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思想に関するhharunagaのブックマーク (646)

  • <書評>『昭和問答』田中優子・松岡正剛(せいごう) 著:東京新聞デジタル

    江戸文化と編集工学をそれぞれ専門とする田中優子、松岡正剛両氏は日をめぐり、発想の「おおもと」を江戸に求めて対話を交わしてきた。書は『日問答』と『江戸問答』に続く完結編。現代を問う方法を探る問答である。 三つのテーマをもとに話は進む。一つは、私たちはなぜ競争から降りられないのか。戦前の昭和日は軍事拡大と領土拡張に走ってアジアの関係を破壊し、戦後は国内で経済発展に邁進(まいしん)して自然と人間の関係を破壊した。生活と文芸と文化が一体化した、江戸の文明を切り捨てて、近代化の競争に突き進んだ結果だ。

    <書評>『昭和問答』田中優子・松岡正剛(せいごう) 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2024/11/24
    テーマは3つで、「私たちはなぜ競争から降りられないのか」「国にとっての独立・自立とは何か」「人間にとっての自立とは何か」という。「二項対立ではなくデュアル(二重)進行を同時にとらえる編集的方法で読み解
  • ピコデラミランドラとは? 意味や使い方 - コトバンク

    ( Giovanni Pico della Mirandola ジョバンニ━ ) イタリアの人文主義者。新プラトン派の哲学者。新プラトン主義と中世神学との調和を試み、ルネサンスの新しい人間観、世界観を示した。主著「人間の尊厳について」。(一四六三‐九四) フィチーノと並ぶルネサンス・イタリアの代表的プラトン主義思想家。ミランドラ城主の末子として生まれ,ボローニャ,パドバ両大学で学んだが,フィチーノにひかれて哲学に関心を注ぎ,一方,ギリシア語,ヘブライ語からアラム語,アラビア語まで修得して天才的博識をうたわれた。フィチーノの〈永遠の哲学〉に共鳴し,現実世界の対立を,その底を貫いて存在する同一性の自覚によって融和させようと試みる〈哲学的平和〉を主唱した。この平和の理想を実行に移すべく,全世界から自費で哲学者,神学者を招いて1486年ローマで世界哲学会議を開催し,諸教義に一致点を見いだしうるか否

    ピコデラミランドラとは? 意味や使い方 - コトバンク
    hharunaga
    hharunaga 2024/11/23
    ルネサンス期の思想家ピコ・デラ・ミランドラは「現実世界の対立を,その底を貫いて存在する同一性の自覚によって融和させようと試みる〈哲学的平和〉を主唱した」。プラトンとアリストテレスの協和を始め、古代神学
  • 『身体と魂の思想史 「大きな理性」の行方』(講談社) - 著者:田中 彰吾 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    「わたしはどこまでも身体であり、それ以外の何物でもない」と、近代理性の影である身体にこそ「大きな理性」を見たニーチェ。それに呼応するかのようにフロイトやライヒが着目した症状と性、… 「わたしはどこまでも身体であり、それ以外の何物でもない」と、近代理性の影である身体にこそ「大きな理性」を見たニーチェ。それに呼応するかのようにフロイトやライヒが着目した症状と性、メルロ=ポンティの説いた「受肉した意識」としての身体、さらに身体のイメージへと、影であった身体が探求される。二〇世紀終盤には身体性認知科学が、身体と環境の「あいだ」に拡がる心を見出し、脳神経の科学と技術は拡張身体を描き始める。「大きな理性」としての身体、その発見の歴史と未来を考察する。 目次 序章 「大きな理性」としての身体 第1章 精神分析における身体―フロイトの洞察 第2章 性と聖を結ぶ身体―フロイトからライヒへ、ライヒから現代へ

