30分で書いた先日の記事が思わぬ議論を呼んでいるので、補足しておく。書き方が混乱をまねいたのは申し訳ないが、これは「外国貿易乗数は大国のほうが大きい」という常識を書いただけだ。ちょうど先週出た日銀の金融経済月報に、この原因についての分析があるので、引用しておこう:わが国の生産の落ち込みは、世界的な景気調整の震源である米国と比べても、むしろ大幅なものとなっている。これには、以下に示すように、日米製造業の構造の違いが大きく影響していると考えられる。 第1に、鉱工業を構成する産業のウエイトの違いである。鉱工業の生産の内訳をみると、わが国は、落ち込みの大きい輸送機械(自動車等)、電気機械類(電子部品・デバイス、電気機械、情報通信機械)、一般機械(設備機械等)の3業種で鉱工業全体の約5割を占めているのに対し、米国では、それに対応する業種の比率は2割程度。 第2に、輸出の影響の違いである。輸送機械