岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT公式テストでは、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの第3ドライバーに奥本隼士が登録された。スーパー耐久、さらにはFIA F4までフォローしているモータースポーツファンであれば、その名前を知っているかもしれないが、彼が国内トップカテゴリーのエントリーに名を連ねたのはこれが初めてだ。 奥本は、“ラジコン出身レーサー”という類を見ない経歴を持っており、レースを始めてからわずか数年、それまではカート経験すらなかったという異色の存在。彼にここに至るまでのストーリーを聞いた。 大阪出身の奥本は、11歳でラジコンレースの世界大会で優勝。学生時代は陸上競技で活躍した。レースが大好きな“レースオタク”だったものの、金銭的にも簡単なものではないと理解していたため、ドライバーとしてその世界に足を踏み入れることはなかった。しかし大学卒業のタイミングで一念発起