    『身体と魂の思想史 「大きな理性」の行方』(講談社) - 著者:田中 彰吾 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2024/11/03
    ニーチェの言葉は『ツァラトゥストラはこう言った』で、以下のように続く。「そして魂とは、たんに身体における何物かをあらわす言葉にすぎない。身体はひとつの大きな理性だ。」(氷上英廣訳)
  • 『戦時から目覚めよ: 未来なき今、何をなすべきか』(NHK出版) - 著者:スラヴォイ・ジジェク 翻訳:富永 晶子 - 橋爪 大三郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    人類の”大惨事”は避けられるか?気候変動、生態系の破壊、糧危機、世界大戦――人類の破滅を防ぐための時間がもう残されていないのだとしたら、我々は今何をなすべきなのか?パンデミックを経… 人類の”大惨事”は避けられるか? 気候変動、生態系の破壊、糧危機、世界大戦――人類の破滅を防ぐための時間がもう残されていないのだとしたら、我々は今何をなすべきなのか?パンデミックを経てますます注目される現代思想の奇才が、西欧と世界で今起きている事象の質をえぐり、混迷と分断渦巻く世界の「可能性」を問う。 第一章 さらばレーニン、ようこそ無能な侵略者たち 第二章 戦争(と平和)の異常な平常化 第三章 黙示録の五番目の騎士 第四章 「サファリ」的な主観性 第五章 ほかの国が果たすべき役割 第六章 結束する権力者に立ち向かえ 第七章 今日のウクライナにおけるレーニン 第八章 ヒマワリの種がたっぷり入ったポケット

    『戦時から目覚めよ: 未来なき今、何をなすべきか』(NHK出版) - 著者:スラヴォイ・ジジェク 翻訳:富永 晶子 - 橋爪 大三郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    hharunaga 2024/11/01
    「ヒントがぎっしり詰まっている。グローバル資本主義の勝ち組富裕層にきちんと課税すること。難民や移民のように国境を越える人びとを支援すること。…イスラエルで≪パレスチナ人を含む大規模な民主主義連合を提案
  • 「宇宙人」との共同作業 危機の時代に立ち上げた「批評空間」:私の謎 柄谷行人回想録⑲|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 90年代、スペインのポルトボーで、浅田彰さん(左)と柄谷行人さん=柄谷さん提供 書籍情報はこちら ――1980年代後半から90年代の柄谷さんの活動についてお聞きしていきます。ソ連の崩壊や阪神淡路大震災をはじめ国内外で歴史的な動乱期ですが、柄谷さんの周囲でも雑誌を立ち上げたり、湾岸戦争反対の署名の運動をしたりと、様々な出来事がめまぐるしく起きている時期です。盟友だった作家の中上健次が亡くなったのも92年でした。 柄谷 いまから思うと、それまでやってきたことに始末をつけていった時期でした。一口でいうと、文学から決別する方向に向かったのです。 一方で、この時期は、まったく新しいことを始めたときでもあった。それには時代の変化が大きかったと思う。冷戦構造の崩壊、湾岸戦争勃発などが重なったときに、それを実感しました。それで行動的になった、ともといえますね。 ――85年から88年

    「宇宙人」との共同作業 危機の時代に立ち上げた「批評空間」:私の謎 柄谷行人回想録⑲|じんぶん堂
    hharunaga
    hharunaga 2024/10/25
    「僕がやっていることについて、浅田(彰)君がまとめてくれると、なるほどそうだったのか、と自分で自分のことがわかることもよくあった。」
  • 原典 イタリア・ルネサンス芸術論【上巻】 « 名古屋大学出版会

    目 次 凡 例 解 説 イタリア・ルネサンス芸術論(池上俊一) 美 学 1 ジョルダーノ・ブルーノ 紐帯一般について 模倣論 2 ジュリオ・カミッロ 模倣について イデア論 3 フェデリコ・ズッカリ 画家・彫刻家・建築家のイデア 理想都市論 4 アントニオ・フィラレーテ 建築論(第二書) 建築論 5 セバスティアーノ・セルリオ 建築七書(第四書) 庭園論 6 アゴスティーノ・デル・リッチョ 王の庭について 色彩論 7 フルヴィオ・ペッレグリーノ・モラート 色彩の意味について 絵画論 8 レオン・バッティスタ・アルベルティ 絵画論 9 ジョヴァン・パオロ・ロマッツォ 絵画神殿のイデア 彫刻論 10 ポンポニオ・ガウリコ 青銅の鋳造術について(第一章) パラゴーネ 11 フランチェスコ・ドーニ 素描論(第六章) 工芸論(陶芸) 12 チプリアーノ・ピッコルパッソ 陶芸三書(第一書) 工芸論(金

