中国の武漢ウイルス研究所の科学者らは、コウモリが媒介する新たなコロナウイルス「HKU5-CoV-2」を発見したと最近報告した。HKU5-CoV-2は新型コロナウイルス感染症(COVID19)の感染拡大で重要な役割を果たしたのと同じ受容体であるヒトのACE2を使い、細胞内に侵入することができる。 ヒトへの感染はこれまで報告されていないが、今回のニュースはワクチンメーカーの株価を押し上げたほか、死者を出す大流行を招く恐れもある動物由来感染症の脅威を巡る世界的な懸念を浮き彫りにした。歴史を振り返ると、腺ペストや天然痘、「スペイン風邪」、エイズウイルス(HIV)など、これまでも数多くのパンデミックが発生した。 医学の進歩がこうした感染症との闘いに役立つ一方、森林破壊や都市化、集約畜産、気候変動といった現代の課題は、驚くべき速さで新たな感染症を巡る脅威の出現に拍車を掛けている。 新たなコロナウイルス
