくならない理由

    <バリアフリーを要求する車椅子利用者を「わがまま」と非難する背景には、障害者を助けるのは「善意」からなので、それ以上を求めるべきではないという考え方がある。だが今は、その考え方にパラダイムシフトが求められている> 3月15日、「車椅子インフルエンサー」として活動している中嶋涼子氏が、イオンシネマで映画館スタッフの介助を得て映画を観たところ、観賞後、責任者に今後の利用を断られ、悔しかったことをSNSに投稿した。イオンシネマは翌日、従業員の不適切な対応についてホームページ上で謝罪した。ところがその後、SNSでは中嶋涼子氏に対するバッシングが巻き起こった。 近年、事業者のバリアフリー対応について公然と批判する障害者は、世間からの謂れのない攻撃に晒されている。4月からは障害者差別解消法に基づいて、障害者に対する「合理的配慮の提供」が義務化される。社会で進んでいくバリアフリー政策と、人々の意識のギャ

    日本で車椅子利用者バッシングや悪質クレーマー呼ばわりがなくならない理由
  • 在日外国人と日本社会の共生努力を後退させる右派の差別扇動

    <これまで大きなトラブルもなく10年以上にわたってうまく共生してきた埼玉県蕨市のクルド人と日人の関係に楔を打ち込む事F件があった。なぜ共生はうまくいかないのか> 2月18日、埼玉県の蕨市駅周辺で、右派系市民グループ「日第一党」に所属していた人物が主催するデモが行われた。標的にされたのは、川口市や蕨市に住むクルド系の住民だ。 日社会で暮らす外国人や外国にルーツを持つ人々の数は増えつつある。その一方で、右派系市民グループや右派系ジャーナリスト、またSNSなどで煽られた匿名のアカウントらが、地域社会に定着して暮らしている外国人の生活を脅かすという現象が生じている。 埼玉県南部のクルド人コミュニティへの差別の拡大 近年、川口市や蕨市など埼玉県南部地域では、クルド系住民の数が増えている。難民申請者もいれば正規ビザ取得者もおり、在留資格は様々だが、人口は約2000人と言われる。現地でクルド人と日

    在日外国人と日本社会の共生努力を後退させる右派の差別扇動
  • 【能登半島地震】正義ぶった自粛警察が災害救助の足を引っ張る

    地震で破壊された石川県輪島市で生存者を探す消防士(1月1日) (Photo by James Matsumoto / SOPA Images/Sipa USA) <発災直後に被災地に入ったジャーナリストや政治家は個別の事情も顧みずSNSで苛烈なバッシングに遭った> 2024年1月1日に石川県能登地方を中心に発生した最大震度7の地震は大きな被害をもたらし、200人を超える死者と数万人の被災者を生み出した。この地震の発災直後から数週間、インターネット空間では様々な言説が乱れ飛んだ。その中で、この震災に関連する言説の特徴の一つだといえるのは、災害ボランティアに対して過剰に自粛を要請し、被災地入りしたジャーナリストや国会議員に対して苛烈なバッシングがあったことだ。今回のコラムでは、この現象について考えてみたい。 素人でもないのに 今回の能登半島地震では、半島という地形的な要因と地震によって道路が寸

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  • 男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

    <個の力をアピールして高揚させるが、しょせんは敗戦国の敗者復活戦に過ぎない> *若干のネタバレあり 11月3日から公開されている映画、山崎貴監督『ゴジラ-1.0』を鑑賞した。この作品のゴジラは、これまで観てきた「ゴジラ」シリーズの中でも屈指の恐ろしさで、第一作目の『ゴジラ』を彷彿とさせる。 <画像>生誕65周年、ゴジラの顔はこんなに変わってきた(写真15点) 一方でストーリーに関しては、筆者がかつて批判した「現場プロフェッショナルロマン主義」的な要素がある。それに基づいて戦後日歴史に新たなナショナリズムを与えようとするかのようなテーマになっていることには違和感を覚えた。 舞台は終戦直後の日 今回のゴジラ映画は、戦中から終戦直後にかけての日を舞台としている。1954年に公開され、同時代を舞台とした初代『ゴジラ』に年代設定は近い。ゴジラの描写も、原点回帰ともいえる、純粋に人々に恐怖を与