    hharunaga
    hharunaga 2024/10/20
    ジョルダーノ・ブルーノ「紐帯一般について」の“紐帯”は、英訳ではbond, link, bindingなどらしい。人間の「結びつき」「つながり」一般を論じるという奇怪な著作で、エロス論、政治思想などとしても読めるようだ。
  • 千葉雅也「失われた時を求めて」を求めて|文化|中央公論.jp

    ネオリベラリズムとコロナ、フーコー、そして時間と悪……。『勉強の哲学』『ツイッター哲学』などの著書もある、哲学者・小説家の千葉雅也氏による「時間論」序章。 タバコとコロナ この間あちこちでタバコが吸いにくくなったことを惜しむ発言をしているのだが、昨年の四月以降、屋内原則禁煙になったのは、喫煙者としてはコロナ問題より大きいくらいである。ついに格的に風景が変わってしまった。歴史に深く漆黒の溝が刻まれたかのようだ。それは禁煙推進、嫌煙の人々にとっては良いというか当然しかるべき変化なのだろうが、僕としては人類の何か貴重なものがついに失われてしまったという暗い感慨に浸らざるをえないのである。 個人的嗜好としての喫煙の肩身が狭くなったというだけではなく、そのことは世の中の全体的な変化と結びついていると僕は考えている。 昨年から我々はコロナ禍にあり、マスクをして飛沫を防ぎ、頻繁に手を洗い、できるだけ接

    千葉雅也「失われた時を求めて」を求めて|文化|中央公論.jp
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    hharunaga 2024/10/19
    「個人的であること自体が悪だというかたちで、伝統的な悪の問題が今日再発見されている。公共的存在として生きるのが善だというのは、楽園を目指すことである。だが今改めて、悪の権利を言うべきではないのか」
  • サイードの人文学を歴史化する|福島大学学術機関リポジトリ

    http://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000005088/16-173.pdf

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    hharunaga 2024/10/15
    “『始まりの現象』の中で,サイードは彼の人文学の起源を〔…〕ヴィーコに遡る。その上で,ヴィーコ的人文学の特徴を,自らを否定する要素を含んでいることだと指摘し,〔…〕差異と呼び,一般的には反人文学の代表
  • 書評『民主至上主義』エミリー・B・フィンレイ著 エリート統治と排除を暴く - 日本経済新聞

    近年、権威主義体制との対立、ポピュリズムの挑戦、新自由主義の席巻など、危機に瀕(ひん)する民主主義を擁護する議論が脚光を浴びている。書はそうした議論から一線を画す。著者は現実よりも「ほんもの」とされる民主主義を重視する、「民主至上主義(democratism)」を批判する。民主至上主義とは、理想化された人民の意志の反映を条件に、民主主義を神聖視するイデオロギーかつ疑似宗教である。人民の意志の尊

    書評『民主至上主義』エミリー・B・フィンレイ著 エリート統治と排除を暴く - 日本経済新聞
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    hharunaga 2024/10/12
    “民主至上主義とは、理想化された人民の意志の反映を条件に、民主主義を神聖視するイデオロギーかつ疑似宗教である。人民の意志の尊重を謳いながらエリート統治に傾き、「正しい」とみなされた意見に同意しない人々
  • 集団、主体性、共同体をめぐって──68 年 5 月とサルトル、ドゥルーズ=ガタリ、ブランショ

