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狂乱のサスペンス・スリラー『邪教の子』。読者への信頼と恐れが、悪魔的サプライズにつながった 澤村伊智インタビュー | 瀧井 朝世 | 作家の書き出し
幼き日の記憶と、新興宗教への潜入取材 ――新作『邪教の子』、大変面白く拝読しました。物語は、慧斗とい... 幼き日の記憶と、新興宗教への潜入取材 ――新作『邪教の子』、大変面白く拝読しました。物語は、慧斗という女性の手記から始まります。少女時代、彼女が暮らすニュータウンに越してきた同い年の茜は、親が新興宗教に入信していて娘を学校にも通わせない。茜を助け出そうとする慧斗の懸命な行動が描かれます。 澤村 まずは、囚われの姫を奪還する、オーソドックスな構造の物語を書きたいというのがありました。頭にあったのは、「ガラスの山」というポーランドの民話です。幽閉された姫を、貧しい青年が知恵と勇気で助け出す。そんな超基本的な話を新興宗教と絡めようと思ってできたのが前半です。 ――ああ、なるほど。前半は慧斗がなぜこうした手記を書いているのかが気になって読み進め、後半で「えっ!」となりました。舞台となるニュータウンというものにはそもそも興味があったのですか。 澤村 僕も小学校3年生の時から大学を卒業して実家を出るま
2021/08/29 リンク