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義
  • 自民党はなぜ杉田水脈議員の暴走を止めないのか

    内閣支持率が最低を更新中の岸田文雄首相(7月11日、東京の自民党部) Rodrigo Reyes Marin/REUTERS <杉田水脈衆院議員は、一連の差別発言について反省するどころか差別を煽るような投稿を繰り返している。SNSを中心に支持者によるヘイトスピーチの再生産も行われている> 7年前のブログの記述が民族差別に当たるとして9月と10月に札幌と大阪の法務局から「人権侵犯」認定された自民党の杉田水脈衆院議員の暴走が止まらない。これまで数々の差別発言が問題になってきた杉田議員だが、今回の件を受けてもなお、自身の言動が差別であったことを認めず、ヘイトスピーチを更に重ねている。 杉田議員が折れないことにより、SNS等ではそれを応援する者などによるヘイトスピーチがむしろ激しくなっている。こうした混乱については、杉田議員が所属する自民党にも責任がある。だが自民党はいまなお、杉田議員に対する処

    自民党はなぜ杉田水脈議員の暴走を止めないのか
  • イスラエルはパレスチナの迫害をやめよ

    イスラエル軍の空爆を受け、犠牲者を探すガザ地区の住民(11月23日) REUTERS/Mohammed Salem <3000年来続く宗教対立という「物語」に思考停止させられてはならない。少なくとも建国以来、イスラエルはパレスチナから一方的に奪い続けてきた> 2023年10月、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエル領内に侵入し、民間人や外国人を含む人々を1000人以上殺害し、少なくとも200人を人質にしたことを、きっかけに、イスラエルによるパレスチナへの攻撃が激しさを増している。ガザ地区に住むおよそ200万人の人々が、封鎖の強化によって料や水、電気の供給を断たれ、空爆によって死んでいく。市街戦も格化しそうな勢いだ。 この紛争を解説する日のニュースや新聞記事では、聖書の記述に基づく「民族対立」を、両者の対立の根源に置くものがみられる。イスラエルとパレスチナは3

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  • 立憲民主党の「消費税還付法案」を支持する - 過ぎ去ろうとしない過去

    最近の野党は、文字通り右も左も消費税減税を主張しています。これは考えてみれば不思議なことです。なぜなら、世論調査の結果から分かるのは、世論は消費税は上がるときは反対運動が広がるが、いざ上がってみると減税運動にはそこまで積極的にならない、というものだからです。2021年の衆議院選挙でも、消費税については特に大きな争点になっていたとは言い難いでしょう。もちろん消費税には逆進性があり、庶民の家計を圧迫する要因のひとつです。しかしながら、ほぼ全ての野党が減税にベットするような税制かと言われれば疑問です。 もちろん消費税が安くなることにこしたことはない。しかし全体で20兆円以上の税収となっている消費税を減税するならば、その穴埋めをどこかでしなければなりません。維新や国民民主党が狙っているのは福祉カットです。「世代間格差」というトンデモ理論を根拠に、高齢者福祉を削り、「生きるに値しない生」をつくりだそ

    立憲民主党の「消費税還付法案」を支持する - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 立憲民主党の「消費税還付法案」を支持する|藤崎剛人

    最近の野党は、文字通り右も左も消費税減税を主張しています。これは考えてみれば不思議なことです。なぜなら、世論調査の結果から分かるのは、世論は消費税は上がるときは反対運動が広がるが、いざ上がってみると減税運動にはそこまで積極的にならない、というものだからです。2021年の衆議院選挙でも、消費税については特に大きな争点になっていたとは言い難いでしょう。もちろん消費税には逆進性があり、庶民の家計を圧迫する要因のひとつです。しかしながら、ほぼ全ての野党が減税にベットするような税制かと言われれば疑問です。 もちろん消費税が安くなることにこしたことはない。しかし全体で20兆円以上の税収となっている消費税を減税するならば、その穴埋めをどこかでしなければなりません。維新や国民民主党が狙っているのは福祉カットです。「世代間格差」というトンデモ理論を根拠に、高齢者福祉を削り、「生きるに値しない生」をつくりだそ

    立憲民主党の「消費税還付法案」を支持する|藤崎剛人