    メタデータをダウンロード RIS形式 (EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)

    hharunaga
    hharunaga 2024/09/16
    「この〔『弁証法的理性批判』の〕溶融集団のアイデアは、…ガタリによって批判的に継承され、『アンチ・オイディプス』の中で展開されることになる」。文:澤田 直。
  • 人新世における人間と非人間との関係に関する考察 ーティモシー・モートンと石牟礼道子を手がかりとしてー | 神戸大学学術成果リポジトリ Kernel

    https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100477838 このアイテムのアクセス数:289件(2024-12-24 13:52 集計) 閲覧可能ファイル ファイル フォーマット サイズ 閲覧回数 説明 D1008412 (fulltext) pdf 6.59 MB 2,765 D1008412y (abstract) pdf 1.86 MB 168 メタデータ ファイル出力 メタデータID 0100477838 アクセス権 open access 出版タイプ Version of Record タイトル 人新世における人間と非人間との関係に関する考察 ーティモシー・モートンと石牟礼道子を手がかりとしてー 著者 著者名 張, 凌霄 チョウ, リョウショウ 所属機関名 神戸大学人文学研究科 文化構造専攻 言語 Japanese (日語) 刊行日 2022-

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    hharunaga 2024/09/12
    「筆者は(D.ハラウェイの)クトゥルー新世と(J.W.ムーアの)資本新世が示唆した意義からモートンのダークエコロジー思想の限界を見出したい」。文:張凌霄。
  • 上智大学外国語学部英語学科教授 小川公代先生 インタビュー

    Online ISSN : 1884-7080 Print ISSN : 1342-3363 ISSN-L : 1342-3363

    hharunaga
    hharunaga 2024/09/10
    “ティモシー・モートンはそういう〔人間の尺度を超えてしまった〕「ハイパーオブジェクト」に対して今人間が生態系の一部として考えるために必要なのは〔その反対の〕「ハイポサブジェクト」に回帰していくことだと
  • “穏健保守の共産主義者”のジジェクは「本物の批判的思想家だから嫌われる」 | 意外に普通な幼少期、ラカンとの記憶

    カテゴライズできない批判的思想家 ある日の午後にカフェでお茶をしていると、ひとりの男がゆっくり近づいてくるのがジジェクの肩越しに見えた。刈り込んだ頭に小さな丸メガネ、ソ連のスパイが暗殺に使ったことで有名な傘に似たものを持っている。 彼はジジェクの後頭部目がけて何かを叫び出した。ジジェクは気づいていない。男は立ち去りかけたが、気が変わったのか踵を返して戻ってきた。ジジェクが振り返った。大きな声でしばらく会話したのち、彼は私に言った。 「『あんたはここに座って哲学してりゃいいが、俺たちは何もかもをどうすりゃいいんだ?』って言ってたよ。いささか攻撃的な男だな」 「俺たちは何もかもをどうすりゃいいんだ?」という問いが宙に浮いていた。我々は意見対立を通じた弁証法的推論にはそぐわない時代に生きている。哲学者であり誌「ニュー・ステイツマン」の常連寄稿者でもあるジョン・グレイが、アムステルダムで開かれた

    “穏健保守の共産主義者”のジジェクは「本物の批判的思想家だから嫌われる」 | 意外に普通な幼少期、ラカンとの記憶
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/08
    「我々が環境面で瀕している危機であったり、戦争や移民問題を考えて、ということだよ。(共産主義国家よりも)もっと強力な国家権力があったって(これらを解決するには)足りないくらいだ」
  • 物理学者と読む西洋社会思想と科学の歴史(林 哲介)| 京都大学学術出版会

    市民社会の扉を開けたロックは、最先端の医学を学び、親友ボイルの実験室で研究に励み、ニュートンと手紙を書き合った。科学と社会思想は絡み合って歴史となる。これからの科学技術の真の目的を考えるために、人間が近代以降に築き上げてきた価値観のありようを歴史的背景とともに学ぶ。物理学者による長年のリベラルアーツ講義録。 林 哲介(はやし てつすけ) 1942年生まれ。1966年京都大学理学部物理学科卒業。 1992年より京都大学教養部教授、同総合人間学部及び大学院人間・環境学研究科教授、同高等教育研究開発推進センター教授。この間、総合人間学部長、高等教育研究開発推進センター長、京都大学副学長等を務めた。 2006年より星城大学学長、京都工芸繊維大学副学長、京都三大学教養教育研究・推進機構特任教授を経て、現在、京都大学名誉教授。 専門:物性物理学、大学教育論。京都大学理学博士。光物性研究と基礎物理学教育

