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進化論的アプローチで意識の難問に挑む『意識と目的の科学哲学』
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進化論的アプローチで意識の難問に挑む『意識と目的の科学哲学』
「意識とは何か」という問題のスナップショット。 新書サイズのわずか85ページで、神経生理学、科学哲学... 「意識とは何か」という問題のスナップショット。 新書サイズのわずか85ページで、神経生理学、科学哲学、心の哲学の学際領域をコンパクトに圧縮している。いわば意識のハードプロブレムの最前線を切り取った小論といえる。読む前と読んだ後で見え方が変わってしまう本をスゴ本を呼ぶのなら、本書はその名に相応しい。この問題の捉え方そのものが変わってしまったのだから。 例えば、「意識の問題はヒトの問題なのか?」という切り口だ。 提唱者のD.チャーマーズが掲げた「脳の物理的な状態と、感じる、見る、思うといった主観的な経験との関連性を解き明かす」という命題には、「ヒトにとっての」という語句が隠れている。 わたしは今まで、問題文そのものを疑うことをせず、マリーの部屋とかクオリアについて学んできた。だが、立ち止まって考えると変だ。意識の問題は「生物にとっての」という語句から考えるべきだ。 アナバチは「愚か」なのか?