心機一転を期して移籍したパルマのナンバー10を背負い、主役としての活躍が期待された'01-02シーズン。終わってみれば中田英寿にとっては多難な1年だった。セリエA34試合中、先発出場は半分の17試合(+途中出場7試合)。3人の監督からいくつもの異なったポジションでプレーすることを求められ、それに応えるための試行錯誤に大半の時間とエネルギーを費やした感すらある。 当初、レンツォ・ウリビエリ監督から与えられたのは2トップの背後中央、いわゆる"トップ下"のポジションだった。しかし、開幕から2カ月が過ぎてもチームは十分に機能せず、11月初めに同監督は解任となる。その後ダニエル・パサレラの短期政権を挟んでシーズン3人目の監督となったピエトロ・カルミニャーニは「中田はトップ下の選手ではない」と宣言。終盤戦に入ると、攻守双方を担う純粋なセンターハーフとして起用した。皮肉なことに、昨シーズンの中田が最も輝