    物理学者と読む西洋社会思想と科学の歴史(林 哲介)| 京都大学学術出版会
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/07
    「市民社会の扉を開けたロックは、最先端の医学を学び、親友ボイルの実験室で研究に励み、ニュートンと手紙を書き合った。科学と社会思想は絡み合って歴史となる。…物理学者による長年のリベラルアーツ講義録」
  • 宇波彰現代哲学研究所 『天皇論 「象徴」と絶対的保守主義』を読む

    われわれは望む、望まぬに係わらず、日という国に生まれ、日語という言語を母語とし、日国民として生きていくことを担った存在者である。この当然の事柄は、必然的に日という国の根底に位置するある一つのレジームと、肯定するにしろ否定するにしろ、あるいは、賞賛するにしろ嫌悪するにしろ、向き合わざるを得ない状況の中にいることを示している。そのレジームとは天皇制である。天皇制は一般的には確固として不変的なレジームであると思われているが、実際には幾重にもベールに包まれ、その実態を覆い隠そうという何らかの意志を持っているようにさえ感じられる捉えどころのない不可思議なレジームである。 子安宣邦氏は、最新書『天皇論 「象徴」と絶対的保守主義』(以後、サブタイトルは省略する) の中で、この謎に満ちたレジームと論争的に (polémique) 対峙している。論争的であるのは、象徴という覆いによって隠された不鮮明

    hharunaga
    hharunaga 2024/09/07
    「天皇制の主体である天皇とは、〔ラカンの言う〕アファニシス〔消失〕あるいはフェーディング〔fading〕としての主体であり、天皇制は、天皇というその実態が消え去り、象徴となった時にこそ、真の力を放出する」
  • 『本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―』 先崎彰容 | 新潮社

    中国から西洋へ、私たち日人の価値基準は常に「西側」に影響され続けてきた。貨幣経済が浸透し、社会秩序が大きく変容した18世紀半ば、和歌と古典とを通じて「日」の精神的古層を掘り起こした国学者・居宣長。波乱多きその半生と思索の日々、後世の研究をひもとき、従来の「もののあはれ」論を一新する渾身の論考。

    『本居宣長―「もののあはれ」と「日本」の発見―』 先崎彰容 | 新潮社
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/04
    読み始めたが、宣長が否定する武士道、漢意(からごころ)などを「男性的なもの」、肯定する「人情」「実情」などを「女性的なもの」と整理していて、後に軍国主義に結び付けられた宣長の印象が変わる。
  • ララビアータ:キルケゴールのフモール - livedoor Blog(ブログ)

    私は笑いと泣きとの共通性をもとに、泣きにおける緊張が一挙に解かれるときに笑いが生じる、と論じたことがある(「笑いについて」『魂の美と幸い』所収)。この緊張がどこに生じるかといえば、それは悟性においてということになろう。笑いが人間特有であるとすれば、その理由は悟性に基づく緊張が人間にのみ見られるからであろう。言語使用に特有な規範性は、人間に大きな緊張を強いるものであるに違いない。この不自然さこそが、その解放とともに爆発的な笑いを生み出すのである。人間以外の肉動物も、獲物を追跡するときに緊張を強いられることもあろうし、狩りが終われば緊張から解放されもしようが、そのような緊張からは笑いは生じない。ハイエナが笑いに似た声を発するという説もあるが(カネッテティ『群衆と権力』邦訳 上p−328)、それを笑いと見ることはできない。他の動物における緊張と弛緩は連続しているため、笑いのような痙攣発作的な呼

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    hharunaga 2024/09/01
    “フモールは「独我論者の社交性」といったものに近づく。ソクラテスのイロニーと違って、フモリストの自己吟味は常に内面で行われ、〔…〕それが、キリスト教特有の非政治性につながるのである。”(田島正樹)
  • 「古くて新しい国」書評 思想的源流をたどる待望の翻訳|好書好日

    古くて新しい国: ユダヤ人国家の物語 (叢書・ウニベルシタス 1168) 著者:テオドール・ヘルツル 出版社:法政大学出版局 ジャンル:人文・思想 「古くて新しい国」 [著]テオドール・ヘルツル シオニズムは離散状態のユダヤ人が自らの国家の建設をめざす政治思想であり、イスラエル建国の源流となった。ただ、私も含め、日人はこのイデオロギーの歴史を深く理解できていない。その一因は、ウィーンを拠点にシオニズム運動を率いた作家テオドール・ヘルツルが、まだよく知られていないことにある。書は、その空白を埋める待望の翻訳である。 1902年に出た書は、意外なことにジュール・ヴェルヌのSFを思わせる近未来小説である。主人公のユダヤ人青年は、社会からのけ者にされた絶望ゆえに南島に移住するが、その途上で貧しいトルコ人やアラブ人の集う「原始状態」のパレスチナを目撃する。だが、彼が20年後に再訪したパレスチナ

    「古くて新しい国」書評 思想的源流をたどる待望の翻訳|好書好日
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    hharunaga 2024/08/24
    「シオニズム運動を率いた作家テオドール・ヘルツル」「本書は、意外なことにジュール・ヴェルヌのSFを思わせる近未来小説」「ひたむきな活動家ヘルツルは、アラブ人との衝突を想像していなかった」。評:福嶋亮大。
  • 『やまと言葉の人間学』(ぺりかん社) - 著者:竹内 整一 - 中村 桂子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    表音文字「かな」と外来の表意文字「漢字」の複合体として発達した日語。現代では明治期より量産されてきた翻訳語やカタカナ用語も氾濫している。だが医療の場において痛みを表す言葉が「し… 表音文字「かな」と外来の表意文字「漢字」の複合体として発達した日語。現代では明治期より量産されてきた翻訳語やカタカナ用語も氾濫している。だが医療の場において痛みを表す言葉が「しくしく」「ずきんずきん」であるように、主観を語る「やまと言葉」は具体的な感情表現として活きつづけている。「もてなし」「かなしみ」「ただしさ」「なぐさめ」など現代に活きる「やまと言葉」を取り上げ、古典文学から歌謡曲に至る豊富な用例を踏まえて考察する。長年に亘り「やまと言葉」をつぶさに眺め考えつづけてきた著者の遺作。 「潑剌たる生の内容」にふれる瞬間「たしなみ」は「ニュアンスに微妙な幅のある、すこし不思議なやまと言葉である」と著者は言う。「

    『やまと言葉の人間学』(ぺりかん社) - 著者:竹内 整一 - 中村 桂子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    hharunaga 2024/08/22
    “著者は、日本人が自然から学びとったのは、すべては「おのずから」と「みずから」の「あわい(間、出会うところ)」にあるという生き方だと言う。”
  • なぜ人類は「近親相姦」をかたく禁じているのか…ひとりの天才学者が考えついた「納得の理由」(奥野克巳)

    「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。『はじめての人類学』では、この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。 ※記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。 「インセスト・タブー」とは何か 人間が持つ根源的な「ルール」のひとつとして、「インセスト・タブー」が挙げられます。ここでは『悲しき熱帯』で出てきたナンビクワラを例にしましょう。ナンビクワラ社会では、「交叉いとこ」の男女同士は、生まれた時から「夫」や「」を意味する言葉で呼び合っていました。それは、ある男性にとっては、彼の父の姉や妹あるいは母の兄や弟の娘のことです。男性は、それらの娘のうちの1人とやがて結婚するのです。 その男性にとっては、逆に規則上、結婚を許されない女

    なぜ人類は「近親相姦」をかたく禁じているのか…ひとりの天才学者が考えついた「納得の理由」(奥野克巳)
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    hharunaga 2024/08/15
    「モース的に言えば、インセスト・タブーの範囲にある女性だから交換するのではなく、交換するためにインセスト・タブーが生まれると言うべきなのです」